ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング

M:Iシリーズ30年、8作目の最新作が完成
トム本人が上空と水中で極限のスタントを遂行
世界各地の美しいロケーションも注目のエンタメ大作

  • 2025/05/22
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ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング©2025 PARAMOUNT PICTURES.

トム・クルーズ主演・プロデュースによる『ミッション:インポッシブル』シリーズ第8作が完成。M:Iシリーズ初の2部作の2作目であり、2023年の前作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』から2か月後を描く。共演は、『ミッション:インポッシブル3』以降M:Iシリーズに出演しているサイモン・ペッグ、『アベンジャーズ/エンドゲーム』のヘイリー・アトウェル、トム以外で唯一M:Iシリーズ全作に出演しているヴィング・レイムス、『バッド・ボーイズ』のイーサイ・モラレス、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのポム・クレメンティエフほか。監督はM:Iシリーズ4作目となるクリストファー・マッカリーが手がける。人類を脅かす危険なAI “エンティティ”を停止すべく、イーサンは仲間たちと連携。それに対抗できる武器のひとつはベーリング海の底にあり、エンティティの支配を目論むガブリエルはイーサンたちを執拗に攻撃し……。イーサン本人の孤独、チームで立ち向かうこと、世界各地の撮影による美しいロケーション、トム本人が生身で挑む映画の限界ギリギリの命懸けのアクション。イーサン率いるチームが不可能なミッションの完遂を目指すさまを迫力の映像で描く、人気アクションシリーズの最新作である。

人類を脅かすAI “エンティティ”にまつわる鍵をめぐり、イーサン率いるチームは捜査官ブリッグスとドガに追われ、エンティティの支配を目論むガブリエルと対立。鍵をイーサンが奪還してから2ヶ月、潜伏しているイーサンのもとにアメリカ大統領から鍵を渡すよう連絡が入る。すべてのツールに潜む最新鋭のAIを相手に苦戦し、慎重に行動するなか、イーサンはかつてガブリエルの元で働いたパリスを仲間に引き入れ、エンティティを打ち負かす唯一の武器を手に入れることを決意。それはベーリング海の底、氷の下に沈むロシアの潜水艦「セヴァストポル」の中にあった。

ポム・クレメンティエフ,グレッグ・ターザン・デイヴィス,トム・クルーズ,サイモン・ペッグ,ヘイリー・アトウェル

イーサン・ハントが不可能なミッションに挑む人気シリーズの8作目。今回も世界各地で大掛かりなアクションを展開するエンターテインメント大作になっている。トムは今回の作品について、達成感と共にこのようにコメントしている。「この新作で、僕たちは偉大なことを成し遂げました。これはすべてを集約したものです。まさにすべてを。過去4作を監督したマッキュー(マッカリー監督)と僕は、このシリーズを製作する中で、ストーリーを語ることについて多くを学んできました。『ファイナル・レコニング』は、エレガントで奥深い、すばらしい物語。このシリーズで過去に積み重ねてきた実績があってこそ、実現できたものです」
 トムとマッカリー監督のM:Iシリーズでのコラボは4度目。監督は2022年の『トップガン マーヴェリック』でもトムとタッグを組んだことをあげ、笑顔で楽しそうに語る。「ずっと対話しているような感じです。作品を立て続けに作り上げてきたなか、今でもしょっちゅう一緒にすごしています」
 トムはマッカリー監督について、まさに“不可能を可能にしてくれる仲間”として、このように話している。「マッキューとのパートナーシップは、僕にとって夢のようです。僕はいつも、自分と同じくらい映画に情熱を持つ人に出会いたいと思ってきました。マッキューには、毎日感心させられます。僕たちは映画への情熱を分かち合っています」
 共演者のイーサイはトムと監督のタッグについてこのように語っている。「彼らは映画という芸術を愛しています。お互いに対する競争意識は、まるでありません。彼らはお互いを補い合う存在。ふたりでひとりという感じです」

スパイ組織IMFのエージェント、イーサン・ハント役はトムが、チームを率いるリーダーとして。トムは映画で一番、キャラクターとストーリーを大切にしていると語る。「動きは、キャラクターとストーリーを語ります。セットのデザインも、照明も、キャラクターとストーリーを語ります。(役のために)バイクの乗り方、車の運転の仕方、歌、ダンスなど、何を学んだとしても、それはいつも、そこを助けるためにやることなのです。『これによって、自分はどんなストーリーを語ろうとしているのか』を考えるのです」
 技術系の現場エージェントであるベンジー役はサイモン・ペッグが、コンピュータ技術者のルーサー役はヴィング・レイムスが、凄腕のスリだったがイーサンと知り合い、IMFチームと共に行動するグレース役はヘイリー・アトウェルが、組織の裏切りで瀕死となるもイーサンたちの助けで一命をとりとめた元暗殺者のパリス役はポム・クレメンティエフが、AI “エンティティ”の支配を目論みイーサンたちを執拗に追い込むガブリエル役はイーサイ・モラレスが、イーサンを追う捜査官ジェスパー役はシェー・ウィガムが、ジェスパーの相棒ドガ役はグレッグ・ターザン・デイヴィスが、第1作目に登場したIMFの監査官キトリッジ役はヘンリー・ツェニーが、キトリッジによりアラスカへ左遷させられていたCIA職員のダンロー役は、第1作の出演後29年ぶりにシリーズ出演となるロルフ・サクソンが、CIA長官からアメリカ大統領となったエリカ役はアンジェラ・バセットが、それぞれに演じている。

トム・クルーズ,イーサイ・モラレス

アクションの見どころで特に目を引くのが、トムの潜水シーンと小型飛行機のシーンだ。いずれも肉体的・精神的に負担が大きい命懸けのスタントで、潜水シーンではトムが深い水中で演技とアクションをし、小型飛行機のシーンでは生身で機体にしがみつきぶら下がり、振り落とされそうになりながらも、敵と戦う。潜水シーンでは、ヨーロッパで最大規模となる水槽が製造され、その水槽に収まる潜水艦もデザイン。水槽の深さは32フィート、直径は108フィート、容量は900リットルで、水を満タンにするには15日かかるという。潜水艦を動かすためのジンバルも作られ、コンセプトからすべてが完成するのに2年半かかったそうだ。そしてトムがまとう特別設計のマスクとウェットスーツは、長時間使用すると低酸素症を引き起こしてしまうため10分間しか着用が出来ないという制約のもと、安全性を最優先で撮影が行われた。マッカリー監督はこの水中スタントの際、トムと一緒に監督も水中へ潜り、ジェスチャーでコミュニケーションをとりながら演出。一般的に水中シーンの撮影では監督は外にいて、俳優にスタッフを介してディレクションするが、マッカリー監督は2025年5月7日に東京で行われた来日記者会見にて、撮りたい映像を集中して撮影するために自身も一緒に潜ったと語った。「その方法(外から演出)だと空間の認識ができない故に1日6ショットくらいしか撮れずとても時間を消費するので、自分たちがやりたいことができません。そのため本作では自身もトムと一緒に水中に潜ることで(1日に)24ショットくらい撮影することができました」

そして小型飛行機のシーンは、水面から1万フィートの高度で実施。上空2400m超、時速225kmで飛んでいる機体の上で強風に煽られながらアクション。そしてトムは高度約3000mから空中へダイブし、風にあおられて後方宙返りをして落下していくシーンでは、カメラオペレーターやフォーカスプランナーなし、すべてトム本人が地面まで落下しながら腹部に装着した特殊なカメラなどの機材を1人で調整しコントロールして撮影。このシーンの撮影は4ヶ月半かけて行われ、そのほかにもキャストやスタッフの準備時期、リハーサル、トレーニング、テストをしてきた期間があったという。トムはこのシーンの出来栄えにとても満足していると嬉しそうに語る。「長年の間、僕は空中でのアクションをたくさんこなしてきました。ですが、これはさらに高いレベルを要求されるものでした。僕は事前に、1ステップずつ、飛行機、エンジン、重量、信頼を試しました。こういうことをやってみせるためには、超えてはいけない線を超えないスキルを築くために、一歩ずつ進んでいかなければなりません。危険ですが、すごく楽しいです。そして、見ていて興奮します。観客は、こんなものを観たことがないはずです」
 監督はこの空中スタントについて、「このスタントの過酷さは想像を絶する」と話し、トムとの取り組みについてこのように語っている。「私たちは、『トップガン マーヴェリック』で学んだすべてのことを、この映画に取り入れました。どちらの映画においても、観客に観たことがないものを提供したかったのです」
 トムはこうした命懸けのスタントに取り組むモチベーションの保ち方について、前述の来日記者会見にてこのように語った。「情熱と愛です。仕事ではなくこれこそが自分だと思っていますし、目標というものを常に持っていて、チャレンジが大好きなんです。難しいとか大変とかは構わない。とにかく何があっても諦めない。人生は冒険です。よく、怖くない?って聞かれるんですが、もちろん怖いです。いろいろな感情があるんですがそれは問題ないんです。それが私なんです。人々を楽しませることが本当に好きで、自分がどれだけ光栄な立場にいるかということを当たり前に思わないようにしています」
 またトムが全力疾走をする名物シーン“トム走り”の今回の舞台は、イギリスを代表するスポットであるウェストミンスター橋にて。ロンドンのビッグベンを背景に、トムが全力疾走で橋を真っ直ぐに駆け抜けていくシーンが風景と共にくっきりと映されている。

アンジェラ・バセット,ニック・オファーマン,ほか

撮影は、南アフリカ、ベルギー、イギリス、北極圏などにて。ノルウェー領で北極圏にあり、人が居住する地としては世界最北の街で、マイナス40度という極寒のなかで撮影したスヴァールバル諸島、30マイルに及ぶ石灰岩のトンネルを持つイギリスのミドルトン鉱山、空中スタントを撮影した南アフリカのドラケンスバーグ山脈、イタリアの海岸沖に配置されたアメリカ海軍航空母艦ジョージ・H・W・ブッシュの上でも、撮影が3日間行われた。トムは「スヴァールバル諸島は、息をのむほど美しい。この素晴らしい場所で撮影できるなんて本当に特別な体験だ」とコメント。メイキング映像でもその風景が楽しめるのでおすすめだ。またヘイリーは世界各地で撮影することの魅力と意義について語る。「トムとマッキューはいつも、世界のなかなか行けない場所に観客を連れて行こうとします。地理的な意味でも、彼らは野心旺盛です。今作は、まさにそう。南アフリカのロケ場所の風景は、本当に美しかったです。北極での撮影は難しかったですが、それがまた映画に緊張感、危険な雰囲気を与えたとも思っています」

1996年の第1作『ミッション:インポッシブル』から約30年。前述の記者会見にて、約30年もシリーズが続くと思っていたか、という質問にトムは、「もちろん思っていなかった」と話し、このように語っている。「18歳の時にパラマウントのプロデューサーにお会いした時、彼女は私の映画に対しての情熱をすごく理解してくださってとてもサポートをしてくれました。数年後、『ミッション:インポッシブル』を作りたいと話したところ、『なんでTVシリーズを映画化するんだ』とみんなに言われたんです。ただ、そのあと3作目まで作り上げてきたあと、シリーズ全体を振り返って、オーディエンスが何を楽しんだのかを掘り下げていきたいと思い、(シリーズを)続けたいという気持ちが生まれました。ちょうどそのタイミングでクリストファーと出会い、どういう風に進化をさせるか決めていったのです」
 この作品は、新型コロナのパンデミックや全米映画俳優組合のストライキによって撮影が中断し、完成まで7年かかったとのこと。トムにとってM:Iシリーズが特別である理由について、記者会見で彼はこのように語った。「映画を作るということは小さいころから夢見ていたことです。自分の夢を生きることができる。それを受け入れていただいて観客の皆さんを楽しませることができるということを当たり前だとは絶対に思いません。現場に入り準備している時に常に観客のことを考えています。それらは私に大変な喜びをもたらしますし、人生を捧げています。そのなかで(『ミッション:インポッシブル』シリーズは)最初にプロデュースした作品ですし、非常にめずらしい旅をさせていただきました。また、自分自身が俳優として、プロデューサーとして、ストーリーテラーとしてチャレンジをしていけるのです」

作品データ

公開 2025年5月17日〜22日先行上映、5月23日公開
制作年/制作国 2025年 アメリカ
上映時間 2:49
配給 東和ピクチャーズ
原題 Mission: Impossible - The Final Reckoning
監督 クリストファー・マッカリー
出演 トム・クルーズ
ヘイリー・アトウェル
ヴィング・レイムス
サイモン・ペッグ
ヴァネッサ・カービー
イーサイ・モラレス
ポム・クレメンティエフ
マリエラ・ガリガ
ヘンリー・ツェニー
ホルト・マッキャラニー
ジャネット・マクティア
ニック・オファーマン
ハンナ・ワディンガム
アンジェラ・バセット
シェー・ウィガム
グレッグ・ターザン・デイヴィス
チャールズ・パーネル
フレデリック・シュミット
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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