厳しい風土を生きるみちのくの人々を支えた、愛らしい仏像・神像たち
東京ステーションギャラリーにおいて初めて仏像・神像を紹介する展覧会。青森・岩手・秋田の北東北のくらしのなかで、人々の悩みや祈りに耳をかたむけてきた個性派ぞろいの木像約130点を紹介し、日本の信仰のかたちについて考える。
江戸時代、幕府や諸藩によって、寺院が「
一方で、地方の小さな村々では十王堂(地蔵堂、閻魔堂)や観音堂など集会所を兼ねた場所が人々の拠り所。こうした場所や民家の神棚に祀られた十王、地蔵、観音、大黒天・恵比須などの木像は、仏師でも造仏僧でもない大工や木地師の手によるもので、これらを「民間仏」という。ご本尊と違って、煌びやかな装飾はないが、粗末な素材を使って簡略に表現され、日常のささやかな祈りの対象として大切にされてきた。
その彫りの拙さやプロポーションのぎこちなさは、単にユニークなだけではなく、特に厳しい風土を生きるみちのくの人々の心情を映した祈りのかたちそのものといえる。
本展は、「ホトケとカミ」、「山と村のカミ」、「笑みをたたえる」、「いのりのかたち 宝積寺六観音像」、「ブイブイいわせる」、「やさしくしかって」、「大工
本展のメインビジュアルにも選出された《
地獄で亡者の罪を責め苛む鬼(獄卒)が、左手に女性を引きずり、得意満面でポーズを決めるという、文面ではいかにも恐ろしそうな《
その他にもまだまだ個性的な仏像・神像が満載。素朴でユニークな造形と表情が、ほっこりとした温かい気持ちにさせてくれるだろう。
展覧会名 | みちのく いとしい仏たち |
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会期 | 2023年12月2日(土)〜2024年2月12日(月・振休) |
休館日 | 月曜日(ただし1月8日、2月5日・12日は開館)、12月29日(金)〜2024年1月1日(月)、1月9日(火) |
時間 | 10:00〜18:00(金曜日は20:00まで) ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 東京ステーションギャラリー 千代田区丸の内1-9-1 |
入館料 | 一般 1,400円、高大生 1,200円、中学生以下無料 ※詳細はこちらをご確認ください |
公式サイト | https://www.ejrcf.or.jp/gallery/ |
問合せ | 03-3212-2485 |
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