アール・デコ様式の美学とメゾンの創造性が交差する瞬間
時代を超えて輝き続ける魅力に迫る展覧会
アール・デコの精華が息づく東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)にて、フランスのハイジュエリー メゾン「ヴァン クリーフ&アーペル」の世界をひも解く展覧会が開催。
本展は、1925年にパリで開催された「現代装飾美術・産業美術国際博覧会(通称 アール・デコ博覧会)」から100周年を迎えることを記念し、同博覧会でグランプリを受賞した作品を含む約250点のジュエリー、時計、工芸品、そして約60点のアーカイブ資料を紹介する。
会場となる旧朝香宮邸は、施主である朝香宮夫妻が1925年のアール・デコ博覧会を訪れた経験をもとに建てられた邸宅で、アンリ・ラパン(1873〜1939年)やルネ・ラリック(1860〜1945年)らによる装飾が施された空間は、現在も竣工時の建築意匠がほぼ完全な形で残っており、当時のアール・デコの時代空間そのものを体感できる希少な建築となっている。
アール・デコの美学とメゾンの創造性が交差するこの場所で、時代を超えて輝き続けるハイジュエリーの魅力に触れることができる。
展覧会は4章構成で、メゾンのスタイルと技術の進化を辿る。
第1章では、アール・デコ期において象徴的なモチーフの一つである、バラをモチーフとした《絡み合う花々、赤と白のローズ ブレスレット》(1924年)や、東洋のイメージを取り入れたロングネックレスなど、アール・デコ博覧会グランプリ受賞作品を含む、アール・デコ期に制作されたハイジュエリーの数々が並ぶ。
第2章では、ダイヤモンドとプラチナを用いたホワイトジュエリーを中心に、1920年代以降ヴァン クリーフ&アーペルが追い求めた立体感のある新たな造形的展開を紹介。
1935年のブリュッセル万国博覧会で注目を集めた《コルレット》(1929年)など、洗練された造形が目を引く。
第3章では、社会の変化に応じて生まれたモダニズムの魅力を伝える作品が並ぶ。鏡や口紅などを収める機能性を備えた《カメリア ミノディエール》(1938年)や、南京錠を模した《カデナ リストウォッチ》(1943年)など、実用性と美しさを兼ね備えたデザインが展開される。
そして第4章となる新館では、メゾンが誇る「サヴォアフェール(匠の技)」を5つのセクションに分けて紹介。菊の花をかたどったルビーの花びらが繊細に咲く《クリサンセマム クリップ》(1937年)や、ネックレスからブレスレットへと変容する《シャンティイ ジップ ネックレス》(1952年)など、創造性と技巧が光る作品が並ぶ。
アール・デコの時代空間に身を置きながら、ヴァン クリーフ&アーペルが紡いできた永遠の瞬間に触れてみてはいかがだろうか。
展覧会名 | 永遠なる瞬間 ヴァン クリーフ&アーペル ── ハイジュエリーが語るアール・デコ |
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会期 | 2025年9月27日(土)〜2026年1月18日(日) |
休館日 | 月曜日(ただし10月13日、11月3日・24日、1月12日は開館)、12月28日(日)〜1月4日(日)、10月14日(火)、11月4日(火)・25日(火)、1月13日(火) |
時間 | 10:00〜18:00(11月21日・22日・28日・29日、12月5日・6日は20:00まで) ※入館は閉館の30分前まで |
会場 | 東京都庭園美術館(本館+新館) 港区白金台5-21-9 >> 会場の紹介記事はこちら |
観覧料 |
一般 1,400円、大学生・専門学校生 1,120円、中高生・65歳以上 700円、中学生以下無料 ※日時指定予約制 ※詳細はこちらをご確認下さい |
公式サイト | https://art.nikkei.com/timeless-art-deco/ |
問合せ | 050-5541-8600 (ハローダイヤル) |
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