六本木ヒルズのシンボル「巨大な蜘蛛」のアーティスト、ルイーズ・ブルジョワの
国内27年ぶりとなる大規模個展
20世紀を代表する最も重要なアーティストの一人であるルイーズ・ブルジョワ(1911〜2010年)の1997年以来、27年ぶりに開催される国内最大規模の個展。彫刻、絵画、ドローイング、インスタレーションなど、約100点に及ぶ作品を3章立てで紹介する。
ブルジョワの芸術は、彼女が幼少期に経験した複雑で、ときにトラウマ的な出来事をインスピレーションの源としている。記憶や感情を呼び起こすことで普遍的なモチーフへと昇華させ、希望と恐怖、不安と安らぎ、罪悪感と償い、緊張と解放という、相反する感情や心理状態を表現する。
ブルジョワは20歳の時に母を亡くした悲しみからアーティストへの道を志し、パリ国立高等美術学校等で学ぶ傍ら、フェルナン・レジェなどアーティストのスタジオに通う。結婚を機にアメリカに移住し、1940年代半ばから作品を発表。1982年には女性彫刻家としては初となるニューヨーク近代美術館での大規模個展が開催された。
その後、各国で重要な個展を開催し、没後も世界各地の主要な美術館で個展が続けられている。
98歳で他界するまで制作を続けたブルジョワは、晩年にキャリアの代表作ともいえる作品を多く発表している。本展では布を用いた作品など、出展作品の約半数が1998年以降に制作された日本初公開の作品となり、それらを国内で観ることができる最高の機会となる。
六本木ヒルズを象徴するパブリック・アート《ママン》をはじめ、ブルジョワの芸術を代表するモチーフとして繰り返し登場してきた、蜘蛛をモチーフとした作品が観られるのも、本展のみどころの一つ。
ブルジョワにとって蜘蛛は母を象徴している。糸で傷を繕い、癒す修復家である一方、周りを威嚇する捕食者でもあり、母性の複雑さを表現している。また、蜘蛛が巣作りのために体内から糸を出すように、自身の体から負の感情を解放するために制作を続けた、ブルジョワ自身の自画像でもあるのだ。
本展の第1章「私を見捨てないで」では母との関係を、第2章「地獄から帰ってきたところ」では父との確執、そして第3章「青空の修復」では家族の関係性の修復と心の解放が主なテーマとなっている。また、各章をつなぐ小スペースでは、初期の作品を年代順に紹介。ブルジョワの成長と変遷を追うことができる。
逆境を生き抜いた「サバイバー」と、自らを考えていたブルジョワ。生きることへの強い意志を表現するその作品群は、人類が直面する、ときに「地獄」のような苦しみを克服するヒントを与えてくれるだろう。
展覧会名 | ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ |
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会期 | 2024年9月25日(水)〜2025年1月19日(日) |
休館日 | 会期中無休 |
時間 | 10:00〜22:00(火曜日、10月23日は17:00まで) ※ただし9月27日・28日は23:00まで、12月24日・31日は22:00まで ※入館は各閉館時間の30分前まで |
会場 | 森美術館 港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階 >> 森美術館の紹介記事はこちら |
入館料 | 【専用オンラインサイト】 平日:一般 1,800円、高大生 1,300円、65歳以上 1,500円 土・日・休日:一般 2,000円、高大生 1,400円、65歳以上 1,700円 【当日】 平日:一般 2,000円、高大生 1,400円、65歳以上 1,700円 土・日・休日:一般 2,200円、高大生 1,500円、65歳以上 1,900円 ※中学生以下無料 ※詳細はこちらをご確認ください |
公式サイト | www.mori.art.museum |
問合せ | 050-5541-8600 (ハローダイヤル) |
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