特別展「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」

運慶晩年の最高傑作を東京で
国宝7軀で構成される至高の空間

  • 2025/08/21
  • イベント
  • アート

鎌倉時代を代表する仏師・運慶の仏像が安置される空間を今に伝える、奈良・興福寺の北円堂。
本尊の国宝・弥勒如来坐像みろくにょらいざぞうと、両脇に控える国宝・無著むじゃく世親菩薩立像せしんぼさつりゅうぞうに加え、かつて北円堂に安置されていた可能性の高い四天王立像を合わせた7の国宝仏を一堂に展示し、鎌倉復興当時の北円堂内陣の再現を試みる展覧会。

北円堂は通常非公開であるが、弥勒如来坐像の修理完成を記念し、約60年ぶりの寺外公開が実現する。
運慶晩年の傑作として広く知られる、本尊の弥勒如来坐像など、国宝7軀のみで構成された至高の空間は、興福寺でも二度と拝観できない荘厳しょうごんとなる。

日本に現存する八角円堂のうち最も美しいと賞賛される国宝・興福寺北円堂は、養老5(721)年に平城遷都の立役者・藤原不比等の功績を称え、元明・元正天皇の発願によって建立された。
1180年の平重衡たいらのしげひらによる南都焼き討ち後、1210年頃に堂が再建、造像は奈良仏師・運慶一門が手がけ、1212年頃には北円堂諸仏が再興された。このときの四天王立像は長い間失われたものとされてきたが、現在中金堂に安置されている四天王立像がこれにあたるという説が近年支持を集めている。

本展では、北円堂の弥勒如来坐像と無著・世親菩薩立像、中金堂の四天王立像を組み合わせて展示することで、鎌倉復興当時の北円堂内陣の再現を試みる。

弥勒如来坐像は、2024年度の修理を経て、約60年ぶりに寺外で公開となる。古典彫刻に学んだ成果をいかんなく発揮した、運慶一門による傑作ともいえる圧倒的な存在感を会場で体感してほしい。
弥勒如来坐像の両脇には、無著・世親菩薩立像が控える。見る者を圧倒するリアリティは、まさに日本彫刻史上の最高傑作のひとつと言えるだろう。
また、対照的に動的で力強い動きと表情の四天王立像も、弥勒像や無著・世親像との対比をゆっくりと楽しみたい。

  1. 国宝 弥勒如来坐像(部分)
    国宝 弥勒如来坐像(部分)
  2. 国宝 弥勒如来坐像
    国宝 弥勒如来坐像
  3. 国宝 無著菩薩立像
    国宝 無著菩薩立像
  4. 国宝 世親菩薩立像
    国宝 世親菩薩立像

  5. ※すべて、運慶作 鎌倉時代・建暦2年(1212)頃 奈良・興福寺蔵 北円堂安置 撮影:佐々木香輔
2組4名様 読者プレゼント

本展チケットを抽選で2組4名様にプレゼントいたします。ご希望の方は下記の応募フォームにご入力いただき送信ください。
なお、当選発表は発送をもってかえさせていただきます。
締切:2025年9月3日(水)

開催概要

展覧会名 特別展「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」
会期 2025年9月9日(火)〜11月30日(日)
休館日 9月29日(月)、10月6日(月)・14日(火)・20日(月)・27日(月)、11月4日(火)・10日(月)・17日(月)・25日(火)
時間 9:30〜17:00
※入館は閉館時間の30分前まで
会場 東京国立博物館 本館特別5室
台東区上野公園13-9
>> 会場の紹介記事はこちら
観覧料 一般 1,700円、大学生 900円、高校生 600円、中学生以下・障がい者とその介護者1名は無料
※詳細はこちらをご確認ください
公式サイト https://tsumugu.yomiuri.co.jp/unkei2025/
問合せ 050-5541-8600 (ハローダイヤル)

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