絵画鑑賞ビギナーも、ベテランも
比べて見るからわかる西洋絵画のおもしろさ
「作品をどのように見ると楽しめるか」という観点で、ルネサンスから19世紀末までの600年にわたる西洋美術の歴史を、国立西洋美術館とサンディエゴ美術館の作品で紹介する展覧会。
サンディエゴ美術館は、米国西海岸において最初期に収集された、充実した西洋古典絵画のコレクションを有し、国立西洋美術館は、東アジアにおいて唯一の、体系的な西洋絵画のコレクションを誇る。
日米2館、総勢88点のコラボレーションを楽しむことができる本展は、関連する作品をペアや小グループごとに展示、比較して鑑賞することで、様々な角度から絵画が持つストーリーを深掘りすることができる。
本展では、ルネサンスから19世紀までの時代ごとに分けた4つの章立てで、テーマごとに絵画を比較するなど、鑑賞のヒントを提案する。
「Chapter.1 ルネサンス」の章では、『聖母子を比べる』と題して、ルネサンスを通じて最も頻繁に描かれた画題の一つ、聖母子が描かれた絵画を比較するなど、ルネサンス絵画の展開を探る。
「Chapter.2 バロック」では、17世紀初頭にスペインで花開いた、ボデゴンと呼ばれる独自の静物画の始祖とされる画家、サンチェス・コターンの最高傑作ともいわれる《マルメロ、キャベツ、メロンとキュウリのある静物》が紹介されていることも、本展のハイライトの一つだ。
また、コターンの次の世代を代表する静物画家の作品と並べて展示することで、この時代の作風の移り変わりと、スペイン静物画の神髄を見ることができる。
そのほか、「Chapter.3 18世紀」では、この時代の美術をリードしたイタリア絵画とフランス絵画の展開にフォーカス。
「Chapter.4 19世紀」では、19世紀絵画における人物表現に光を当て、その多様な表現のあり方を探る。
また、2人のフランス人女性画家による肖像画、マリー=ガブリエル・カペの《自画像》と、マリー=ギユミーヌ・ブノワの《婦人の肖像》の比較も見逃せない。
カペの自画像では、豊かな巻き髪やブルーのドレスとリボンがロココの雅なファッションであるのに対し、ブノワの女性像は、より簡潔で、新古典主義の時代の到来を伝えるドレス姿だ。
ファッションを比較して見るところから入る美術鑑賞もありなのだ。
初めての美術鑑賞にはもちろんのこと、展覧会を見慣れている方でも、「そういう見方もあるのか!」と、新しい発見があるはず。
会場で、あなただけの「どこみる」を探してみてはいかがだろうか。
展覧会名 | 西洋絵画、どこから見るか?―ルネサンスから印象派まで サンディエゴ美術館 vs 国立西洋美術館 |
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会期 | 2025年3月11日(火)〜6月8日(日) |
休館日 | 月曜日(ただし3月24日、5月5日・6日は開館)、5月7日 |
時間 | 9:30〜17:30(金・土曜日は20:00まで) ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 国立西洋美術館 台東区上野公園7-7 |
観覧料 |
一般2,300円、大学生1,400円、高校生1,000円、中学生以下無料 ※詳細はこちらをご確認ください |
公式サイト | https://art.nikkei.com/dokomiru/ |
問合せ | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
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