スウェーデン国立美術館 素描コレクション展―ルネサンスからバロックまで

芸術家の技量と構想力の全てが注ぎ込まれている素描の魅力を、
最高峰のコレクションで堪能できる展覧会

  • 2025/06/19
  • イベント
  • アート

スウェーデン国立美術館が誇る素描コレクションの名品を紹介する特別展が開催。
世界的にも質・量ともに高く評価される同館の素描コレクションから、選りすぐりの約80点を紹介。デューラー、ルーベンス、レンブラントといった巨匠たちの手による貴重な作品が一堂に会す。

素描は環境の変化や光、振動の影響を受けやすいため、海外で所蔵されている素描作品を日本で公開することは難しく、世界最高峰であるスウェーデン国立美術館の素描コレクションを、日本でこれだけの点数をまとめて観ることができるのは、初となり、また貴重な機会となる。

素描(ドローイング)は、木炭やチョーク、ペンなどを用いて対象の輪郭や質感、明暗などを表現した線描中心の作品で、絵画や彫刻などの構想を練ったり、下絵をつくったりなど、さまざまな目的で作られる。
作家の手の跡がより直接的に感じられ、制作の試行錯誤の過程が色濃く残る、創造の原点とも言える素描は、まるで作家の創造の場に立ち会っているような臨場感を味わえることが最大の魅力と言える。

本展は、制作地域ごとに分けた4つの章立てで、厳選された名品を紹介する。
第1章「イタリア」では、躍動感のある筆致で仕上げられたバロッチの頭部習作や、カラッチの肖像素描は、本章の目玉作品となる。ほかにパルミジャニーノの構図習作など、ルネサンスからバロックにかけて、美の中心地であり続けたイタリアならではの作品が並ぶ。

パリ南東方フォンテーヌブローの宮廷で活動した画家たちによる舞台衣装のデザインに始まる、第2章「フランス」では、ベランジュやカロらロレーヌ地方が輩出した個性あふれる作家たちや、ヴーエやル・シュウールなどのフランス・バロック期を代表する作家たちの作品に加え、建築装飾のために描かれたデザイン画も展示。

第3章「ドイツ」では、デューラーの繊細な肖像やグリューネヴァルトの頭部習作など、ドイツ・ルネサンスの代表的画家による、見応えのある作品を紹介。
 第4章「ネーデルラント」では、レンブラントの宗教画素描や、ルーベンス、ホルツィウスらによる風俗画など、絵画で扱われる主題の幅が広がった当時のネーデルラント美術の傾向を反映した、多彩な主題が展開される。

素描という繊細な表現を通して、巨匠たちの創造の瞬間に立ち会える本展で、線の美と作家の息づかいを感じてみたい。

  1. ジョヴァンニ・ダ・ウーディネ《空飛ぶ雀》水彩、赤チョークによるあたりづけ、紙 スウェーデン国立美術館 ©Cecilia Heisser/Nationalmuseum 2016
    ジョヴァンニ・ダ・ウーディネ
    《空飛ぶ雀》
    水彩、赤チョークによるあたりづけ、紙
    スウェーデン国立美術館
    ©Cecilia Heisser/Nationalmuseum 2016
  2. フェデリコ・バロッチ 《後ろから見た男性の頭部》 黒と赤のチョーク、混色したチョーク、黒の枠線、青色の紙 スウェーデン国立美術館蔵 ©Cecilia Heisser/Nationalmuseum 2016
    フェデリコ・バロッチ
    《後ろから見た男性の頭部》
    黒と赤のチョーク、混色したチョーク、黒の枠線、青色の紙
    スウェーデン国立美術館蔵
    ©Cecilia Heisser/Nationalmuseum 2016
  3. ルネ・ショヴォー《テッシン邸大広間の天井のためのデザイン》1690年代	ペン、黒インク、筆、不透明水彩、透明水彩、金泥、紙 スウェーデン国立美術館蔵 ©Cecilia Heisser/Nationalmuseum 2012
    ルネ・ショヴォー
    《テッシン邸大広間の天井のためのデザイン》
    1690年代
    ペン、黒インク、筆、不透明水彩、透明水彩、金泥、紙
    スウェーデン国立美術館蔵
    ©Cecilia Heisser/Nationalmuseum 2012
  4. レンブラント・ファン・レイン《キリスト捕縛》ペン、褐色インク、褐色と灰色の淡彩、白色による修正、紙 スウェーデン国立美術館蔵 ©Hans Thorwid/Nationalmuseum 2009
    レンブラント・ファン・レイン
    《キリスト捕縛》
    ペン、褐色インク、褐色と灰色の淡彩、白色による修正、紙
    スウェーデン国立美術館蔵
    ©Hans Thorwid/Nationalmuseum 2009
  5. ヘンドリク・ホルツィウス《自画像》1590-91年頃	黒、赤、黄のチョーク、青と緑の淡彩、白チョーク、黒の枠線、紙 スウェーデン国立美術館蔵 ©Cecilia Heisser/Nationalmuseum 2015
    ヘンドリク・ホルツィウス
    《自画像》
    1590-91年頃
    黒、赤、黄のチョーク、青と緑の淡彩、白チョーク、黒の枠線、紙
    スウェーデン国立美術館蔵
    ©Cecilia Heisser/Nationalmuseum 2015
  6. コルネリス・フィッセル《眠る犬》黒と赤のチョーク、黒の淡彩、黒の枠線、紙 スウェーデン国立美術館蔵 ©Hans Thorwid/Nationalmuseum 2009
    コルネリス・フィッセル
    《眠る犬》
    黒と赤のチョーク、黒の淡彩、黒の枠線、紙
    スウェーデン国立美術館蔵
    ©Hans Thorwid/Nationalmuseum 2009
2組4名様 読者プレゼント

本展チケットを抽選で2組4名様にプレゼントいたします。ご希望の方は下記の応募フォームにご入力いただき送信ください。
なお、当選発表は発送をもってかえさせていただきます。
締切:2025年7月16日(水)

開催概要

展覧会名 スウェーデン国立美術館 素描コレクション展―ルネサンスからバロックまで
会期 2025年7月1日(火)〜9月28日(日)
休館日 月曜日(ただし7月21日、8月11日・12日、9月15日・22日は開館)、7月22日(火)、9月16日(火)
時間 9:30〜17:30(金・土曜日は20:00まで)
※入館は閉館時間の30分前まで
会場 国立西洋美術館
台東区上野公園7-7
観覧料 一般2,000円、大学生1,300円、高校生1,000円、中学生以下無料
※詳細はこちらをご確認ください
公式サイト https://drawings2025.jp
問合せ 050-5541-8600(ハローダイヤル)

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