豪華絢爛、優雅に見えるその姿は嘘か誠か
知られざる大奥・真の姿を見る特別展
大奥と聞いて思い浮かべるのは、選ばれた女性たちが豪華絢爛な衣装をまとい、広い江戸城で優雅に暮らす様子か、はたまた世継ぎをめぐる権力争いに翻弄される女性たちの姿か。
娯楽小説や芝居、ドラマなどで描かれてきた想像の姿とは異なる、知られざる大奥の真実を、遺された歴史資料や、ゆかりの品々を通してひも解く展覧会。
本展は4つの章立てで、江戸幕府の隠された歴史ともいえる、大奥の歴史と文化を、その虚実を通して見ることができる。
「第1章 あこがれの大奥」では、大奥での出世のステップを競う遊び《
この章の目玉は、
続く「第2章 大奥の誕生と構造」では、三代将軍徳川家光の時代に「大奥」の礎を築いたといわれる春日局(斎藤福)と家光との関係や、草創期の大奥を支えた天樹院(千姫)、そして大奥で大きな政治的権力を握り栄枯盛衰を見てきた女中たちを紹介。
大奥最大の事件ともいわれる『絵島生島事件』で有名な絵島や、十三代将軍家定をはじめとして3代の将軍に仕えた、江戸幕府最後の御年寄・瀧山などのゆかりの品や日記を通して、女中たちの生涯を垣間見ることができる。
世継ぎを生み育て上げる使命を与えられていた将軍の妻妾たちにとって、大奥での生活は常にプレッシャーとの戦いであった。
「第3章 ゆかりの品は語る」では、閉ざされた生活の中で気丈に生きた歴代大奥のヒロインたちを愛用の品々を通して紹介。
十三代将軍家定の正室、天璋院(篤姫)の搔取は、萌黄色の縮緬地に凛々しさを感じさせる竹と雀の模様に対し、十四代将軍家茂に降嫁した、伝静寛院宮(和宮)のものと伝わる搔取は、白い綸子地の全面に花や源氏車が刺繍や摺匹田で表されている、華やかで雅なもの。ゆかりの品一つひとつにあらわれる個性も楽しみたい。
また、この章では、五代将軍綱吉が側室である瑞春院(お伝の方)に贈ったといわれる、重要文化財 奈良・興福院の刺繡掛袱紗全31枚(会期中、展示替えあり)も大きな見どころだ。
最後の「第4章 大奥のくらし」では、大奥に生まれた将軍の息女や、大奥に迎え入れられた御台所たちがどのような日々を過ごしていたのか、四季折々の衣装や調度品を紹介。珍しいところでは、十一代将軍家斉の時代に活躍した女性の歌舞伎役者、坂東三津江が、大奥で歌舞伎を演じた際に用いた衣装の数々が展示されており、豪華絢爛な舞台の様子をうかがうことができる。
また本展では、「上様のおな〜り〜」の掛け声とともにドラマなどでおなじみの、御鈴廊下のセットが再現されているのも、大奥ファンにはたまらないだろう。
大奥の象徴ともいえるこの廊下も、ドラマや映画の世界と、大奥の見取り図を表わした歴史資料とを比較し、どのような違いがあるのか、考えてみるのも楽しいだろう。
展覧会名 | 特別展「江戸☆大奥」 |
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会期 | 2025年7月19日(土)〜9月21日(日) ※会期中、一部展示替えあり |
休館日 | 月曜日(ただし7月21日、8月11日、9月15日は開館)、7月22日(火) |
時間 |
9:30〜17:00(金・土曜日、7月20日、8月10日、9月14日は20:00まで開館) ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 東京国立博物館 平成館 台東区上野公園13-9 >> 会場の紹介記事はこちら |
観覧料 |
一般 2,100円、大学生 1,300円、高校生 900円、中学生以下・障がい者とその介護者1名は無料 ※詳細はこちらをご確認ください |
公式サイト | https://ooku2025.jp/ |
問合せ | 050-5541-8600 (ハローダイヤル) |
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