ファンタスティック4:ファースト・ステップ

MCU新章の第一歩といわれるマーベルの最新作
2026年の重要作品につながるエピソードとは?
強敵に強い絆で立ち向かうアクション・エンタメ作

  • 2025/08/05
  • イベント
  • シネマ
ファンタスティック4:ファースト・ステップ© 2025 20th Century Studios / © and ™ 2025 MARVEL.

マーベル・スタジオの“ヒーローチームの原点”ともいわれる『ファンタスティック4』の最新作。出演は、『キングスマン:ゴールデン・サークル』やディズニープラス配信のドラマ「マンダロリアン」のペドロ・パスカル、『ミッション:インポッシブル』シリーズのヴァネッサ・カービー、『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』のジョセフ・クイン、ドラマ「一流シェフのファミリーレストラン」のエボン・モス=バクラックほか。監督はマーベル・スタジオのドラマ「ワンダヴィジョン」のマット・シャクマンが手がける。宇宙ミッション中に未知の宇宙線を浴びて、それぞれ驚異的な能力を得た4人は、最強のヒーローチーム“ファンタスティック4”として活躍している。そんな折、謎の使者が襲来し地球の終焉を告げられ、4人は阻止を試みるが……。科学者のリードと妊娠中の妻スー、スーの弟ジョニーとリードの親友ベン、4人が支え合うファミリーとしてのあたたかい結束のもと、カラフルでポップなレトロフューチャーの世界観のなか、侵略者に立ち向かっていくドラマを描く。2026年に公開予定の話題作『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』につながる重要な作品として注目されているマーベルのアクション・エンターテインメントである。

宇宙ミッション中の事故で特殊能力を得た4人のヒーロー・チームは、その力と正義感で人々を救い、“ファンタスティック4”と呼ばれている。世界中で愛され、強い絆で結ばれた彼ら“家族”には、間もなく“新たな命”も加わろうとしていた。しかし、全身が銀色に覆われた謎の使者サーファーが襲来し、惑星を食い尽くす規格外の敵“宇宙神ギャラクタス”の脅威が地球に迫る。ギャラクタスの狙いは、リードとスーが授かった子どもだった。地球滅亡へのカウントダウンが進む中、彼らが守るのは全人類か、家族か、選択を迫られ……。

ペドロ・パスカル

特殊能力を得た4人が活躍する、マーベルヒーローの原点ともいわれるチームを描く最新作。1960年代のアメリカふうのレトロフューチャーなビジュアルや、同じビルで暮らす4人の暮らしぶりや食事の風景といった彼らの日常のドラマと共に、侵略者に立ち向かい戦うヒーローもののアクションバトルを描いている。メンバー4人は2026年12月18日に日米同時公開の『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』に登場することが決定、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に彼らがどのように関わっていくのか、「アベンジャーズ」新章に向けた“ファースト・ステップ”として注目されている。シャクマン監督のこの映画における挑戦は、「スーパーヒーローの華やかさのなかに、個人的な感情を込めた映画を作ること」であると話し、4人がヒーローでありひとりの人間であることについて、2025年7月16日の「Variety」の記事「‘Fantastic Four,’ Assemble: Director Matt Shakman on Casting Marvel’s First Family Without Auditions and ‘Corporate Pressures’ Not Being ‘My Burden to Shoulder’(『ファンタスティック・フォー』アッセンブル:マット・シャクマン監督、マーベル初のファミリーをオーディションなしでキャスティングしたことや「企業のプレッシャー」は「背負うべき重荷ではない」と語る)」にて、このように語っている。「彼らは親です。科学者であり、探検家でもあります。そして、必要な時だけスーパーヒーローになるのです。私は父親として、そして夫としてこの仕事に取り組んでいます。それが私にとって特別なのです」

ヴァネッサ・カービー

ゴムのように自在に伸縮する身体をもつリーダーのミスター・ファンタスティックこと天才的な科学者であるリード・リチャーズ役は、ペドロ・パスカルが落ち着いたリーダーとして、彼の妻で自身の身体を透明化させ、目に見えないエネルギーを操る超能力をもつインビジブル・ウーマンことスー・ストーム役はヴァネッサ・カービーが、チームの精神的支柱として。ペドロは、「僕たちがこの家族に注いだ多くの愛が、映画で表現できていることを願う」と話し、ヴァネッサは「劇中で描かれるキャラクター同士の絆を実際に感じることができたわ」と、撮影が良いチームワークで進行されたとコメントしている。スーの弟であり炎を操り、空を高速で飛び、高熱の火炎を放つヒューマン・トーチことジョニー・ストーム役はジョセフ・クインが、陽気なムードメーカーとして、リードの古くからの親友で岩のように強固な身体と怪力をもつザ・シングことベン・グリム役はエボン・モス=バクラックが、心優しく思いやりのある人物として、惑星を食い尽くす規格外の敵“宇宙神ギャラクタス”の声はラルフ・アイネソンが、全身が銀色に輝くギャラクタスの使者・シルバーサーファー役はジュリア・ガーナーが、それぞれに演じている。そしてリードとスー夫妻に生まれるベビーのフランクリンはかわいらしく、4人をサポートする高性能ロボットハービー(H.E.R.B.I.E.)もかいがいしく活躍している。
 前述の「Variety」の記事によると、撮影前に3週間のリハーサルを実施。シャクマン監督は主要キャストと脚本家のジョシュ・フリードマンと共にシーンのワークショップを行い、登場人物同士の関係性を作り上げていった。監督はリハーサルルームをコンセプトアートやNASAの打ち上げ時の写真などをディスプレイして1960年代風にアレンジし、俳優たちがレトロフューチャーの世界観を感覚的になじめるように演出。キャストたちは当時のダンスをレッスンしたとも。同記事でジョニー役のクインはキャスティング前に監督と、「キャラクターについて、映画の美学に対する彼の考え、そして家族と犠牲というテーマについて話しました」とコメント。そしてベン役のエボンは、撮影の準備をキャストとスタッフが協力して行ったことについて、同記事でこのように語っている。「撮影を始めた時点では脚本はまだ完全には完成していなかったと思います。だから、いわばワークショップ形式で映画を練っていたんです。共同でリサーチを重ね、宇宙飛行士や科学者と話し合ったり、アポロの映像をたくさん一緒に見たりしました」
 余談ながら、劇中で幼い女の子が落下してくる瓦礫の下敷きになりそうな瞬間、ヒューマン・トーチが間一髪で救うシーンに登場している子役は、監督の実の娘メイジー・シャクマンとのこと。監督はこのことについて同記事で嬉しそうに語っている。

原作コミック『Fantastic Four』は、1961年にスタン・リーとジャック・カービーのコンビにより創作。その後、アニメ化や映画化、ゲームとして親しまれるなか、2004年から原作のキャラクターたちを活かして新たにスタートする“アルティメット・マーベル”のひとつ『Ultimate Fantastic Four』としても続いている。マーベル・コミックのヒーローチームというと、1963年から『アベンジャーズ』『X-メン』、1969年から『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』、1976年から『エターナルズ』が始まっているなか、すべての“原点”は『ファンタスティック・フォー』にあるとも言われている。そのため今回の映画化は、マーベル・スタジオにとってもMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)にとっても大事な作品であるという。

ジョセフ・クイン

2026年12月18日に日米同時公開の『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』では、ファンタスティック・フォー最大の宿敵ドクター・ドゥーム役としてロバート・ダウニー・Jr.が出演。『アベンジャーズ/エンドゲーム』を最後にアイアンマンことトニー・スターク役を辞したロバートが、宿敵としてMCUに登場することが大きな話題となっていることは周知の通りだ。MCUで大注目の『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』に、ファンタスティック4のメンバーはどのように関わっていくのか。映画ファンのひとりとして楽しみだ。最後に、2025年7月22日(日本時間)にロサンゼルスで行われたワールドプレミアにて、ペドロ、ヴァネッサ、シャクマン監督が語ったこの映画への思いや観客へのメッセージをご紹介する。
 ペドロ「ファンタスティック4は、“家族であること”によって人類を救う。それがこの物語の核心であり、“一緒にいること”が、互いを救う力になる。そんなストーリーなんです。この映画を楽しんでもらえたらうれしいです」
 ヴァネッサ「スーを演じて学んだのは、“本物のヒーローはお母さんたち”ってことなんです。彼女は妊娠し、出産し、新米ママとして子育てに奮闘する。そしてその間ずっと、宇宙規模の存在の危機が迫っていて、任務も進行している……。そんな物語を描くなかで、マーベルがこの旅に私を招いてくれたことを本当に光栄に思います」
 シャクマン監督「『もし1960年代に、キューブリックが夢見たような未来が本当に実現していたら?』という発想で、できるだけリアルに、そしてオーセンティックに描こうとしました。現実の60年代に“レトロフューチャー”の層が重なっているような世界です。私は子どもの頃からこのコミックスを読んで育ちました。このキャラクターたちは、僕自身の“家族”の一部のような存在です。ずっと彼らを愛してきたので、MCUのなかで彼らを描くのは本当に光栄なことです。楽しんでいただけると嬉しいです!」

参考:「Variety

作品データ

公開 2025年7月25日(金)日米同時公開
制作年/制作国 2025年 アメリカ
上映時間 1:55
配給 ウォルト・ディズニー・ジャパン
原題 The Fantastic Four: First Steps
監督 マット・シャクマン
出演 ペドロ・パスカル
ヴァネッサ・カービー
ジョセフ・クイン
エボン・モス=バクラック
日本版声優 子安武人
坂本真綾
林勇
岩崎正寛
楠大典
上田麗奈
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
XInstagram

記載内容は取材もしくは更新時の情報によるものです。商品の価格や取扱い・営業時間の変更等がございます。