アマチュア

愛妻を殺害されたCIA分析官が復讐を決意
現場経験ゼロの男が頭脳と最新技術で犯人に挑む
ラミ・マレック主演によるスパイ・サスペンス

  • 2025/04/14
  • イベント
  • シネマ
アマチュア©2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

『ボヘミアン・ラプソディ』のオスカー俳優ラミ・マレック主演、現場経験ゼロの男がアマチュア・スパイとなり復讐の遂行に突き進む姿を描く。共演は『マーベラス・ミセス・メイゼル』のレイチェル・ブロズナハン、『マトリックス』シリーズのローレンス・フィッシュバーンほか。数々のスパイ小説で知られるロバート・リテルの1981年の小説『The Amateur』(初邦訳時は『チャーリー・ヘラーの復讐』)を原作に、監督はドラマ『ブラック・ミラー』『窓際のスパイ』などのジェームズ・ホーズが手がける。CIAで最高クラスのIQをもち分析官として働くチャーリーは、愛する妻と平穏な日々を過ごしている。しかしロンドン出張中の妻がテロリストに命を奪われ、復讐を固く決意する。仲間ゼロ、殺しの能力ゼロの男が、妻を殺害したテロリストたちを追ってヨーロッパ各地を単独で捜索し、無謀な復讐劇に向かっていく。現場経験も体力もない男がITを駆使し情報分析などの知力を頼りに予測不能な攻撃を仕掛けていく。頭脳派のトリッキーな戦い方で引きつける現代的なスパイアクション・サスペンスである。

CIAの分析官チャーリー・ヘラーは愛する妻と穏やかに暮らす物静かな男。CIAで最高クラスのIQをもつが、現場での戦闘・諜報経験はなくCIAの地下フロアに毎朝出勤し情報分析を日々している。しかし妻がロンドン出張中にテロリストによって殺害され、チャーリーは最愛の妻を殺したテロリストたちへの復讐を決意。CIAの教官ヘンダーソン大佐に特殊スパイとしてのトレーニングを志願し訓練に挑むもうまくいかず、それでもチャーリーは諦めることなく単独でヨーロッパへ。CIAにすら予測不能な“彼ならではの方法”で、各地に潜むテロリストたちを追い詰めていくが……。

ラミ・マレック,レイチェル・ブロズナハン

銃の扱いもおぼつかない内勤のCIA分析官が、愛する妻を殺害したテロリストたちに復讐を決意するアマチュア・スパイの物語。2021年の映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で悪役サフィンを演じたラミは、スパイ映画の主人公を演じるのが念願だったとのこと。「ずっと夢にみていたジャンルの映画だ。実現して驚いているよ」と嬉しそうに話し、自身が演じたチャーリーへの思いを彼はこのように語っている。「チャーリーは典型的な工作員とは違う。ヒーローでもない、アマチュアだ。アマチュアなりに復讐にのぞむ苦労を表現したので、とても共感できるはず。人は誰しも英雄なんだ」
 またホーズ監督は影響を受けたスパイ映画や目指したイメージについて、2024年11月13日付の「ScreenRant」の記事「The Amateur's James Hawes & Rami Malek Talk New Spy Thriller And Slow Horses & '70s Genre Influences(『ザ・アマチュア』のジェームズ・ホーズとラミ・マレックが新作スパイ・スリラーとスロー・ホース、そして70年代のジャンルの影響について語る)」にて、「この映画には陰謀論の雰囲気がある」と話し、このように語った。「1970年代の映画の伝統に根ざしたものを作品に取り入れました。『大統領の陰謀』(1976)や『コンドル』(1975)といった作品を意識しています。それは私たちのルーツに深く根付いています。しかし2025年を意識した作品なので、『ジェイソン・ボーン』などポール・グリーングラス監督作品にあるスピード感や緊迫感も意識しています。決して地味ではなく、生命力と活気があるように。そしてCIAとラングレーをありのままに描き、そこに少しだけテクノロジーと2025年のアレンジを加えて、ほんの少しセクシーな雰囲気に仕上げました。チャーリーがスクリーン上では既に使い尽くされている世界に放り込まれるように、ロケ地も慎重に選びました」

物静かなCIA分析官であるチャーリー・ヘラー役はラミ・マレックが、愛妻を殺害した犯人たちに復讐を実行する人物として。主演と製作総指揮を兼ねるラミは、チャーリーというキャラクターと役作りについて語る。「この役は、並外れた状況に放り込まれた平凡な人物の複雑さを探究する機会になりました。地に足のついたキャラクターを演じたいと思いました。ステレオタイプなアクションヒーローではなく、彼なりのやり方で特別なことを成し遂げる。そんなキャラクターを演じたいと思ったのです」
 ホーズ監督はこの映画への参加を決めた理由について、意外なスパイものである脚本の面白さとラミが主演であることをあげ、2025年4月9日に東京で行われたジャパンプレミアにてこのようにラミを称えた。「ラミがもたらす知性と脆さ、そして彼の貢献がなければこの映画は成立しなかったと思います」
 出張先のロンドンでテロ事件に巻き込まれるチャーリーの妻サラ・ヘラー役はレイチェル・ブロズナハンが、CIAの訓練プログラムでチャーリーをトレーニングする教官ヘンダーソン大佐役はローレンス・フィッシュバーンが、自らの身元や居住国などを隠しているチャーリーの謎の情報提供者インクワライン役はカトリーナ・バルフが、チャーリーの同僚であるCIAのエージェント、ザ・ベア役はジョン・バーンサルが、それぞれに演じている。

ローレンス・フィッシュバーン,ラミ・マレック

原作者であるアメリカの小説家ロバート・リテルは、大学卒業後に「ニューズウィーク」の記者として東欧やソ連に駐在し、1973年に小説デビュー作『ルウィンターの亡命』で英国推理作家協会ゴールド・ダガー賞を受賞。この映画の原作『The Amateur』は1981年に発表された作品であり、東西冷戦の社会情勢下でCIA の暗号解読官が復讐のために当時のソ連や東欧諸国に赴くというストーリーを、映画では原作から約40年後である現代に設定を変更。監視カメラの映像解析や、AIによるリアルタイムの顔認識や不審な動きの検知機能を駆使して犯人を特定するといった最新テクノロジーを用いる捜査なども描かれている。
 劇中ではチャーリーが犯人たちを追ってヨーロッパのさまざまな都市へ向かうことから、撮影はロンドン、パリ、マルセイユ、イスタンブール、マドリード、ルーマニアなど、実際に各地で実施。街の風景が次々と映し出されるといくところもこの映画の魅力のひとつだ。あるシーンに登場する、街の空に浮かぶかのような透明のプールは、ロンドンの高層ビルの間に実際に作られた世界初の<スカイ・プール>にて撮影。こうした高層階のプールを見るたびに、こういうことがもし起きたら、となんとなく想像するような展開が派手なアクションシーンとして映像化されているので注目だ。ホーズ監督はイスタンブールでの撮影について、2025年4月11日付の「Collider」の記事「"Is He Going to Go That Dark?": 'The Amateur' Director on Why Rami Malek's Protagonist Is Nothing Like What You've Seen Before(彼はそこまでダークな方向に進むのか?」:『アマチュア』監督が語る、ラミ・マレック演じる主人公がこれまでとはまったく違う理由)」にてこのように語った。「原作では、プラハを舞台にしたアクションシーンが数多くあります。(映画では)イスタンブールを舞台にすれば、よりエキゾチックで、現代的で、エキサイティングな作品に仕上がると感じました。そして見事に成功しました。スリリングで異国情緒あふれる舞台が実現したんです。観客は危険にさらされている彼の緊張感を実感するでしょう。この演出は私にとって大きな価値があったと思いますし、制作陣がそれを実現してくれたことにとても感激しています」
 そして主演俳優であり製作総指揮も兼ねているラミは、実際に各都市で全編ロケ撮影を行ったことについて、このように語っている。「ハリウッドのスタジオやどこか一都市だけ、もしくはグリーンスクリーンを使ったりして撮影することも可能ではありましたが、実際にそれぞれの都市で撮影することで、非常にリアリティのある映画的な作品になりました。この物語は大きなスクリーンに映し出されるべきだと思っていたので、ロケ撮影が必須だったのです。ぜひ大きなスクリーンでチャーリーの能力を目の当たりにし、この素晴らしい映画的体験を堪能してほしいです」

ラミ・マレック,ほか

“殺しのライセンス”で有名な『007』のボンドのような、いわゆる映画やドラマや小説における一流スパイとは異なり、CIAに勤務するデスクワークの内向的な分析官が、愛妻を殺害した犯人たちに復讐する一心でアマチュア・スパイとなり、意外な手法でテロリストたちに迫りゆくさまを描く物語。ラミは2025年4月1日(日本時間)にロンドンで行われたワールドプレミアにて、チャーリーについて「とても誠実な人」と話し、「観客の皆さんは、過小評価され愛する人のために並外れたことをする“最も予想外のヒーロー”チャーリーの立場に自分を置き、おそらく強い衝撃を受けると思います!」とコメント。そしてこの作品への思いをこのように語った。「この映画にプロデューサーと俳優として5年以上取り組み、長い時間がかかりました。ラブストーリーであり、アクション映画であり、スリラーであり、ユーモアも満載で、ロマンチックな場面もあり、あらゆる要素が詰まった作品です」
 またホーズ監督は日本の観客へのメッセージをこのように話している。「日本の観客がまた、勝ち目のない人物、つまり誰もが無理だと言っていたにもかかわらず、何か並外れたことをしようと努力する人物を受け入れてくれるのが待ち遠しいです!そして、いつかまたそれを観客と分かち合い、日本の観客の皆さんを驚かせることができるのを楽しみにしています!」
 最後に、ラミが2025年4月9日に東京で行われたジャパンプレミアにて、観客に伝えたメッセージをご紹介する。「このジャンルの映画にはなかなか出てこないキャラクターや人間関係が出てくるし、キャラクターの持つ力が非常に強い作品です。この作品を作る旅路のなかでは常に、脆さをもっていて共感できる、誰もがつながりを感じられる人物を演じたいと思っていました。僕の一番の願いは、この映画や登場人物に個人的なつながりを感じてもらいたいということ。そして監督が非常に見ごたえのある爆発的なアクションもたくさん用意してくれているので、ぜひ深い人間性とスリリングなストーリーを楽しんでください」

作品データ

公開 2025年4月11日より全国劇場公開
制作年/制作国 2025年 アメリカ
上映時間 2:03
配給 ウォルト・ディズニー・ジャパン
原題 The Amateur
監督 ジェームズ・ホーズ
脚本 ゲイリー・スピネリ、ケン・ノーラン
原作 ロバート・リテル
出演 ラミ・マレック
ローレンス・フィッシュバーン
レイチェル・ブロズナハン
カトリーナ・バルフ
ジョン・バーンサル
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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