抽象画の先駆者 ヒルマ・アフ・クリント
アジア初となる大回顧展で、いよいよその全貌が明らかに!
ワシリー・カンディンスキーやピート・モンドリアンといった同時代のアーティストに先駆け、抽象絵画を創案した画家として、近年再評価が高まるヒルマ・アフ・クリント(1862〜1944年)の、アジア初となる大回顧展が開催。
本展では、アフ・クリントのキャリアにおける最良の達成と言える、高さ3メートル超・10点組の絵画〈10の最大物〉(1907年)をはじめ、すべて初来日となる作品約140点が紹介される。
19世紀後半のスウェーデンに生まれたアフ・クリントは、王立芸術アカデミーで正統的な美術教育を受けた後、肖像画や風景画で評価を得、画家としてのキャリアをスタートさせた。
その一方で神秘主義思想に傾倒した彼女は、交霊術の体験などを通して、アカデミックな絵画とは異なる抽象表現を生み出していく。
1906年から1915年にかけて、自身が構想した神殿を飾るための「神殿のための絵画」と呼ばれる全193点の抽象絵画を描き上げ、81歳で亡くなるまで制作を続けたが、作品はほとんど展示されることなく手元に残された。
彼女の残した1000点を超える作品や、自身の思想を克明に記したノートなどは、長らく限られた人々にのみ知られる存在であったが、1980年代以降、展覧会で紹介されるようになり、未知の画家として世界の人々に驚きをもって迎えられることになった。
2013年に、ストックホルム近代美術館からスタートした、ヨーロッパ巡回の回顧展では100万人以上の動員を記録。また、2018年にニューヨークのグッゲンハイム美術館で開催された回顧展においては、同館史上最大となる60万人以上を動員し、現在も世界各地で大規模な展覧会が開催され続けている。
本展は5つの章立てで、アフ・クリントの作品を紹介。
高いレベルの教育を受け、職業画家として多方面で活躍した初期の作品から、神秘主義に傾倒し、アカデミックな絵画とは異なる抽象表現を生み出して、モダン・アートにおける最重要作家の一人として位置づけられる所以となる作品まで、アフ・クリントの画業の全貌を観ることができる。
世界各国の名だたる美術館が競い合うように展覧会を開催する、謎につつまれた画家、ヒルマ・アフ・クリントの作品を観ることができるこの機会を逃さないよう、ぜひ会場に足を運んでほしい。
展覧会名 | ヒルマ・アフ・クリント展 |
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会期 | 2025年3月4日(火)〜6月15日(日) |
休館日 | 月曜日(ただし3月31日、5月5日は開館)、5月7日(水) |
時間 | 10:00〜17:00(金・土曜日は20:00まで) ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 東京国立近代美術館 1F 企画展ギャラリー 千代田区北の丸公園3-1 >> 会場の紹介記事はこちら |
観覧料 |
一般 2,300円、大学生 1,200円、高校生 700円、中学生以下無料 ※詳細はこちらをご確認ください |
公式サイト | https://art.nikkei.com/hilmaafklint/ |
問合せ | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
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