見たくないものとして目を背けられてきた「ゴミうんち」
アーティストら20組以上が「循環」に向き合う企画展
本来循環し、自然界においては残り続けるものではなかった、ゴミとうんち。
しかし現代の人間社会ではその両者は大きな問題となり、文化的にも「どこか見たくないもの」として扱われている。
身の回りから宇宙までを見渡し、さまざまな「ゴミうんち」を取り上げ、新しい概念で世界の循環に向き合う企画展。
本展では、ゴミうんちを含む世界の循環を「pooploop」と捉える。これまで目を背けてきた存在にもう一度向き合うと、社会問題だけではないさまざまな側面が見えてくる。すぐ燃やすのでも水に流すのでもなく、じっくり観察し、単純化せずに新しい態度で向き合うと、語りきれないほどの不思議や好奇心に出合えたのだ。
ゴミうんちという新しい概念をきっかけに、人工物のデザインも同じようにできないのかと考えた本展は、世界の循環に向き合う実験の場でもある。
本展の展覧会ディレクターには、佐藤卓氏と竹村眞一氏の2名を迎える。グラフィックデザイナーの佐藤氏は「『循環』が難しいテーマであることは重々承知の上で、何ができるのかを探っている。ただ、環境問題は待った無しの状態であることは間違いないので、この企画はデザイン施設として避けて通れないと思った。難しいテーマをいかに面白くできるか。そこにもデザインが試される。」と語る。
また、「うんちをpooploopして100万都市を運行した『江戸のエコ』も、江戸初期の高度成長による資源枯渇と環境危機へのクリエイティブな適応(= V字回復)だった。それを今度は地球規模でやる。その準備はようやく整いつつある。」と語るのは、文化人類学者の竹村氏。
会場では、ギャラリー1を「糞驚異の部屋」と称し、身近なものから宇宙までを見渡してさまざまな「ゴミうんち」にまつわるものを展示。実際にゴミになるもの、リサイクル資源、化石や貝殻、190種類を超える土、うんちからつくられるプロダクトなど、約300〜400種の膨大な数の展示作品や資料を観ることができる。
また、ギャラリー2を中心に「ゴミうんち」という新しい概念を元にリサーチした新しい循環や価値の提案、ゴミの定義を考え直すアプローチ、人間と自然の関係性を再考した作品、あまり見えてこなかった大きな循環を可視化した作品などを展示。
見ないふりをしてきた問題に向き合い、私たち一人ひとりができることを考えてみたくなる展覧会だ。
展覧会名 | 企画展「ゴミうんち展」 |
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会期 | 2024年9月27日(金)〜2025年2月16日(日) |
休館日 | 火曜日(ただし2月11日は開館)、12月27日(金)〜1月3日(金) |
時間 | 10:00〜19:00(9月27日・28日は22:00まで) ※入場は閉館時間の30分前まで |
会場 | 21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2 港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン >> 会場の紹介記事はこちら |
入場料 | 一般 1,400円、大学生 800円、高校生 500円、中学生以下無料 |
公式サイト | http://www.2121designsight.jp |
問合せ | 03-3475-2121 |
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