氷河期到来! そのときあなたはどうする?
『インディペンデンス・デイ』R・エメリッヒ監督の
メッセージが込められた大迫力の異常気象ムービー
LA崩壊、NY沈没、現代に氷河期が到来!? 『インディペンデンス・デイ』を手がけたローランド・エメリッヒが監督・製作・脚本を手がけた、地球温暖化によって引き起こされる天変地異と大災害の顛末を描いた迫力のディザスター・ムービー。夏休み仕様にありがちな、ただのハリウッド製パニック映画かと思いきや、それだけに終わらない仕上がりの作品である。
古代の気象を研究する気候学者のジャックは、南極の棚氷の崩落や世界各地の異常気象などから、「現代に新たな氷河期が到来する可能性」について、地球温暖化国連会議で発表する。が、アメリカ副大統領は、経済的損失を理由に、温暖化対策の推進を退ける。その後、気象は世界規模で一気に激変を始め、ゴルフボール並の雹がふり、大量の大規模な竜巻や大陸を飲み込むほどの超巨大なハリケーンが各地で発生。ジャックの仮説を国家が受け入れた時にはすでに、北半球に暮らす大部分の人々の生存が絶望的だった。ワシントンで気象予測と対策の提案を終えたジャックは、NYに滞在中の息子を救うべく、過酷な気象のなか救助へと向かう。
NYを飲み込む巨大津波、LAの街を根こそぎ壊滅させる大量の竜巻など、異常気象が街を襲うシーンはかなりの迫力。リアルな場面づくりを目指して、巨大扇風機などのローテクマシンからVFXなどのハイテクなデジタル技術まで、新旧の技術を駆使。撮影地のひとつであるモントリオールでは、撮影中にこれまでの厳冬記録を更新する寒さとなり、日中でも零下25度だったという。「撮影はサバイバルそのものだった」と言うのは、ジャック役のデニス・クエイド。1日中ずぶぬれの衣装のまま撮影をしたり、風速130kmもの猛吹雪マシンに吹かれたり、俳優たちの身体を張った演技にも注目だ。
この映画には、地球温暖化防止を目指す京都議定書からのアメリカの離脱(2001年)や、脚本が執筆されていた2002年あたりからさらに顕著になっていった数々の異常気象、というリアルな背景がある。そのため本作は、自然に対する畏敬の念を再認識したり、環境問題を万人がもっと真摯に考えたり、さりげなく促すように作られている。物語の中で、ジャックの言葉として伝えられるメッセージは、政治家や学者の言葉よりも単純で明快。世界中の老若男女が皆、素直に聞き入れることができそうだ。
エメリッヒ監督は本作のようなディザスター映画について、こう語る。「観客はこうした映画を観ていると、本当にやりたいことは何か、愛しているのは誰か、という決断を迫られる。たじろぐとともに、心をかきたてられる。だからこの種の映画が大好きなんだ」。もし自分がパニックに直面したらどうするか? 自分の家族、彼氏もしくは彼女はどうするか? ……さて、この映画、誰と一緒に観ましょうか。
公開 | 2004年6月5日公開 日劇1ほか全国ロードショー |
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制作年/制作国 | 2004年 アメリカ |
上映時間 | 2:04 |
配給 | 20世紀フォックス映画 |
監督・製作・脚本 | ローランド・エメリッヒ |
出演 | デニス・クエイド ジェイク・ギレンホール エミー・ロッサム セラ・ウォード |
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