泉ガーデン

泉ガーデン港区六本木1-6-1

六本木一丁目駅に直結する泉ガーデン。
階段状に連なる広場を抜けると、歴史ある緑地と美術館が現れる。駅と広場と緑地が連携したユニークな空間は、一息入れるにも、神谷町方面へ抜けるにも使い勝手がいい。
空を眺め、風を感じ、緑と触れ合いながら長閑なひとときが楽しめる。

45階建ての泉ガーデンタワーを中心に、ホテル、美術館、ホール、ショップ、レジデンスなどが集う泉ガーデン。その広大なエリアは、オフィス棟などを集約する街区と、美術館などを整備した緑と文化の街区に分かれ、泉橋で結ばれている。

アークヒルズサウスタワー、泉ガーデンタワー、泉ガーデンレジデンスの3つのビルの谷間にある

玄関口となる六本木一丁目駅は、片面がガラス張りで地下鉄の駅らしからぬ明るさ。改札前のスペースでは、月ごとに地方の特産物などを扱うミニマルシェが立ち、駅を行きかう人々が思い思いに立ち寄っている。
 外に出ると、1階から3階までの各広場が段々畑のように連なるサンクンガーデンが目の前に。それぞれの広場にはツツジなどの低木だけでなく、ハナミズキやクスノキなどの高木もあり、ビルとビルの間なのに、緑が生い茂った雰囲気が漂う。広報の住友律夫氏は、この広場の意図を次のように説明した。「この辺りは外国大使館などが建ち並ぶ邸宅街と、首都高・幹線道路に挟まれた傾斜地で高低差は最大20mあります。そのため、普通にビルを建てると下層は暗くなりがちです。階段状に広場を設けることで光が駅まで届き、明るく開放的になりました」。

六本木一丁目駅の改札前広場では、毎月ミニマルシェが開かれる
各階の広場にハナミズキなど高木の緑が生い茂ってオアシスのよう

1Fの広場には、ベーカリー、カフェ、2Fの広場にはスポーツジム、3Fの広場にはレストランがあり、息抜きやオフタイムに便利。4Fはレジデンスやホテルへの通路、5Fは庭園と美術館へ続く泉橋とつながっている。
 泉ガーデンではイベントも実施。春のお花見祭りでは、和洋のスイーツを集めたマルシェ、ブックマーケットなどを催したほか、桜のフォトコンテスト、シールアートなど各種参加型の催しも。12月には、泉ガーデン全域で“ココロテラスイルミネーション”を実施。2013年から3年かけて導入したもので、音楽に合わせてイルミネーションが変化していき、15分ごとにオリジナル楽曲に合わせた光のショーも行う大規模なもの。期間中は、スイーツやワインのマルシェ、ミニコンサートなども開かれている。

5Fから駅を見下ろす。意外と急で、高低差20mも納得!?
泉橋の下には桜並木が続く泉通りが通っている。お花見の時季にはライトアップも

エスカレーターを上りながら各広場を眺めると刻々と見え方が変わって面白い。モミジが両サイドに植わっている泉橋を渡ると、公園のようなゆったりした景色が現れる。周囲には樹齢を重ねた大木が囲み、初夏という取材時期も重なってまさに緑のエリアといった趣。植物の詳細な種類は不明だがアジサイ、ツツジ、モミジ、リュウノヒゲなどが植わっていた。
 案内板がある「太閤千代しだれ」は、スウェーデン大使館前の道路に近い場所に植えられている。豊臣秀吉が「醍醐の花見」を催したことで有名な「総本山醍醐寺」の太閤しだれ桜の形質を引き継ぎ、クローン技術で生まれたものなのだとか。

凸凹に入り組んだ植栽の配置がユニークな泉屋博古館分館前の庭園
植栽の奥に、旧住友会館時代の灯籠や水がめが見える

「ここには以前、住友家の迎賓館「住友会館」がありました。江戸時代から続く庭園の樹木を残すため、このエリアを緑と文化の街区とし、2,000㎡の緑地を設け、隣に住友家のコレクションを展示する泉屋博古館分館を建てたのです」と、住友氏。緑地の下には、イベントホール「泉ガーデンギャラリー」もあり、催事やビジネスセミナーなどが行われている。植栽の奥には立ち入れないが、石畳が続いていて水がめや灯籠などが見える。苔むした地面に木漏れ日が当たった情景は見ていて心が和む。旧住友会館の歴史が書かれたプレート等はなく、当時の建物のモノクロ写真が植栽の中にひっそりと掲げられている。
 この庭園の横を、ランチ帰りのワーカーやビジネスマンが足早に通り過ぎていく。でも、どこか和やかな表情で歩いているのが印象的だ。都心のビジネスエリアとは思えない豊かな緑に加え、歴史ある落ち着いた雰囲気も感じられる泉ガーデン。ぶらりと散策するにはピッタリの場所だ。

緑と文化の街区のシンボルツリーである高さ20mのクスノキ
信号を渡った先の城山ヒルズの緑道を下ると神谷町駅へ
泉ガーデンの歴史
1994(平成6)年
都市計画決定
1999(平成11)年
着工
2002(平成14)年
竣工
泉ガーデン(六本木一丁目)
港区六本木1-6-1
03-5572-6113(泉ガーデンタワー4Fサービスセンター)
南北線「六本木一丁目駅」直結
webサイト
2018年5月取材