恋は邪魔者 試写会日記 毎週、熱田美希から映画ファンの皆さんへ熱いメッセージ!傑作でも愚作でも、映画ってやっぱり素敵!!
恋は邪魔者

ハッピーでおしゃれな60年代ムード満点!
フェミニストの女流作家V.S.プレイボーイのジャーナリスト
軽妙洒脱、ポップ&キュートな大人のラブ・コメディ



 フランク・シナトラ&アストラッド・ジルベルトのデュオがゆったりと響く「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」にのせて、シルクジョーゼットのガウンに夜風をふんわりとふくませて、輝く満月を背にうっとりとターンするヒロイン。60年代のN.Y.を再現したカラフルなファッションやインテリアに、レニー・ゼルウィガーとユアン・マクレガーの人気スターが共演。ちょっぴりお色気を効かせた、ストレートなロマンティック・ラブ・コメディだ。

恋は邪魔者
 初めて執筆した単行本『恋は邪魔者』が大ブレイクした新進作家のバーバラ(ゼルウィガー)。女性が幸せを得るための彼女独自の理論は、女は自立して仕事で男と対等になる、そのためにはセックスの快感はチョコレートでも得られる(!?)ことを知り、男への情念に縛られる恋愛はノー!恋愛抜きのセックスはイエス!というユニークな代物。これには常に恋愛を謳歌しているプレイボーイのジャーナリスト、キャッチャー(マクレガー)が大反発。バーバラを自分に惚れさせて、女はみんな恋と結婚をしたがっていることを立証する、と豪語。身分を偽ってバーバラと偶然の出会いを果たしたキャッチャーは次第に、彼女の心のみならず自分の気持ちまで変わっていくことに気づくが……。騙したはずが騙されて、ミイラ捕りがミイラに!? ハッピーエンディングまでの道のりは果たしていかに?
恋は邪魔者
 本作のおもしろい点はファッションやインテリアがポップな60年代調というだけでなく、背景やセットにあえてチープで人工的なニュアンスを残すなど、60年代の映画の雰囲気そのものが楽しめるところ。古きよきドラマ風なのだ。ペイトン・リード監督曰く、「バルコニーやN.Y.の街並み、夜空の月など、当時のお決まりの要素を取り入れた。ちょっと誇張してね」とのこと。そんなコテコテの往年の恋愛映画ワールドは、復刻ものの流行の理由としてよく評されるように、大人には懐かしく若い世代にとっては新鮮。また、ミュージカル的なシーンはほんの2、3回に過ぎないのに、インパクトはなかなか。ゼルウィガーは『シカゴ』、マクレガーは『ムーラン・ルージュ』と、歌とダンスの実力はすでに披露済の2人。その表現やアピールに、ますます脂がのってきたのかもしれない。


  ちなみにこの映画、観た後に余韻とか深みとかそういうものはなーんにも残らない。軽妙洒脱、さらりとしたものだ。すぐに忘れてしまうけど、その瞬間はけっこうしあわせ。これはBABBIのチョコウエハースをパクッと食べる幸福感に似ている。あら?もしやチョコって、バーバラのいう通りほんとうに……!?
『恋は邪魔者』 2003年アメリカ映画
データ
2003年8月更新

恋は邪魔者

2003年10月公開
みゆき座ほか全国東宝洋画系にてロードショー

■2003年 アメリカ映画
■上映時間1:41
■20世紀フォックス配給
■監督/ペイトン・リード
■出演/レニー・ゼルウィガー
ユアン・マクレガー
サラ・ポールソン



プロフィール
 
あつた美希 あつた美希
あつた美希
フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。