ニナ・カネル / 和田礼治郎 42 Days

SCAI PIRAMIDE(六本木6-6-9 ピラミデ3F)

  • 2024/3/1(金)
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ニナ・カネル / 和田礼治郎 42 Days

 それぞれ独自の芸術言語を用いながら、物質の絶え間ない循環の様相や、環境の流動と自身との関係性を辿るニナ・カネルと和田礼治郎。今回の二人展では、近作の彫刻を中心に、カネルと和田の作品が二つの重なり合う空間配置において提示される。

 第1室では、石版に浅く張られた水面の反射する表情が展示室の環境条件に応じて変化するニナ・カネルの彫刻《Days of Inertia》(2024年)と、ガラス板の狭間に複数の生の果実が投げ込まれ、時間の経過とともに落下し、地面で朽ち果てていく姿を見せる和田礼治郎の彫刻《STILL LIFE》(2024年)、壁面には、陶酔と退廃の境地に誘うことで悪名をはせた緑色の蒸留酒(アブサン)が鏡面を覆う和田の作品《ABSINTHE MIRROR》(2023年)が展示されている。
 第2室では、新たに生命が誕生する瞬間のような、宇宙生成のヴィジョン思わせる、和田のチタン板による4連作の作品《EXOSPHERE》(2023年)が展観。それらの中心には、ギシギシと音を立てて絶えず回転する機械装置の上で小石が転がり続けるカネルの作品《Elsewhen》(2024年)が設置されている。

 本展では開催期間中(42日間)の時間経過もそれ自体がひとつの能動的な要素となっており、人間および非人間によるアクションの介入、時間の経過やエネルギーの流動による力の動きが、そのまま展示空間に作用を及ぼしていく様子が鑑賞できる。あらゆる瞬間が唯一無二、反復不可能であることを私たちに教えてくれるようだ。

 本展開催時には、カネルが参加するグループ展「森美術館開館20 周年記念展 私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために」(3月31日まで)が開催され、国立新美術館では、和田の新作がエントランスに展示(6月10日まで)される。
 六本木で2人の作家による3つの展示を鑑賞できるまたとない機会となる。

【会期】2月15日(木)〜5月25日(土)
【休廊日】日月火水祝
【時間】12:00〜18:00

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