松浦浩之「Super Acrylic Skin− kyara

六本木ヒルズ A/Dギャラリー

  • 2024/2/15(木)
  • イベント
  • フォトニュース
松浦浩之「Super Acrylic Skin− <i>kyara</i>」

 2005年に東京画廊で開催された個展「Super Acrylic Skin」でデザイナーからアーティストへと転身し、以降、絵画、立体、版画など作品の形式を広げながら、作家活動を行う松浦浩之(1964年〜)の個展が開催されている。

 1999年に現代アートとして作品の制作を開始した松浦は、国内外で精力的に個展を開催し、特にアジアで高い評価を受け続けている。2011年にSwatch「2011 Art & Collection」デザイン、2016年には「高島屋のお中元・お歳暮」のキービジュアルを手がけ、2021年にはフランスのラグジュアリーブランド「lucien pellet-finet」とコラボレーションするなど、活躍の場をさらに広げる。

 本展では、ペインティング、3Dプリントによる立体作品、フィギュア、版画など、新作を一挙に展示。松浦の平面作品は基本的にはアクリル絵具が使われ、シャープな輪郭とフラットさを特徴としているが、実際に鑑賞すると、緻密な構成と繊細ながら力強い輪郭が奥行きも感じさせ、観るものを惹き込ませる力がある。
 立体作品は、松浦が2007年に制作し、Swatchのデザインの一つにも採用された《Windy Bunny》を発展させたもの。うさぎの着ぐるみを被った幼い子供が、16年の時を経て成長し、私たちの前に少し自信を持ったような眼差しで登場している。

 ギャラリーに入ると正面に展示されている作品《Every Man is His Own Worst Enemy》も印象的だ。
 「『漫画』は美術の長い歴史から見ると、まだ生まれたばかりの表現ではあるが、今後50年、100年と時代を経た時、美術表現としても必ず確立される物だと信じ、現代アートとして作品を制作している」という松浦。常に静かに戦い続け、自身の殻を破り進化する、彼自身の姿も垣間見えるような作品だ。

 会期は2024年3月3日(日)まで。時間は12:00〜20:00 ※会期中無休。

記事を探す

記載内容は取材もしくは更新時の情報によるものです。商品の価格や取扱い・営業時間の変更等がございます。