「マティス 自由なフォルム」プレス内覧会

国立新美術館

  • 2024/2/13(火)
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「マティス 自由なフォルム」プレス内覧会

 20世紀最大の巨匠の一人アンリ・マティスが長い芸術家人生で最後に到達した記念碑的な表現、切り紙絵に焦点を当てた日本初の展覧会が開幕。
 プレス内覧会では、本展の大きな見どころで4.1m×8.7mの大作《花と果実》が展示された空間で、国立新美術館主任研究員の米田尚輝氏(写真右から2番目)による解説が行われた。

 《花と果実》は、元々はアメリカ人コレクターが自宅の中庭を装飾するために発注し、1952〜53年に制作されたもの。現在はニース市マティス美術館のメインホールで来場者を迎えているが、本展のために大規模な修復が行われ、初来日した。「本作が外に出されるのは1963年の同美術館の開館以来2回目となり、今後、ニース市内から展示に出される可能性はほぼない」という貴重な作品だ。

 また、横幅14mの壁画《ダンス》は、その巨大なコンポジションゆえにマティスが描き直しに苦労したというが、切り紙絵を元にした技法により、構図の変更や微妙な修正が可能になったという。本展では、原寸より少し小さめの約12m幅の壁にプロジェクター表示されるとともに、対応する油彩習作が展示されている。
 この他にも、準備習作のために切り紙絵の技法が用いられたという舞台衣装デザインや、タペストリーの下絵として何年も何度も描き直されたという《森の中のニンフ》、青い切り紙絵が繊細に重なり合い、念入りに構築された4点の連作の一つ《ブルー・ヌードW》など、マティスの切り紙絵を語るうえで重要な作品の数々が紹介された。

 本展の最後には切り紙絵を応用したマティス芸術の集大成、ヴァンスのロザリオ礼拝堂が1分の1で再現されている。「礼拝堂の中を24時間撮影した映像を参考に、ステンドグラスから礼拝堂に入り込む光を3分間で再現しています。本展の最後に、マティスが創り出した美しい色彩の移ろいを体感して頂ければと思います」と米田氏。

【会期】2月14日(水)〜5月27日(月)
【休館日】火曜 ※ただし4月30日は開館
【時間】10:00〜18:00(金・土曜は20:00まで) ※入場は閉館の30分前まで
【画像】アンリ・マティス《花と果実》ニース市マティス美術館蔵©Succession H. Matisse

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