ファインディング・ニモ 試写会日記 毎週、熱田美希から映画ファンの皆さんへ熱いメッセージ!傑作でも愚作でも、映画ってやっぱり素敵!!
ファインディング・ニモ

全米を虜にした2003年No.1ヒット作!
斬新かつ良質なアニメ制作集団ピクサーが贈る
愛と友情の(?)海洋アドベンチャー・ムービー



 アニメ映画の歴代記録を更新、全米興行収入386億円突破!数々の話題作を尻目に2003年の全米興行収入No.1をマークした作品(2003年10月22日現在)――それが本作!カラフルな魚たちが活躍するかわいらしいアニメ映画。世界初の長編フルCGアニメ『トイ・ストーリー』を創り、2002年アカデミー賞の長編アニメ映画賞ノミネートの『モンスターズ・インク』などのヒット作を生み出したコンピューター・アニメ製作会社ピクサー・アニメーション・スタジオの最新作である。

ファインディング・ニモ
 オーストラリアのグレート・バリアリーフで平和に暮らしていたカクレクマノミの父子、心配性のマーリンと元気いっぱいのニモ。ある日ニモが人間にさらわれてしまい、父マーリンはニモを連れ戻すべくシドニーへと旅立つ。マーリンは親切でひどい健忘症でもあるナンヨウハギの相棒ドリーとともに、カメのクラッシュなど陽気な仲間たちに助けられ、さまざまな危機を乗り越えて広大な海を渡り、遂にニモのもとへ……。
ファインディング・ニモ
 ストーリーはこの通りいたってシンプル。個人的には心理描写や社会性をユーモラスに描いた前作『モンスターズ・インク』の方が好みかも、と思ったほど。でも単純明快だからこそ、これだけのメガヒットにつながったのだろう。かわいらしいキャラクターにドキドキワクワクの冒険物語、神秘的な海の映像と縦横無尽に泳ぎ回る魚たちのスムースな動き。飽きさせないストーリー展開とどことなくヒーリング感のある映像マジックは、子供から大人まで幅広い層に訴えかけ、観客の心をガッチリと鷲づかみにしたに違いない。


 アップル・コンピュータのCEO(最高経営責任者)スティーブ・ジョブズが、兼任でCEOを務めていることでも知られるピクサー。彼らの作品には、あざとさがないように感じる。「こうすれば泣くんだろ?」みたいなことよりなにより、映像から物語から音楽から、愛のようなものがにじみ出ているように思えるのだ。画面のすみずみまで心がいきわたり、のびのびとよく遊んで、楽しんでいる。きっとアニメーションを心から愛して、本気で突き詰めた人たちが一丸となって創り上げているからなのだろう。純粋な強いものには、いつだって心打たれてしまう。


 子供だましのファンタジー、というだけに終わらない本作。木梨憲武や室井滋が声の出演をする日本語吹き替え版も話題になるだろうが、ここはやはりぜひ字幕版で。ゆっくり観るには子供たちの冬休み期間や週末を避けて、映画館へ出かけるとよさそうだ。
『ファインディング・ニモ』 2003年アメリカ映画
データ
2003年10月更新

ファインディング・ニモ

2003年12月6日公開
全国ロードショー

■2003年 アメリカ映画
■上映時間1:41
■ブエナ ビスタインターナショナル(ジャパン)配給
■監督・原案・脚本/アンドリュー・スタントン
■製作総指揮/ジョン・ラセター
■声の出演/アルバート・ブルックス
エレン・デジェネレス



プロフィール
 
あつた美希 あつた美希
あつた美希
フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。