F1®/エフワン

ブラッド・ピット×ジョセフ・コシンスキー監督
俳優がレーシングカーで本物のF1®ドライバーと走行
映画史上初の試みを実現した超体感型エンタメ作

  • 2025/07/02
  • イベント
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F1®/エフワン© 2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

ブラッド・ピットを主演に迎え、『トップガン マーヴェリック』のジョセフ・コシンスキー監督が脚本・製作も手がけ、F1®レーサーの世界をドキュメンタリーさながらの本物の映像と音、ドラマティックなストーリーで映す。共演は、『Miles & Juliette』のダムソン・イドリス、『イニシェリン島の精霊』のケリー・コンドン、『デューン 砂の惑星PART2』のハビエル・バルデムほか。製作にはジェリー・ブラッカイマー、本人役として出演もしている有名なF1®ドライバーのルイス・ハミルトンも参加している。かつて“天才”と呼ばれた伝説的なF1®レーサーのソニーは、旧友のルーベンに口説かれて再びサーキットに戻ってくるが……。世界各国のレースに参加し、俳優本人たちがレーシングカーを運転して実際のグランプリで走行する、という映画史上初の挑戦を実行。映像や音にこだわった臨場感あふれる世界観、ベテランとルーキーの対立と和解と共闘。数々のヒット曲と共にF1®レースに打ち込むレーサーやスタッフたちのドラマを痛快に描くエンターテインメント作品である。

かつて“天才”と呼ばれた伝説のF1®レーサー、ソニーは、昔のレーサー仲間であり現在は最下位に低迷するF1®チームのオーナー、ルーベンの誘いにより再びサーキットに復帰。型にとらわれないソニーの振る舞いに、自信家の新人ドライバー、ジョシュアやチームメイトたちは困惑し、度々衝突を繰り返す。チームは混乱、最強のライバルたちとの勝負に敗色が濃厚となる中、ソニーの“常識破りの作戦”が最弱チームを導いていく。

F1®/エフワン

時速320kmで疾走するカーレースで、俳優本人たちが本物のレーシングカーを運転し、実際のスピードで本物のF1®ドライバーたちと走行する、という映画史上初の挑戦により製作されたエンターテインメント作品。『トップガン マーヴェリック』と同じ監督であり、映画のキャッチコピーが「地上版〈トップガン〉」というのは確かにそうで、ベテランとルーキーの反発と和解と共闘、というドラマはやはり幅広い世代に響くものがある。
 観る側がレーサーや、会場で応援するF1®ファン、現場で働くスタッフと同じ目線で、音や振動などを生々しく感じられる体感型、まさに映画館で観るための作品となっている。コシンスキー監督はこの映画の着想を得たのは、自身がファンであるF1®のドキュメンタリーシリーズ『Formula 1:栄光のグランプリ』であると語る。「第1シーズンを観て驚いたのは、有名なドライバーやトップチームではなく、グリッドの後方にいるチームに焦点が当てられていたことだ。トップ10入りや生き残りをかけて奮闘する“挑戦者たち”の姿は、映画にするのにふさわしい題材だった」
 また監督は7度のワールドチャンピオンを獲得した有名なレースドライバーであるルイス・ハミルトンにメールで、「この世界を舞台に、これまでで最もリアルなレーシング映画を作りたい。協力してもらえないか」と相談したところ、ハミルトンが快諾。そして監督と製作陣がリアリティを重視する姿勢に共感し、ハミルトンは目標を共有したと語る。「この映画によって新しいファンが生まれるかもしれないけれど、自分のように幼い頃からF1®とともに育ってきた昔からのファンにとっても、本物であることが絶対に必要なんだ。できる限りリアルなレーシング映画にする。それが最大の目標だった」
 そして主演であり、自身が創設した製作会社プランBエンターテインメントとしても参加しているブラッドは、「昔からずっとレースが好きだったから、レース映画を作れたら最高だって思いは常にあった」と話し、出演を即決したと語っている。「ジェリー(製作)、ジョー(監督)、ルイスから話をもらったときは、もちろん即答だったよ。素晴らしい映画人たちとの夢のような企画だし、しかも本物のレーシングカーで時速320kmのスピードで走りながら撮影できるんだ。こんなチャンス、逃せないよ」

ハビエル・バルデム,ブラッド・ピット

F1®から長く離れていたなか、旧友に口説かれて現役復帰する、もとF1®レーサーのソニー役はブラッドが、最下位に低迷するF1®チームを上位へと押し上げるベテランとしていい味わいで。ギャンブラーでふてぶてしさと繊細さがあり、運や験担ぎを気にするなど、こうしたソニーのキャラクターについては、ブラッドと監督が直接数人のF1®ドライバーたちにインタビューするという「贅沢な経験」をして作り上げていった。ブラッドはソニーという人物とこの映画のストーリーについて、2025年6月25日、26日と来日した際の東京での舞台挨拶にて、このように語った。「この映画は物語が素晴らしいんです。ソニーは負け犬で、挫折を経験するけどまたチャンスが巡ってくる。こういうストーリーはみんな感動できると思います」
 コシンスキー監督は、ブラッドの存在感と、脚本の構成を含む映画製作全体への熱心な取り組みへの感謝と共に、「何より、彼はスポーツを心から愛し、天性のレーサーとしての素質もある。もし彼にそのすべてがなかったら、この映画は成立しなかったと思うんだ」とコメント。そしてソニーのキャラクターとストーリーについてこのように語っている。「これは、贖罪の物語。レースファンでなくても楽しめます。若い頃のソニーには大きな期待がかかっていたが、結果はついてこなかった。それが彼の人生を狂わせた。でも、彼は自分なりのやり方で道を切り開いた。この物語は、レースの知識があろうがなかろうが、多くの人が共感できる話なんだ」
 同F1®チームのルーキーで、実力はあるも自信過剰で経験が浅く、ソニーに反発するジョシュア役はダムソン・イドリスが、ソニーの旧友で元レーサー、最下位のF1®チーム、エイペックスGPのオーナーであるルーベン役はハビエル・バルデムが、息子ジョシュアをサポートする母親バーナデット役はサラ・ナイルズが、ジョシュアのマネージャー役はサムソン・ケイオが、エイペックスGPの若手レースエンジニアであるヒュー役はウィル・メリックが、同チームの取締役であるピーター役はトビアス・メンジーズが、チーム代表キャスパー役はキム・ボドゥニアが、ピットクルーの若手メンバーであるジョディ役はキャリー・クックが、中堅レースエンジニアのリコ役はジョセフ・バルデラマが、ピットクルーのベテランであるドッジ役はアブダル・サリスが、ソニーが参加するデイトナ24時間レースのチームオーナー、チップ役はシェー・ウィガムが、それぞれに演じている。
 また劇中ではF1®の現場で女性スタッフが活躍していることが示されている。ケリー・コンドンが演じている、ソニーとジョシュアのマシンの開発を担当する、エイペックスGPのピットクルーのリーダー、ケイトはそのひとりだ。このキャラクターは実際にF1®の世界で活躍する女性エンジニアたちからも着想を得たそうで、ケリーは役作りにおいて現場で出会った関係者から多くの影響を受けたと話している。「ケイトは本気でレースを愛しているんだと思う。だって、F1®って本当に消耗する世界だから。1年のうち9か月は世界中を飛び回っているし、女性が少ない。だからこそ、“彼女には無理だ”と思っている人たちを見返したいっていう気持ちが、彼女にはあるんじゃないかな」
 コシンスキー監督はキャラクターへの思い入れや、撮影を通じて強まっていったキャストとスタッフとの結びつきについて熱く語る。「ここまで没入型の映画を作ると、キャストが本当に自分のキャラクターになっていくのが面白い。まるで本物のF1®チームになったかのようだった。世界中を一緒に旅して、すべてのレースに参加して、実際のレース中にピットウォールで撮影もした。僕たちは本当の“チーム”になっていたし、その絆はスクリーンからも伝わってくると思う」
 ブラッドもキャラクターへの愛着と、この映画の魅力について楽しそうに語る。「(長年のF1®ファンと、F1®という言葉すら知らない観客、双方の)バランスを取るのがいちばん難しかった。でも、たぶんうまくやれたと思う。初めての人にもちゃんと伝わるようにしつつ、マニアックなファンにとっても手応えがある。ユーモアがあって、荒々しくて、スピード感があって、意外にも心に響く物語になっている。登場人物もみんな大好きだし、この映画はいろんな意味で本当に面白いと思うよ」

ブラッド・ピット,ケリー・コンドン

この映画は完全にフィクションの物語でありながら、実際にF1®のレースが行われている会場で映画の撮影を行ったことから、ドキュメンタリーのような臨場感や緊張感があるのが大きな特徴だ。製作はF1®の全面協力により進行し、世界各国の本物のサーキットコースにて大規模な撮影を実施。エグゼクティブ・プロデューサーとしてF1®の世界で30年にわたり複数のチームでさまざまな役職を経験してきたティム・バンプトンが参加している。現場で映画の撮影がスムーズに受け入れられたのは、キャストやスタッフがF1®ドライバーたちとよく話して信頼を得て、「この映画が彼らの技術、献身、勇気、覚悟をきちんと描くためのものであると伝えたことは、本当に大きかった」とバンプトンは語る。撮影での絶対条件は2点、「安全であること」と「レースそのものの公平性を決して損なわないこと」であり、それ以外は柔軟に調整されたという。コシンスキー監督は最大のチャレンジについて、「映画の撮影は、たとえ完全に管理された環境であっても常に困難だ。ましてやライブイベント中に行うなんて、まったく異次元の挑戦だった」と話し、F1®との緊密なパートナーシップへの感謝と共に、「彼らが許可してくれたアクセスの範囲は、僕の想像をはるかに超えていた」とコメント。初の実地撮影が行われた2023年のイギリスグランプリ、シルバーストン・サーキットでは、劇中の架空のチームであるエイペックスGPのガレージが、本物のフェラーリとメルセデスの間に設置され、エイペックスGPのモーターホームも他チームと同様にパドックに配置。ブラッドとダムソンがドライバーである2台のエイペックスGPマシンは、20台の本物のF1®マシンの後ろで、フォーメーションラップに参加。観客は映画のための演出だとは気づかなかったという。監督はその時の撮影について熱く語る。「本物のF1®チームとまったく同じようにピット作業をこなし、セッションの合間に撮影を行っていたんだ」
 製作のジェリー・ブラッカイマーはこの時の撮影について、いかにエキサイティングであったかを2025年6月17日(日本時間)にニューヨークで行われたワールドプレミアにてこのように語った。「ブラッド・ピットとダムソン・イドリスはシルバーストンで観客の前に立った。14万人の観客、テレビでは1億人が見ていたんだ。彼らは時速300kmでサーキットを走り、誰も彼らがレースカーに乗っていると知らなかったし、ミスもしなかった。それは本当にすごいことだ」
 ブラッドはF1®への感謝と、この映画が実際のレースのどのシーンを撮影したかを具体的に語っている。「F1®は本当に協力的だった。信じられないくらい多くの扉を開いてくれた。レースウィークエンドで撮影させてもらい、表彰台でも、国歌演奏中でも撮影ができた。専用ガレージまで用意してもらい、レース中にはピットウォールでも撮影したよ」
 そしてこの映画には、多くのF1®ドライバーがカメオ出演。製作として参加しているルイス・ハミルトンをはじめ、マックス・フェルスタッペン、シャルル・ルクレール、カルロス・サインツJr.、日本人ドライバーの角田裕毅ほか多数。さらにF1®のCEOであるステファノ・ドメニカリ、実況アナウンサーのデビッド・クロフトとマーティン・ブランドル、解説者のウィル・バックストンも登場している。
 劇中でソニーやジョシュアが乗るマシンは、実際に時速320kmで走れる本物のレーシングカーを使用。メルセデスAMGのF1®チーム代表トト・ヴォルフの提案により、F1®に外見を近づけたF2マシンを使用し、撮影用に合計12台(うち6台はクラッシュ用)の車両を用意。ブラッドとダムソンは時速320kmのマシンを操れるようになるために、特殊な運転技術を身につけ、速度によりかかる“G”(重力)に耐えうる体作りのための過酷なトレーニングを重ねた。

世界で20人しかいないF1®ドライバーの体感、時速320kmでコースを疾走する本物の臨場感を映画で実現すべく挑んだ作品。F1®創設75周年のアニバーサリーイヤーである2025年は、5大陸21カ国で24戦を開催予定、世界各地で例年以上に盛り上がるなか、この映画も高い評価を得ている。映画館での上映は、通常の2D上映に加え、日本語吹替版、IMAX、4D、Dolby Cinema(ドルビーシネマ)、ScreenXのラージフォーマットにて実施。そもそも制作時からIMAX認証デジタルカメラで撮影された ≪ FILMED FOR IMAX ≫ 作品であり、筆者も日本一大きいIMAXスクリーン(「グランドシネマサンシャイン池袋」シアター12)で観て、その迫力の体感を満喫した。ぜひラージフォーマットで映像や音を全身で体感してほしい。記事では紹介しきれないほど、まだまだ興味深いエピソードが満載なので、映画を観てもっと知りたい!と思ったら、映画公式HPの「ソニーの作戦がもっと面白くなる!F1®ルール解説」や、映画パンフレットでプロダクション・ノートを読み込むのも楽しいだろう。最後に、ニューヨークのワールドプレミア上映前の舞台挨拶にて、コシンスキー監督とブラッドが伝えたメッセージをご紹介する。
 監督「この作品は、最初のアイデアから完成に至るまで、4年にわたる愛情と情熱の結晶です。F1®の世界に飛び込み、その物語を描き、スクリーンに届けることができたのは、私にとって大きな名誉であり、特権でした。みなさんに心から感謝いたします。この映画を完成させるために、何千人もの方々の力を借りました」
 ブラッド「この映画を皆さんにお届けできることを、本当に嬉しく思っています。すべてのドライバー、チーム代表、チームの皆さん、スポーツキャストの方々、この映画の実現に力を貸してくださり、そして私たちをF1®という神聖な世界に迎え入れてくださったすべての方々に、心から感謝しています」

作品データ

公開 2025年6月27日より全国劇場公開、日本語吹替版同時上映
4D/Dolby Cinema®/ScreenX/ IMAX®
制作年/制作国 2025年 アメリカ
上映時間 2:35
配給 ワーナー・ブラザース映画
原題 F1® The Movie
監督・共同脚・本製作 ジョセフ・コシンスキー
プロデューサー ジェリー・ブラッカイマー
脚本 アーレン・クルーガー
出演 ブラッド・ピット
ダムソン・イドリス
ケリー・コンドン
ハビエル・バルデム
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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