マンマ・ミーア! 試写会日記 毎週、熱田美希から映画ファンの皆さんへ熱いメッセージ!傑作でも愚作でも、映画ってやっぱり素敵!!
マンマ・ミーア!

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英国発ABBAミュージカルがついに映画化!
思わず歌を口ずさみ一緒に踊りたくなる
強力な幸せオーラを放つハッピームービー



  「ダンシング・クイーン」「チキチータ」をはじめ、数々のヒットナンバーを誇る20世紀の伝説的ポップスグループABBAの名曲で構成されたハッピーなミュージカル映画。出演はオスカー女優のメリル・ストリープ、先代007のピアース・ブロスナン、イギリスの演技派コリン・ファース、ベテランのジュリー・ウォルターズやクリスティーン・バランスキー、激戦のオーディションから選出された若手女優アマンダ・セイフライド。オリジナルは’99年の初演から全世界170都市で上演され、3000万人以上を動員し続けている人気ミュージカル。ミュージカル映画史上、『グリース』『シカゴ』を抜いて興業収入No.1を記録更新中の話題作である。


 ギリシャ、エーゲ海の小島。小さなリゾート・ホテルを経営するシングル・マザーのドナと20歳のソフィは仲良しの母娘。結婚式を明日に控えて幸せいっぱいのソフィは、ある計画を秘かに進めていた。それは名前も顔もわからない自分の父親を捜し当てること。ドナの古い日記から、20年前の母が同時期に付き合っていた3人の男性を見つけたソフィは、誰にも内緒で3人を結婚式に招待する。いざ3人が現れると、突然やってきた昔の恋人たちに激しく動揺したドナは3人を追い返そうとし、会えば絶対にわかると信じていたソフィは3人と直接話してみるも混乱するばかり。式の準備やゲストの対応も大詰めの中、誰が本当の父親なのかわからないまま、遂に式当日を迎える。
メリル・ストリープ
 なんといっても見どころはミュージカルシーンの数々。すべての曲を出演者たちが実際に歌い、事前に録音したヴォーカルに口パクであわせる伝統的なスタイルと撮影時に現場で歌うライヴ形式の両方から、シーンに合う方を採用。群舞ではなやかに演出されたディスコナンバー「ギミー!ギミー!ギミー!」「ヴーレ・ヴー」が圧巻なのはもちろん、新郎の仲間たちを演じた俳優たちの多くはダンスのキレがよく、海パンに足ひれ姿で彼らが桟橋を行進する「レイ・オール・ユア・ラヴ・オン・ミー」や、ドナの友人ターニャが浜辺で彼らをからかう「ダズ・ユア・マザー・ノウ」などはユーモラスにしてダイナミック。またラストにはメインキャストたちが’70年代風の派手なステージ衣装を纏い、コンサートよろしく「恋のウォータールー」を歌って踊るエンディングもあり、最後の最後までしっかり楽しませてくれる。


 落ち着いた雰囲気と確かな演技力で、良妻賢母やキャリアウーマンなどがハマる正統派の大御所ストリープは、キュートなシングル・マザーを朗らかに好演。ブロードウェイの公演を観たストリープはキャストに、「出演者のひとりとして『マンマ・ミーア!』の舞台に立つ気分を味わいたい」と書いた手紙を送ったほど作品を気に入っていたとのこと。映画出演のオファーにはイエスと即答し、歌いながら建物の壁をよじ登るシーンも彼女が自らこなしている。ソフィ役のセイフライドは歌ってよし踊ってよし、『ロミオ+ジュリエット』のクレア・デインズを彷彿とさせる、はじけるような愛らしさと初々しさが眩しい。自分の歌を不安に思いながらもレコーディングで歌の指導を受けて撮影に臨んだというパパ候補の3人、ブロスナンとファース、スウェーデン出身のステラン・スカルスガルドもまた、コミカルな明るい演技で魅せてくれる。
ステラン・スカルスガルド、ピアース・ブロスナン、コリン・ファース、アマンダ・セイフライド
 スタッフはオリジナルのミュージカルを手がけた女性製作陣が集結。監督をフィリダ・ロイド、脚本をキャサリン・ジョンソン、製作をジュディ・クレーマーが担当し、エネルギッシュな舞台の魅力をそのままに映画化。製作総指揮にはABBAのベニー・アンダーソンとビョルン・ウルヴァース、またミュージカルに惚れ込んだというトム・ハンクス&リタ・ウィルソン夫妻も名を連ねている。


 「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」でしっとり始まったと思ったら、いきなり「ハニー・ハニー」を歌いながら笑い転げるガールズ3人組、オーバーオール姿(!)で街をねり歩きながら「マネー、マネー、マネー」を歌うストリープというハイテンションな展開にしばし呆気にとられるものの、慣れればすぐ陽気な物語の住人に仲間入り。エーゲ海の陽光ときらめく波、おとぎ話のようなギリシャの街並など美しい景色もたっぷり楽しめる本作。ABBAの音楽を楽しめるなら年齢や性別や国籍問わず、幅広い層の誰もが楽しめる気持ちのいい作品。みずみずしい幸せオーラを放つ、強力なハッピームービーである。
『マンマ・ミーア!』 2008年 アメリカ映画
データ
2009年1月更新

メリル・ストリープ、アマンダ・セイフライド
2009年1月24日公開
日劇1ほかにて
全国ロードショー

■2008年 アメリカ映画
■上映時間1:48
■東宝東和配給
■監督/フィリダ・ロイド
■脚本/キャサリン・ジョンソン
■製作/ジュディ・クレーマー
■製作総指揮・作詞&作曲/ベニー・アンダーソン&ビョルン・ウルヴァース
■出演/メリル・ストリープ
アマンダ・セイフライド
ピアース・ブロスナン
コリン・ファース
ステラン・スカルスガルド
ジュリー・ウォルターズ
クリスティーン・バランスキー
ドミニク・クーパー



プロフィール
 
あつた美希 あつた美希
あつた美希
フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。