シンシナティ美術館展 〜アメリカに渡ったヨーロッパの至宝〜

巨匠たちの名作からたどる、ヨーロッパ近代美術の軌跡

  • 2026/09/09
  • イベント
  • アート

19〜20世紀のヨーロッパ近代美術を代表する巨匠たちの絵画や彫刻を通して、美術運動や様式の移り変わりをたどる展覧会が、上野の森美術館で開催される。アメリカ・オハイオ州のシンシナティ美術館が145年にわたり収集してきた7万3千点を超えるコレクションから、コロー、セザンヌ、モネをはじめとする選りすぐりの作品84点を紹介。そのうち81点が初来日となる。

展示では、19〜20世紀のヨーロッパ美術を彩った主要なアーティストの作品を、美術運動や様式ごとに紹介する。「アカデミズム」から「バルビゾン派」「伝統への反逆者たち」「印象派」「ポスト印象派」「ナビ派」「キュビスム」「表現主義」へと展開し、近代美術の流れを系統立ててたどる構成だ。ジェロームやブグロー、コロー、マネ、クールベ、セザンヌ、モネ、ルノワール、ファン・ゴッホ、ゴーギャン、ピカソなど、それぞれの時代を担った作家の作品から、美術表現の変化を読み取ることができる。
 なかでも注目されるのが、ファン・ゴッホの最晩年の傑作をはじめとする名作の数々である。これらの作品の多くは、20世紀半ばにシンシナティの地域社会に貢献した女性美術収集家たちによって寄贈された。シンシナティ美術館のコレクションは西洋絵画だけにとどまらず、アメリカ彫刻、中世南アジア美術、現代美術、日本の工芸など幅広い分野を網羅している。絵画作品に加え、ドガの踊り子やジャコメッティ、シナールの胸像など、5点の彫刻作品も大きな見どころだ。
 また、シンシナティ美術館では最新技術を用いた作品の研究も盛んであり、2022年にはセザンヌの《パンと卵のある静物》の下に隠された肖像画が発見されたことも記憶に新しい。作品の制作過程や芸術家の苦悩を現代に伝えるため、科学的な視点を取り入れた研究が行われている。

1881年に創立されたシンシナティ美術館は、市民が資金を持ち寄り、「自分たちの街に本物の文化を根付かせたい」という思いから作られた美術館でもある。現在も「芸術は全ての人のものである」という信念のもと入館無料を守り、70を超える展示室や屋外庭園で、子供向けの創作教育、土曜絵画教室、ヨガクラス、音楽と楽しむ「アート・アフター・ダーク」などを展開している。
 市民一人ひとりの想いが積み重なったコレクションから、ヨーロッパ近代美術の歩みをたどってみてはどうだろうか。

  1. ポール・セザンヌ 《パンと卵のある静物》 1865年 シンシナティ美術館
    ポール・セザンヌ
    《パンと卵のある静物》
    1865年
    シンシナティ美術館
  2. ギュスターヴ・クールベ 《スイス、ヴヴェイの夕暮れ》1873年 シンシナティ美術館
    ギュスターヴ・クールベ
    《スイス、ヴヴェイの夕暮れ》
    1873年
    シンシナティ美術館
  3. クロード・モネ 《ベリールの岩場、ポール=ドモワ》 1886年 シンシナティ美術館
    クロード・モネ
    《ベリールの岩場、ポール=ドモワ》
    1886年
    シンシナティ美術館
  4. エドガー・ドガ 《左脚で立つ第4ポジション》 1883–1888年頃 シンシナティ美術館
    エドガー・ドガ
    《左脚で立つ第4ポジション》
    1883–1888年頃
    シンシナティ美術館
  5. ポール・ゴーギャン 《マハナ・マア》 1892年 シンシナティ美術館
    ポール・ゴーギャン
    《マハナ・マア》
    1892年
    シンシナティ美術館
  6. フィンセント・ファン・ゴッホ 《ポプラ林の中の二人》 1890年 シンシナティ美術館
    フィンセント・ファン・ゴッホ
    《ポプラ林の中の二人》
    1890年
    シンシナティ美術館

開催概要

展覧会名 シンシナティ美術館展 〜アメリカに渡ったヨーロッパの至宝〜
会期 2026年10月10日(土)〜2027年1月10日(日)
休館日 会期中無休
時間 10:00〜17:00
※入場は閉館時間の30分前まで
会場 上野の森美術館
台東区上野公園1-2
入館料 一般 2,400円、高大・専門学生 1,500円、小中生 800円
※未就学児無料
※10月10日(土)〜31日(土)までの平日に限り、大学生以下無料(要証明)
※詳細はこちらをご覧ください
公式サイト www.cincinnati-art2026.jp
問合せ 050-5541-8600 (ハローダイヤル)

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