オークストリートの異変

1980年代のアメリカの住宅街で異変が発生
恐竜が突如現れ、住民たちを襲い始める
普通の家族は生き延びることができるのか?

  • 2026/08/18
  • イベント
  • シネマ
オークストリートの異変© 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

突然の変異により住宅街に恐竜が出現、アメリカの普通の家族が予期せぬ事態に巻き込まれてゆく──。本国より公開直前まで情報統制が徹底され、恐竜のビジュアルも物語の内容もほとんど明かされなかった注目作が公開。出演は、『プラダを着た悪魔2』をはじめ出演作が続くアン・ハサウェイ、『スター・ウォーズ』シリーズのユアン・マクレガーほか。監督・脚本・製作は『イット・フォローズ』のデヴィッド・ロバート・ミッチェル、製作は『SUPER8/スーパーエイト』のJ・J・エイブラムスが手がける。平和な街オークストリートにある日突然、恐竜が出現。住民たちを襲いはじめ……。街で何が起きているのか、恐竜たちはどこからやってくるのか、そして普通の家族は生き抜くことができるのか。アメリカのレトロな住宅街や1980年代のインテリアなどノスタルジックな味わいを背景に描く、恐竜映画であり家族のドラマである。

平和な街オークストリートで、平凡な暮らしを送るプラット家。しかしある日を境に、街では不思議な現象が発生。ついには水道や電気が止まり町は断絶状態に。さらに、絶滅したはずの恐竜が街中に出現し住民を襲いはじめる。はたして家族は、襲いかかるさまざまな恐竜から逃げ延び、異変から脱出することが出来るのか。

ユアン・マクレガー,クリスチャン・コンヴェリー,メイジー・ステラ,アン・ハサウェイ

ごく普通の街に謎の変異が起きて恐竜が現れ……という夏の娯楽大作らしい導入から、それだけにとどまらない物語。電気や水道が絶たれ、さまざまな恐竜たちが現れるなか、プラット家にも違う意味での危機が発生。こういう時こそ家族で団結を、というはずが、結婚生活20年のプラット夫妻のわだかまりは簡単に埋まるものではなく、2人の子どもたちも不安と焦燥を抱えながら状況に翻弄されてゆく。さらに結婚20年目の夫婦それぞれが抱える“中年の危機(ミッドライフ・クライシス)”の揺らぎや、家族のなかで孤立しがちな父親を応援するかのような要素があるのも大人世代の共感につながる。さまざまな家庭の問題が突発的な出来事により露呈し、家族がどうなっていくのか、という経緯が描かれており、ただのパニック映画というだけではない独自の持ち味があるのだ。また公開前に秘密主義を徹底していた理由については、観客が登場人物と同様に、予備知識ゼロのまま異変に巻き込まれていく感覚を再現しようとする試みだったのかもしれない。脚本開発に約8年かけたというデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督は、父親が恐竜に夢中で、古生物学者になることを夢見て、いつも恐竜の本を読んでいたという影響もあり、子どもの頃からずっと恐竜映画を作りたいと思っていたとのこと。そしてこの映画に込めた思いと観客の体験について、このように語っている。「観客は彼らと一緒に危険をリアルに体験することになり、映画の中で奇妙な出来事が起こり始めると、まるで自分の身に起こっているかのように感じられるでしょう。スペクタクル、サスペンス、アクション、そして個人的な問題。いわゆる“ポップコーン・ムービー(娯楽映画)”に期待される全ての要素を盛り込むことが、私にとって重要でした」

クリスチャン・コンヴェリー,アン・ハサウェイ,メイジー・ステラ

2人の子どもの母親で夫と結婚して約20年になるデニース役はアン・ハサウェイが、自分の人生について思い悩む女性として。この映画に主演するきっかけは、監督の映画『イット・フォローズ』を観たアンが監督に面会を申し込み、直接会って話をしたことだったとのこと。それから8年後に脚本が届き、アンはその内容に非常に共感したと語る。「この映画はサスペンスに満ち、親子で観られ、子どもにも怖すぎない、80年代の家族向けホラーの傑作を思い出させます。脚本を読み、私は大好きな『ポルターガイスト』を思い出し、デヴィッド(監督)も『まさに目指していた作品』と言っていました。<中略>この映画も怖いけれど健全で、11歳の私が家族と観たかったような作品。’80年代のアンブリン映画に連なる作品に出演できて、心からうれしく思っています」
 デニースの夫グレッグ役はユアン・マクレガーが、無職になったことを家族に言えずにいる不器用な父親として。現代の価値観ではやや不甲斐なく見えるとしても、非常時には家族を懸命に守ろうとするひたむきさが、ユアンのキャラクターにとてもよく合っている。彼はこの映画の面白さについて楽しそうに語る。「予想外で、ぶっ飛んだ脚本に惹かれました。80年代の(スティーブン・)スピルバーグ映画を思わせるファミリー映画でありながら、物語がどこへ向かうのかわからない。<中略>巨大で無慈悲な恐竜に追いかけ回され、死に物狂いで走るのは、観ているのも演じるのもすごく楽しい。彼らは外へ出るたび命がけで戦いますが、そこにはユーモアがあり、笑える瞬間もあるのです」
 プラット夫妻の子どもたち、読書好きで天文学と科学を熱心に学ぶ、しっかり者の姉オードリー役はメイジー・ステラが、飼い犬スターバックを大切にしている弟ブライアン役はクリスチャン・コンヴェリーが、それぞれに演じている。プラット家の愛犬スターバック役は、静かで感情的なシーンを得意とするバズと、賢さと身体能力でアクションを多くこなしたブリスケット、2匹のオーストラリアン・キャトル・ドッグが好演。元気でかわいいスターバックは、凶暴な恐竜が襲ってくる恐怖や緊迫感のなかで心和む存在となっている。
 また恐竜の造形は、デヴィッド・ロバート・ミッチェル監督と、『ジュラシック・パーク』などでも知られるILM(インダストリアル・ライト&マジック)との協働により制作。古生物学的な知見を踏まえつつもとらわれることなく、アロサウルスをはじめ、さまざまな恐竜が登場している。

アン・ハサウェイ

この映画の魅力のひとつが、1980年代の住宅街を実際のロケーションで再現していることだ。グリーンバックの撮影やCGの背景に頼りすぎず、現実に存在する街が必要、という監督の考えから、撮影はジョージア州アトランタにある1960年代からほぼ変わらない姿の住宅街にて実施。地域全体を撮影で使う許可を得て屋外での撮影も行われた。住宅内部も実際に人が暮らしているかのような当時のインテリアが再現され、ノスタルジックな味わいが楽しめる。監督は「ファンタジーの設定や実在しない生き物が登場するからこそ、本物の住宅街で撮影することが重要だった」とコメント。ユアンも素晴らしい環境だったと話し、この地域での撮影に感謝してこのように語っている。「あの住宅地、あのとんでもなく長い通りが、“過去の住宅地”という登場人物のひとりになってくれた。アトランタの皆さんはとても協力的で、僕はあの場所で仕事をするのが大好きです」
 そして監督は1980年代初頭という時代への思い入れについて、あたたかな記憶をこのように語っている。「私は’80年代に子ども時代を過ごしたし、自分にとって大切なあの時代に戻ってみたかったんです。’70年代から’80年代には、観客が共感できるような魅力あふれるキャラクターが登場する映画がたくさんありましたよね」

愛する人が危機に直面したとき、私たちに何ができるのか。
 この映画は恐竜パニック映画としても楽しむこともできるし、突然の変異や脅威というダークファンタジーを、家族が直面する困難の比喩としてとらえることもできる。危機において家族の本質が露わになり、恐竜はその象徴に、変異はその試練となる。何を守りたいのか、何を変えたいのか、どんな未来を選び取るのか。映画を観終えたあと、観客は自分自身の家族や大切な人のことを思い出すかもしれない。最後に、製作のJ・J・エイブラムスとデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督がそれぞれ語る、この作品の見どころについてお伝えする。
 J・J・エイブラムス「『オークストリートの異変』は、まさにスリル満点のジェット・コースターのような映画です。実際に観客と一緒に観ましたが、彼らは悲鳴を上げ、笑い、泣き、そして歓声を上げていました。映画を観に行く理由を思い出させてくれるような作品ですよ」
 監督「プラット家の面々はそれぞれに問題を抱え、葛藤し、互いに打ち明けられない小さな秘密をもっています。しかし、命の危機が迫るような状況に置かれた時、彼らは否応なく互いを理解するようになります……あるいは、そうはならないかも。観客が物語に没入し、登場人物たちを心から気にかけるような作品にしたいと考えました」

作品データ

公開 2026年8月14日より日米同時公開
制作年/制作国 2026年 アメリカ
上映時間 1:40
配給 東和ピクチャーズ・東宝
原題 THE END OF OAK STREET
監督・脚本・製作 デヴィッド・ロバート・ミッチェル
製作 J・J・エイブラムス
出演 アン・ハサウェイ
ユアン・マクレガー
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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