松山ケンイチと染谷将太のW主演で実写映画化
下界で暮らすイエスとブッダに禁断のオファーが
神も仏も天使も悪魔もみんなでアガるエンタメ作
劇場アニメ化や実写ドラマ化などで知られる中村光の漫画『聖☆おにいさん』を、初めての実写映画化。出演は実写ドラマ版と同様に、NHK朝の連続テレビ小説「虎と翼」の松山ケンイチ、『はたらく細胞』の染谷将太、そして新たに賀来賢人、岩田剛典、勝地涼、白石麻衣、仲野太賀、神木隆之介、窪田正孝、藤原竜也ほか豪華なメンバーが顔を揃える。ドラマ版から引き続き監督・脚本は『銀魂』シリーズなどの福田雄一、プロデューサーとして山田孝之も名を連ねる。これまでワーカーホリック気味だった聖なる2人、神の子=イエスと、目覚めた人=ブッダが、下界の簡素な6畳一間でバカンスを平穏に楽しんでいる。そこへ天界の使者から2人へ禁断のオファーが……。原作者の中村氏が映画のために書きおろしたエピソード、「聖☆おにいさん」史上初の長編「スクリーンへの長い途(みち)」をもとにしたストーリーが展開。神も仏も天使も悪魔も大集合、戦いと地球の危機の行方を描く。豪華なスタッフとキャストで予算をかけてひたすらギャグをかますという、ある種の贅沢さのあるお祭り映画である。
神の子=イエスと、目覚めた人=ブッダが、下界にて東京・立川の風呂なし6畳一間のアパートでバカンスを平穏に楽しんでいる。アイスを分け合ったり、近所の商店街で福引きを楽しんだり、お笑いコンビ「パンチとロン毛」を結成したり。ゆるーい日常を過ごす2人のもとにある日、天界からの使者が現れ、禁断のオファーが伝えられる。やがてそれは、神も仏も天使も悪魔も入り乱れ、地球滅亡の危機へと発展し……!?
原作の累計発行部数1700万部を超える中村光の漫画「聖☆おにいさん」が初の実写映画化。ドラマのスタッフとキャストを中心にゆるい空気でいくのかと思いきや、豪華な出演陣がハイテンションで次々と登場し続け、お祭り状態となるエンタメ作だ。中村氏による「スクリーンへの長い途(みち)」をベースに、福田監督が自身のスタイルを全開にパロディ満載で完成させた脚本となっている。映画化はドラマ版で製作総指揮を手がけた山田孝之と原作者の中村氏との対話から始まったとのこと。中村氏は山田が出演していた福田監督のドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズのファンであり、「福田監督なら安心してお任せできます」と話し、原案のストーリーも山田の事務所で書いたという。中村氏はその時のことを、「その時は確か文章だけでしたが、私は注文されて書くことが好きなので楽しかったです」とコメント。福田監督は原作のストーリーについて、中村氏を称えてこのように語っている。「先生の発想が天才だなと。『新しい走馬灯を作る』って普通は考えつかない!」
福田監督は今回の映画化について、中村氏や松山と染谷への感謝をこのように語っている。「まさか映画になるとは…大ファンの松山くん、染谷くんと一緒に映画を作ることができて、本当に感無量です!実は一番最初に映画化のお話をいただいた時には、原作がすべてショートストーリーなので、映画にするには難しいと思っていたのですが、原作の中村先生が映画化のために『スクリーンへの長い途(みち)』という長編エピソードを描いてくださって、こうして実現することができました。」
神の子イエス役は松山ケンイチが、ジョニー・デップ似で好奇心旺盛な聖人として。仏の悟りを開いた人ブッダ役は染谷将太が、倹約を旨として穏やかにほほえむ聖人として。松山と染谷は映画への思いを楽しそうに語る。
松山「今回は部屋から出ていろいろやります!そしていろいろな魅力的なキャラクターが登場します!染谷くん演じるブッダと僕が演じるイエスが下界でバカンスの筈が天上界の神々の思惑に巻き込まれ、壮大なプロジェクトが始動します。彼らが生きていた時代と現代では文明が全く違い、ジェネレーションギャップに臨機応変に対応していく様子は観客の皆さまを必ず笑顔にしていくでしょう!」
染谷「福田監督と松山さんとふざけまくるご褒美のような現場が幸せな時間でした。スクリーンで繰り広げられる、ゆる〜いイエスとブッダの会話。だと思ったら、それだけじゃないのです! 映画化用に中村光先生が原作を書いて下さり大スケールでお届けする今作!そして、これは嘘でしょ?ってプロデューサーに言ってしまったほどの豪華キャスト!こんなに有り難さとご利益しかない映画は御座いません。ぜひ劇場に福をもらいにお越しください!」
そして原作者の中村氏はW主演の2人についてこのように語っている。「私は染谷さんのお顔がすごく神様っぽくていいなと思いました(笑)。松山さんのイエスはもちろん神様っぽい感じもあるんですけど、同時に息子っぽさもあって。お父さんとのやり取りも親子で普通にしゃべってる感じで、それを横で友達=ブッタが見ているみたいな雰囲気があってとてもよかったです」
2人のアパートにやってくる天界からの使者、仏法の守護神・梵天役は賀来賢人が、雷を司る軍神・帝釈天役は勝地涼が、裁きの天使ミカエル役は岩田剛典が、ミカエルと共に来訪する音楽や芸術を司る女神・弁財天役は白石麻衣が。そして戦いの仙人役は佐藤二朗が、十一の顔を持つ菩薩・十一面観音役は仲野太賀が、イエスの弟子ヨハネ役は神木隆之介が、煩悩の化身である悪魔マーラ役は窪田正孝が3姉妹の娘たちと仲良しで子煩悩パパの悪魔として、マーラの三姉妹の長女役は山本美月が、次女役は桜井日奈子が、三女役は中田青渚が、堕天使ルシファー役は藤原竜也が、女子ーズのレッド役は川口春奈が、グリーン役は吉柳咲良、イエロー役は田中美久が、ブルー役は森日菜美が、ネイビー役は安斉星来が、それぞれに演じている。また福田組常連としては、ムロツヨシがテレビでカンペを読む俳優として、山田孝之と池田鉄洋はわびしい走馬灯に現れる男として出演している。
これだけの豪華キャストのなかで印象的だったのは、岩田が畳の上でラップとダンスを披露するシーンだ。EXILEのメンバーで俳優としても活躍するイケメンがまさか、という。そもそも台本になかったそうで、松山も染谷も現場で衝撃を受け、ほかの共演者たちもすごかった、と口々に言っていたという。このシーンについて岩田本人は、2024年11月21日に東京で行われた完成報告イベント神々たちの降臨祭にて、笑いながらこのように語った。「あれはなんなんでしょうね。ちょっと自分でもよくわからないのですが、福田組3回目ということで、自分のなかで何かしなきゃというプレッシャーと戦った作品でもあって、ああなりました。公開された後も、どうか僕のファンの方々は僕のファンのままでいてください。それぐらい心配です」
また福田監督スタイル全開でクドい笑いをひっぱるのは、佐藤二朗の演じる神がイエスとブッダと対話する9分ものアドリブのシーン。だんだん松山と染谷が素になって笑って話し、実際の撮影現場のネタまで交えていく。ちなみに福田監督の映画『アンダーニンジャ』では、ムロツヨシが山ア賢人を相手にやはりアドリブのクドいシーンを繰り広げている。
そしてやはり注目は堕天使ルシファーを演じた、福田組に初参戦の藤原竜也だ。ここは実際に観るのが1番だろう。天界人は岩田と神木、悪魔は窪田と藤原、日本の神は白石と賀来と勝地というのも、ヘアメイクと衣装の効果があると知りつつも、雰囲気がハマッていて面白い。
原作者の中村氏は実際に映画を観た時の感想について、「登場人物全員がそれぞれに魅力的で、全員のファンになりました。キャラクターたちが動いているところを、『もうちょっと見たいな……』という気持ちになったので、試写の後は寂しくなってしまいました」とコメントしている。
主題歌はMrs. GREEN APPLEが新曲「ビターバカンス」を書き下ろして提供。働きすぎの現代人に寄り添う歌詞であるこの曲について、原作の漫画のファンというMrs. GREEN APPLEの大森元貴はこのようにコメントを寄せている。「『聖☆おにいさん』は原作からの大ファンでして、中学生の頃に書店で新刊が出るたびに買って読んでいました。この度お話をいただき、すごく運命的な何かを勝手に感じております。ブッダとイエスの癒され日常から我々も学ぶものがあり、根を詰めがちな人々ですが少しでもホッと、肩の力が抜ける瞬間があるといいのだろうと。そういう1番大切なバカらしさみたいなものを曲にしてみました。休んじゃえばいい! 現代人頑張りすぎだ! 休んでからの責任としわ寄せは、その時の自分が考えればええ! 決して無責任なのではなく、責任と向き合うためのお暇が、心安らぐ時間が、皆様に少しでもありますように」
また中村氏は自身がこの漫画を描き始めたきっかけと、この歌詞の内容がリンクしていることについて、主題歌を称えてこのように語っている。「もともと私はイエスとブッダが大好きなんです。でもこの2人ってあまりにもひどい目に遭うので、いろいろ大変そうだから休んでほしいな……そう思ってお話を書き出したのが始まりで。その私が一番最初に感じた気持ちを、Mrs. GREEN APPLEさんはなぜか分かって曲を書いてくださったのかなって。『休んじゃえばいい』という歌詞には感動してしまいました。イエスとブッダへのメッセージがまさにテーマになった、素晴らしい主題歌だと思います!」
神や仏や天使や悪魔が入り乱れ、豪華キャストによるギャグやパロディが満載の盛大なエンターテインメント作品。原作は既刊21巻で「モーニング・ツー」にて連載中、映画としての第2弾も考えられるかもしれない。もし映画第2弾があるならいちファンの希望として、中村氏の「イエスとブッダが大好き」という愛のある、原作の持ち味のひとつである野に咲く花の視点のような、社会の片隅でひっそりと微笑むような神と仏の目線、ささやかな人情のあたたかみ、小市民的なあるあるのドラマが軸になっている長編の物語も観てみたい、という思いが湧いた。ユニークな実写映画化で成功した『はたらく細胞』のようなイメージかもしれない。
原作者の中村氏はこの映画への思いを喜びと共にこのように話している。「映画用に長編をと頼まれた時に、何も考えずにたくさんキャラクターを出したのですが、まさかそれぞれをこんなに豪華な方々に、そのまんま演じてもらえるとは…。みんな面白くて可愛くてかっこよくて、映画『聖☆おにいさん』のイエス、ブッダ達が大好きになりました! たくさん笑って、最後は終わってしまうのが寂しかったです。原作ファンの方にも、きっと楽しんでもらえるんじゃないかなと。私ももう一度、映画館に観に行くのが今から楽しみです」
福田監督は完成報告イベントにて、こんなにバカやるのはドラマの「勇者ヨシヒコ」以来と笑顔で、「久しぶりの(王道の)ドコメディに挑戦しました。大成功作品だと思います」とコメント。監督は観客へのメッセージを語る。「久々にギャグ一辺倒の映画を作らせていただいて、編集していてこれだけ笑える作品もなかなかないなと。個人的にもとても楽しかったです! 巨大ロボットが出てきたり、アクションシーンもあったりで、大人だけではなく、子どもも楽しめる作品になっていると思います。ぜひご家族で観に来ていただきたいです!」
そして松山と染谷は完成報告イベントにて、観客へのメッセージをこのように伝えた。
松山「今年もいろいろあったと思いますけれども、この映画を通して、笑いと共にすべて流して、また来年、新しい年を元気よく迎えていただければと思います」
染谷「本当にただただ笑える作品です。何世代でも一緒に楽しめる作品なので、年末年始はみなさんご家族で、笑い飛ばして、笑い納め、そして笑い始めを。ぜひ劇場に来ていただけたらと思います」
公開 | 2024年12月20日より全国公開 |
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制作年/制作国 | 2024年 日本 |
上映時間 | 1:34 |
配給 | 東宝 |
原作 | 中村光「聖おにいさん」(講談社「モーニング・ツー」連載) |
脚本・監督 | 福田雄一 |
出演 | 松山ケンイチ 染谷将太 賀来賢人 岩田剛典 勝地涼 白石麻衣 仲野太賀 神木隆之介 山本美月 桜井日奈子 川口春奈 中田青渚 吉柳咲良 田中美久 森日菜美 安斉星来 山田孝之 ムロツヨシ 佐藤二朗 窪田正孝 藤原竜也 |
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