開創1150年記念 特別展「旧嵯峨御所 大覚寺―百花繚乱 御所ゆかりの絵画―」

大覚寺 開創1150年に先立ち
トーハクに、みやこの春が、訪れる

  • 2025/01/10
  • イベント
  • アート

京都西北に位置し、古くより風光明媚な王朝貴族遊覧の地として愛されてきた、嵯峨。平安時代初期、嵯峨天皇(786〜842年)は、この地に離宮・嵯峨院を造営し、空海(774〜835年)の勧めで持仏堂に五大明王像(現存せず)を安置した。その後、貞観18年(876年)に皇女・正子内親王まさこないしんのうの願いにより寺に改められ、大覚寺が開創。

本展は、来たる令和8年(2026年)に開創1150年を迎えるに先立ち、優れた寺宝の数々を4章立てで一挙に紹介する。

大覚寺の内部を飾る約240面におよぶ襖絵・障子絵などの障壁画の多くは、安土桃山〜江戸時代を代表する画家・狩野山楽(1559〜1635年)と江戸時代中期に京都で活躍した渡辺始興(1683〜1755年)によるもので、一括して重要文化財に指定されている。現在14か年にわたる大修理の途中であるが、本展では修理を終えたものを中心に、前後期併せて123面(前期100面、後期102面)を展示。華やかな空間は、本展最大のみどころだ。

また、平安時代後期の仏像の最高傑作の一つ、明円作「五大明王像」(本尊)を初めて五体そろって東京で公開。嵯峨院や初期の大覚寺の様子を示す寺宝も紹介する。

そのほか、国宝「後宇多天皇宸翰 弘法大師伝」(前期展示)や、国宝「後宇多天皇宸翰 御手印遺告」(後期展示)など、歴代天皇による優美な書の紹介や、清和源氏に代々継承された「兄弟刀」の重要文化財「太刀たち めいただ名物めいぶつ 薄緑うすみどり膝丸ひざまる〉)」と、重要文化財「太刀たち めい 安綱やすつな名物めいぶつ 鬼切丸おにきりまる髭切ひげきり〉)」を京都以外で、初めてそろって観ることができる。

さらに、通常非公開の重要文化財「正寝殿しょうしんでん客殿きゃくでん)」のうち、歴代門跡の執務室であった「御冠のおかんむり」を展示室内に再現。ここは後宇多法皇(1267〜1324年)が院政を敷き、元中9年(明徳3年、1392年)には南北朝講和の舞台になったとも伝えられている。
第4章の障壁画と、この「御冠の間」は写真撮影可能なので、雅な空間を写し、みやこの春を感じてみてはいかがだろうか。

  1. 重要文化財 牡丹図(部分) 狩野山楽筆 江戸時代・17世紀 京都・大覚寺蔵
    重要文化財 牡丹図(部分) 狩野山楽筆 江戸時代・17世紀
  2. 重要文化財 五大明王像 明円作 平安時代・安元3年(1177) 京都・大覚寺蔵
    重要文化財 五大明王像 明円作 平安時代・安元3年(1177)
  3. 国宝 後宇多天皇宸翰 御手印遺告(部分) 後宇多天皇筆 鎌倉時代・14世紀 京都・大覚寺蔵 展示期間:2月18日(火)〜3月16日(日)
    国宝 後宇多天皇宸翰 御手印遺告(部分) 後宇多天皇筆 鎌倉時代・14世紀
    展示期間:2月18日(火)〜3月16日(日)
  4. 重要文化財 太刀 銘 □忠(名物 薄緑〈膝丸〉) 鎌倉時代・13世紀 京都・大覚寺蔵
    重要文化財 太刀 銘 □忠(名物 薄緑〈膝丸〉) 鎌倉時代・13世紀

  5. ※すべて、京都・大覚寺蔵

開催概要

展覧会名 開創1150年記念 特別展「旧嵯峨御所 大覚寺―百花繚乱 御所ゆかりの絵画―」
会期 2025年1月21日(火)〜3月16日(日)
※会期中、展示替えあり
前期:1月21日(火)〜2月16日(日)
後期:2月18日(火)〜3月16日(日)
休館日 月曜日(ただし2月10日・24日は開館)、2月25日(火)
時間 9:30〜17:00
※入館は閉館時間の30分前まで
会場 東京国立博物館 平成館
台東区上野公園13-9
>> 会場の紹介記事はこちら
観覧料 一般 2,100円、大学生 1,300円、高校生 900円、中学生以下無料
※詳細はこちらをご確認ください
公式サイト https://tsumugu.yomiuri.co.jp/daikakuji2025/
問合せ 050-5541-8600 (ハローダイヤル)

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