ようこそ、荏原 畠山美術館へ
畠山コレクションを代表する名品で美術館の開館を祝う記念展
開館60年を迎える畠山記念館が大規模な改築工事を終え、「荏原 畠山美術館」としてのオープニングを記念して開催する展覧会。三回にわたり開催する記念展の第一弾は、畠山即翁の茶と能楽をテーマに館を代表する名品を展示する。
創立者畠山一清(1881〜1971年)は、東京帝国大学工科大学を卒業後、技術者としてポンプの開発に取組み、株式会社荏原製作所を創業。事業のかたわら、即翁と号して能楽と茶の湯を嗜み、長年にわたり美術品の蒐集に努めた。
即翁は主に茶事の場において所蔵の美術品を披露してきたが、その文化的価値を鑑み、恒久的な保存を図るとともに広く一般の研究鑑賞に貢献するため、苑内の一角に美術館を建設。1964年10月に財団法人畠山記念館が開館した。
荏原 畠山美術館は、茶道具を中心に、書画、陶磁、漆芸、能装束など、日本、中国、朝鮮の古美術品を展示公開。国宝6件、重要文化財33件を含む約1300件を収蔵している。今回の改修では新館を増築するとともに、本館は和の趣向を残して改修。展示室は3フロア、面積にして旧畠山記念館の約3倍に拡張され、展示ケースを含む最新の設備に更新した。
本館ではこれまでと同様に季節に合わせ、主に収蔵作品による展示を、そして新館では新たな領域にも挑戦する企画展示を行う予定だ。
本展は4つの章だてで構成されている。
「Ⅰ.祝祭の宴」は本館2階展示室にて、深まりゆく秋に相応しい茶道具を揃え、畠山コレクションを代表する名品とともに美術館の開館を祝う。
即翁が育った金沢は能が盛んな地として知られている。即翁も宝生流の免許を皆伝されるほどの実力者であった。
「Ⅱ.能楽-美意識の支柱」では新館2階展示室1にて、即翁が演能のために蒐集した能楽にまつわる品々を紹介。謡い舞うことによって自らの内に取り込まれた能楽が、即翁の美意識の支柱であった様を観ることができる。
「Ⅲ.美の架け橋―知られざる酒井億尋コレクション」では、即翁の茶会にも参加していた酒井億尋(1894〜1983年)のコレクションを紹介。美術品の蒐集を行うとともに、美術や文化への惜しみない支援をはじめ、蒐集品を寄贈するなど、即翁と酒井には多くの共通点がある。美の架け橋となった二人の実業家・コレクターに光をあてる章となる。
「Ⅳ.與衆愛玩の想い」では、即翁の私邸跡地であり歴史に彩られた由緒ある土地の記憶と記録をめぐりながら、畠山記念館設立へと結実した即翁の想いに心を寄せたい。
開館60周年を迎え、装い新たに生まれ変わった荏原 畠山美術館にて、即翁の美意識に触れてみてはいかがだろうか。
展覧会名 | 荏原 畠山美術館 開館記念展 T― |
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会期 |
2024年10月5日(土)〜12月8日(日) ※会期中、展示替えあり 前期:10月5日(土)〜11月4日(月・振休) 後期:11月8日(金)〜12月8日(日) |
休館日 | 月曜日(ただし10月14日、11月4日は開館)、10月15日(火)、11月5日(火)〜7日(木) |
時間 | 10:00〜16:30 ※入場は閉館時間の30分前まで |
会場 | 荏原 畠山美術館 港区白金台2-20-12 |
観覧料 | 一般 1,500円、高大生 1,000円、中学生以下無料(保護者の同伴が必要) |
公式サイト | https://www.hatakeyama-museum.org/ |
問合せ | 050-5541-8600 (ハローダイヤル) |
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