関島寿子 かごについてのかご

「思考のプロセス」を作品化する、関島寿子独自のアプローチ

  • 2026/10/27
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植物素材を用い、「かご」の構築法そのものを探究してきた関島寿子の作品を紹介する展覧会が、菊池寛実記念 智美術館で開催される。本展では、1980年代から最新作までを通して、関島の思考と実践をたどる。

バスケタリーとは、籠を編む方法、またはその方法で作られたものを指す。しかし、関島の作品は物を入れるための籠ではない。素材を編む「編組(へんそ)」の原理に着目し、「絡める」「結ぶ」「組む」「巻く」「織る」「捩る」の6つの構築法と、植物素材が持つ多様な性質を組み合わせて造形を生み出す。関島の思考そのものが作品であり、その思考を造形に変換する技術が見どころだ。

例えば、繊維を捻ってひも状にする「綯(な)う」という技術に着目した「なわの記録」シリーズでは、一定の時間ごとに赤い布を挟んだり、一定の回数だけ縒(よ)って前段の目を拾ったりすることで、時間の経過や編み物・織物に特有の行為を意識して立体化している。素材を準備するための行為が、形態そのものの面白さや構築の仕組みを表現する手段へと転換した作品だ。

関島が分析的な姿勢で制作に取り組むようになった契機は、1970年代後半のアメリカの工芸との出合いである。古来の手法を現代の表現に変える制作を目の当たりにしたことで、テキスタイルアートとして「かご」を捉える視点を得た。その後、日本の民具を入り口に、洋の東西を問わず様々な道具を観察し、編組の普遍的な原理を探究する独自の制作スタイルを確立していく。

身近な植物素材と編組技術を手がかりに、思考そのものを作品へと転換する関島寿子。分析的な作品を通して、考えることの楽しさや発見に伴う感動を味わいたい。

  1. 「把 �[/Grasp �[」2026年 h40.0�p ジャスミン、クルミ
    「把 �[/Grasp �[」
    2026年
    h40.0�p
    ジャスミン、クルミ
  2. 「空間の合奏 II/Interacted Void II」 2003年 h20.0�p ヒノキ
    「空間の合奏 II/Interacted Void II」
    2003年
    h20.0�p
    ヒノキ
  3. 「なわの記録�U/Re-cord �U」2007年 h29.0�p ヘクソカズラ、絹(紅)
    「なわの記録�U/Re-cord �U」
    2007年
    h29.0�p
    ヘクソカズラ、絹(紅)
  4. 「なわの記録�V/Re-cord �V」2007年 w39.0�p クルミ
    「なわの記録�V/Re-cord �V」
    2007年
    w39.0�p
    クルミ
  5. 「束の間 �U/Bound to Continue �U」 2008年h20.0�p エノキ、ケヤキ、アケビ
    「束の間 �U/Bound to Continue �U」
    2008年
    h20.0�p
    エノキ、ケヤキ、アケビ
  6. 「空間を捩る I/Twisted Space �T」2007年 h23.0�p ヘクソカズラ
    「空間を捩る I/Twisted Space �T」
    2007年
    h23.0�p
    ヘクソカズラ

  7. ※すべて、撮影者:渡邊有紀

開催概要

展覧会名 関島寿子 かごについてのかご
会期 2026年11月14日(土)〜2027年3月22日(月・休)
※前後期、各期内で展示替えあり
前期:11月14日(土)〜1月11日(月・祝)
後期:1月19日(火)〜3月22日(月・休)
休館日 月曜日(ただし11月23日、1月11日、3月22日は開館)、11月24日(火)、12月28日(月)〜1月1日(金)、1月12日(火)〜18日(月)
時間 11:00〜18:00
※入館は閉館時間の30分前まで
会場 菊池寛実記念 智美術館
港区虎ノ門4-1-35
>> 会場の紹介記事はこちら
入館料 一般 1,500円、大学生 1,000円、高校生以下無料
公式サイト https://www.musee-tomo.or.jp/
問合せ 03-5733-5131

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