六本木ヒルズの玄関口、66プラザ。
大きなケヤキが枝葉を広げて木陰を作り、水景が潤いある空間を演出。
ベンチも多く、待ち合わせや小休止するにも便利だ。
外出やランチ時など、気軽に緑と建物が織りなす都会らしい景色を探してみたい。
メトロハットの長いエスカレーターを登ると目の前に広がるのが66プラザと呼ばれるエリアだ。この名称は、六本木ヒルズの所在地が六本木6丁目であることに由来する。よく見ると、下に麻布十番から青山方面へと抜ける道路が通っているが、大きなケヤキが植わる景色からは想像できないほど、活気ある広場となっている。
まず目に入るのは、ルイーズ・ブルジョワが制作した巨大なクモのオブジェ「ママン」。網状になっているお腹の部分には、大理石の卵を宿している。観光客が記念撮影したり、ビジネスマンが待ち合わせに使ったり、子どもの遊び場になったりと、年月を経てすっかりシンボル化した。
ケヤキが繁る大きな植栽帯は3カ所。季節ごとにチューリップ、ペチュニア、パンジーなど、季節の花で彩られる。これらの花はGREEN UPというコミュニティー活動によって植えられている。毎月1回、朝の8時からヒルズで働くワーカーや店舗スタッフなどで構成される有志が集まり、作業を行う。植物の植え込みやメンテナンスをしながら、街の仲間とのコミュニケーションを楽しむというテーマで始業前に土と触れ合うのは、朝活としても良さそうだ。
植栽帯の中の一つは真ん中に通路が設けてある。葉が揺れる音が間近に聞こえ、林間を歩いているような感じで癒される。スロープのように緩やかな起伏があり、子どもたちが走って遊ぶ姿を見るのも微笑ましい。
1日10〜13万人が訪れる六本木ヒルズ。その多くが通る66プラザでは、イベントも盛んだ。夏休みには、「夏祭り SUMMER STATION」のイベントの一環でドラえもんが並び、クリスマスの時期には大きなツリーが現れる。森美術館の企画展に連動して、アーティストの作品が展示されることも。ママンもアートの一つでそれが景色として馴染んでいるからか、作品やインスタレーションがある日突然現れても不思議とマッチングして、違和感なく溶け込む。
植栽帯の外側には森タワーや大屋根プラザへと向かう回廊が続き、ガラスに水が流れる水景が壁のように設置されている。植栽帯の内側の広場とはまた異なった雰囲気で、水音と潤いで和やかな気分に。夏にはドライミストも稼働し、自然な涼を感じるスポットにもなる。水景前のベンチで休憩している人がいる一方で、回廊を人が自由に往来していく。
東のエル カフェ(ELLE café)の前には、面白い形の黒いベンチがまとまって置いてある。アルゼンチンのプロダクトデザイナー、ディアナ・カベザ(Diana Cabeza)が制作したもので、円柱の一部を切り取ったようなイスは背もたれの角度が絶妙。一人分のスペースが窪みで表された長ベンチや、雲のような形のベンチもあり、気分で選んで座るのも楽しい。隣接する毛利庭園へと下る階段からは、東京タワーがきれいに見え、隠れたフォトスポットになっている。
水景の裏側、毛利庭園へ続く階段の側に、枕木が続いている小道を発見。進んでいくと、ローズガーデンが広がっている。多くの人が行きかい、活気のある森タワーの入口付近とはガラリと印象が変わり、長閑な空気が漂う。イザ・ゲンツケンが制作したオブジェ「薔薇」の側に建つガゼボはヒルズの人気フォトスポットの一つ。春には、バターカップ、サマーモルゲン、シエスタ、サティーナ、ミケランジェロなど、数十種類ものバラが艶やかに咲き誇り、百日紅やレモン、ラベンダーなど他のエリアでは見られない植物もあって秘密の花園といった雰囲気になる。気分転換したり、考えをまとめたり、心を落ち着かせたりと、ゆったりした時間を過ごすのに良さそうだ。
六本木ヒルズの玄関口としての賑わいや活気がありながらも、水景のベンチで水音を聞いたり、ローズガーデンで長閑なひとときを過ごしたり、ユニークな形のイスでお弁当を食べたりと、エリアによって様々な楽しみ方ができる、都会的広場の66プラザ。通勤や外出のついでにふらりと歩けば、木々の姿から季節を感じたり、華やかな花壇に魅せられたり、東京タワーの夜景を楽しんだりと、その時々の景色を見られ、気持ち良くリフレッシュできそうだ。
名称 | 六本木ヒルズ 66プラザ |
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所在地 | 港区六本木6-10-1 |
問合せ | 03-6406-6606(森ビル株式会社 広報室) |
アクセス | 日比谷線「六本木駅」直結 大江戸線「六本木駅」徒歩4分 |
公式サイト | https://www.roppongihills.com/ |
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