
絵画と音楽が融合した空間で、チュルリョーニスの個性と感性を体感
リトアニアを代表する芸術家、ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス(1875〜1911年)。絵画と音楽というふたつの領域で類まれな才能を示し、35歳の若さで亡くなるまでのわずか6年ほどの画業で、300点以上もの作品を手がけた。
チュルリョーニスの生誕150周年を記念して開催される本展では、国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス)が所蔵する主要な絵画やグラフィック作品、約80点を紹介。日本では34年ぶりの大回顧展となる。
チュルリョーニスの初期作品には象徴主義的な気分の色濃く漂うものが多く、1904年に制作された《森の囁き》では、彼の絵画を特徴づける音楽性がすでにみとめられる。
また、祖国であるリトアニアの豊かな自然も常に想像の源であったが、ごくわずかな例外を除き写実的・地誌的な風景描写は存在しておらず、自然の動的な移ろいと循環のプロセスに関心を寄せていた。そうした自然のリズムに対する関心は、《春》や《冬》といった連作に結実され、ほとんど幾何学的な抽象表現となっている。
チュルリョーニスが絵画制作に取り組んだ期間は決して長くはないが、その評価を確固たるものにしているのは、絵画への音楽様式の導入だ。
幻想的な湖畔のモミの木の風景を描いた《フーガ[二連画「プレリュード、フーガ」より]》は、実在するモミの木の像と水面の反映像は対応しておらず、音楽におけるフーガの構造である「模倣」「展開」、そして「転回」に則っている。また、《第5ソナタ(海のソナタ)》は、アレグロ、アンダンテ、フィナーレといった、3つないし4つの楽章からなるソナタ形式で構成されている。
同時代の画家とは異なる作曲家ならではの独特なアプローチで、絵画と音楽の融合を試み、空間芸術である絵画に時間の流れを取り込んだ。
また、リトアニアの民話などの民衆文化を着想源とする一方で、神智学や天文学など、当時の国際的な思想潮流にも関心を寄せていた。本展では、人間の精神世界や宇宙の神秘を描いた幻想的な作品のうち、独創的な象徴に満ちた《祭壇》や、謎に包まれた最大の代表作《レックス(王)》を日本で初展示する。
絵画と音楽が融合する会場で、チュルリョーニスの繊細な感性を体感してみては。
| 展覧会名 | チュルリョーニス展 内なる星図 |
|---|---|
| 会期 | 2026年3月28日(土)〜6月14日(日) |
| 休館日 | 月曜日(ただし3月30日、5月4日は開館)、5月7日(木) |
| 時間 | 9:30〜17:30(金・土曜日は20:00まで) ※入館は閉館時間の30分前まで |
| 会場 | 国立西洋美術館 企画展示室B2F 台東区上野公園7-7 |
| 観覧料 |
一般2,200円、大学生1,300円、高校生1,000円、中学生以下無料 ※詳細はこちらをご確認ください |
| 公式サイト | https://2026ciurlionis.nmwa.go.jp |
| 問合せ | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
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