チュルリョーニス展 内なる星図

絵画と音楽が融合した空間で、チュルリョーニスの個性と感性を体感

  • 2026/03/09
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リトアニアを代表する芸術家、ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス(1875〜1911年)。絵画と音楽というふたつの領域で類まれな才能を示し、35歳の若さで亡くなるまでのわずか6年ほどの画業で、300点以上もの作品を手がけた。
 チュルリョーニスの生誕150周年を記念して開催される本展では、国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス)が所蔵する主要な絵画やグラフィック作品、約80点を紹介。日本では34年ぶりの大回顧展となる。

チュルリョーニスの初期作品には象徴主義的な気分の色濃く漂うものが多く、1904年に制作された《森の囁き》では、彼の絵画を特徴づける音楽性がすでにみとめられる。
 また、祖国であるリトアニアの豊かな自然も常に想像の源であったが、ごくわずかな例外を除き写実的・地誌的な風景描写は存在しておらず、自然の動的な移ろいと循環のプロセスに関心を寄せていた。そうした自然のリズムに対する関心は、《春》や《冬》といった連作に結実され、ほとんど幾何学的な抽象表現となっている。

チュルリョーニスが絵画制作に取り組んだ期間は決して長くはないが、その評価を確固たるものにしているのは、絵画への音楽様式の導入だ。
 幻想的な湖畔のモミの木の風景を描いた《フーガ[二連画「プレリュード、フーガ」より]》は、実在するモミの木の像と水面の反映像は対応しておらず、音楽におけるフーガの構造である「模倣」「展開」、そして「転回」に則っている。また、《第5ソナタ(海のソナタ)》は、アレグロ、アンダンテ、フィナーレといった、3つないし4つの楽章からなるソナタ形式で構成されている。
 同時代の画家とは異なる作曲家ならではの独特なアプローチで、絵画と音楽の融合を試み、空間芸術である絵画に時間の流れを取り込んだ。

また、リトアニアの民話などの民衆文化を着想源とする一方で、神智学や天文学など、当時の国際的な思想潮流にも関心を寄せていた。本展では、人間の精神世界や宇宙の神秘を描いた幻想的な作品のうち、独創的な象徴に満ちた《祭壇》や、謎に包まれた最大の代表作《レックス(王)》を日本で初展示する。

絵画と音楽が融合する会場で、チュルリョーニスの繊細な感性を体感してみては。

  1. 《祭壇》1909年、テンペラ/厚紙
    《祭壇》
    1909年、テンペラ/厚紙
  2. 《レックス(王)》1909年、テンペラ/カンヴァス
    《レックス(王)》
    1909年、テンペラ/カンヴァス
  3. 《森の囁き》1904年、油彩/カンヴァス
    《森の囁き》
    1904年、油彩/カンヴァス
  4. 《春》1907年、テンペラ/紙
    《春》
    1907年、テンペラ/紙
  5. 《第5ソナタ(海のソナタ):アレグロ》1908年、テンペラ/紙
    《第5ソナタ(海のソナタ):アレグロ》
    1908年、テンペラ/紙
  6. 《第5ソナタ(海のソナタ):アンダンテ》1908年、テンペラ/紙
    《第5ソナタ(海のソナタ):アンダンテ》
    1908年、テンペラ/紙
  7. 《第5ソナタ(海のソナタ):フィナーレ》1908年、テンペラ/紙
    《第5ソナタ(海のソナタ):フィナーレ》
    1908年、テンペラ/紙
  8. 《フーガ[二連画「プレリュード、フーガ」より]》1908年、テンペラ/紙
    《フーガ[二連画「プレリュード、フーガ」より]》
    1908年、テンペラ/紙

  9. ※全て、ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス
    国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス)所蔵
    M. K. Čiurlionis National Museum of Art, Kaunas, Lithuania.

開催概要

展覧会名 チュルリョーニス展 内なる星図
会期 2026年3月28日(土)〜6月14日(日)
休館日 月曜日(ただし3月30日、5月4日は開館)、5月7日(木)
時間 9:30〜17:30(金・土曜日は20:00まで)
※入館は閉館時間の30分前まで
会場 国立西洋美術館 企画展示室B2F
台東区上野公園7-7
観覧料 一般2,200円、大学生1,300円、高校生1,000円、中学生以下無料
※詳細はこちらをご確認ください
公式サイト https://2026ciurlionis.nmwa.go.jp
問合せ 050-5541-8600(ハローダイヤル)

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