特別展「大絶滅展―生命史のビッグファイブ」

生命史最大規模級、5回の「大量絶滅」事変にフォーカスし
生命進化の歴史を追体験

  • 2025/10/09
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生命が誕生してから40億年、地球上の生命は、地球外からの小惑星の衝突や火山などの地球内部の活動により、幾度もの絶滅の危機にさらされてきた。
本展では、5回の大量絶滅(通称「ビッグファイブ」)にフォーカスし、生き物たちの生存をかけた進化の歴史をたどる。

通常の「絶滅」は、100万年ごとに10%程度の種が絶滅すると考えられているが、短期間に75%以上もの分類群が絶滅したとされる現象(=大量絶滅)が過去に何度も起こっている。
そのうち最も大きな5回の絶滅現象が「ビッグファイブ」であるが、それ以前と以降の生命の世界が大きく変わったため、「ビッグファイブ」が次の新しい世界へと繋がる大きな原動力になったという考え方もある。

国立科学博物館で初の「ビッグファイブ」に焦点をあてた特別展となる本展は、各種の古生物や火山、古気候・古海洋などを専門とする国立科学博物館の研究者10名による監修で、さまざまな角度から5回の大量絶滅の謎に迫る。

本展では、全米有数の自然史博物館の一つ、デンバー自然科学博物館から貴重な標本が多数来日し、日本初公開の標本を観ることができるのも、大きなみどころとなる。
日本からは全長約6m、世界最古のステラーダイカイギュウの全身化石を世界初公開するなど、「ビッグファイブ」や生命史を紐解く貴重な標本を多数展開する。
 また、本展のために実施された、大量絶滅と関連の深いモロッコにおける発掘調査の、三畳紀末の絶滅に関わる火山活動の調査結果などが世界で初の公開となる。

本展会場では、大きな地球儀「大絶滅スフィア」が来場者を出迎える。
球型の映像展示で、地球の歴史における「ビッグファイブ」を立体的に分かりやすく紹介。また、史上最大の絶滅の要因でもある火山活動を体感できる、迫力の模型も展示となる。

展示構成は6つの章立てで、5回の大量絶滅事変をひも解く。
生物の多くが海の中で生活していた約4億4400万年前に発生した、最初の大量絶滅事変を取り上げた「EPISODE.1」から、恐竜など中生代型生物が絶滅した約6600万年前を紹介する「EPISODE.5」、そして大量絶滅がなかったものの、寒冷化など激しい気候変化が原因で生物の世界に大きな変化があった新世代を紹介する「EPISODE.6」まで、ビッグファイブをたどることで、地球上の生物が変化し多様化してきた過程を知ることができる。

「EPISODE.1」や「EPISODE.3」で見られる化石と復元画を比べ、現在の地球上の生物との姿かたちや生態の違いに驚いたり、約2億5200万年前の史上最大の絶滅を生き抜き、哺乳類につながる仲間が生き残ったことを不思議に感じたり、『絶滅』にフォーカスした展示を見れば、新たな視点を得ることができるだろう。

  1. アノマロカリス カンブリア紀/ラディオドンタ類/国立科学博物館 復元画©かわさきしゅんいち
    アノマロカリス
  2. タリーモンスター 石炭紀/分類不明/豊橋市自然史博物館 復元画©かわさきしゅんいち
    タリーモンスター
  3. 左上から、エクトコヌス 古第三紀/哺乳類、ワナガノスクスの一種 古第三紀/ワニ類、マメ科の一種(さや)古第三紀/被子植物、エオコノドン 古第三紀/ 哺乳類、ロクソロフスの一種 古第三紀/ 哺乳類 ※全て、デンバー自然科学博物館 ©Denver Museum of Nature & Science
  4. ステラーダイカイギュウ 更新世〜1768年/ジュゴン科/国立科学博物館 復元画©かわさきしゅんいち
    ステラーダイカイギュウ

開催概要

展覧会名 特別展「大絶滅展―生命史のビッグファイブ」
会期 2025年11月1日(土)〜2026年2月23日(月・祝)
休館日 月曜日(ただし、11月3日・24日、1月12日、2月16日・23日は開館)、11月4日(火)・25日(火)、12月28日(日)〜1月1日(木)・13日(火)
時間 9:00〜17:00
※入場は閉館時刻の30分前まで
会場 国立科学博物館
台東区上野公園7-20
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入場料 一般・大学生 2,300円、小中高生 600円、未就学児無料
※詳細はこちらをご確認ください
公式サイト https://daizetsumetsu.jp
問合せ 050-5541-8600 (ハローダイヤル)

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