田中一光とデザインの前後左右

日本を代表するグラフィックデザイナーの軌跡をたどる

  • 2012/08/06
  • イベント
  • アート

大阪万博の展示設計や、新東京国際空港第二旅客ターミナルの壁画デザインなど、昭和期からデザイン界を牽引してきた田中一光(1930〜2002)。彼のグラフィックデザイン作品を中心に映像、図版、資料などをそろえた展覧会です。

グラフィックデザイナーであると同時に、伝統の継承から未来の洞察、東と西の国々との交流など、「デザインの前後左右」を見すえたアートディレクターでもあった田中一光。同時代の仕事仲間であった本展の小池一子ディレクターは「社会、文化、生活の望ましい姿を考えながら創作していた氏は、社会や歴史の局面を作品に盛り込み、机上作業や自己表出のみに留まらないようにしていました」と話しています。特に琳派、浮世絵、市民の文化を熟知し、それらを視覚表現の主題として現代の創作に活かす方法は、同時代のデザイナー、企業へと広がっていきました。

本展では出版・編集デザイン、空間デザイン、商品企画など、多方面に展開した作品を貴重なアーカイブとともに紹介することで、田中一光のデザイン思想の展開や表現を探ります。

※会期終了に伴い画像を削除いたしました
田中一光/グラフィックデザイナー
1930〜2002 年。奈良市生まれ。京都市立美術専門学校(現・京都市立芸術大学)卒業。鐘淵紡績、産經新聞を経て、57年上京。ライトパブリシティに入社。60年、日本デザインセンター創立に参加。63年、田中一光デザイン室を主宰。日本万国博覧会政府館の展示設計や、札幌冬季オリンピック大会、ロンドン「ジャパンスタイル」等の企画、展示設計など多方面の分野で国際的に活躍し、73年より西武流通グループ(現・セゾングループ)のアートディレクターとして活躍。店舗空間、環境デザイン、CI 計画、グラフィック、「無印良品」のアートディレクションなどを通して、企業イメージ戦略をデザイン面から総合的に支えた。他に、「ギャラリー・間」(TOTO)、ギンザ・グラフィック・ギャラリー(DNP 文化振興財団)などの運営に尽力し、企業の文化推進への功績は大きい。また、裏千家・前家元千玄室次男、故伊住政和氏の主宰する「茶美会(さびえ)」の企画監修、アートディレクションをつとめるなど、日本の伝統文化である「茶の湯」の現在のあり方を模索し、茶人「宗一(そういつ)」としても多くのクリエイターに多大な影響を与え「現代の茶の湯」を広めた。
88年パリ装飾美術館所属広告美術館、95年メキシコ現代アートセンター、97年ミラノ市近代美術館、2000年ベルリン・バウハウスアーカイブミュージアムなど、国内外で多数の個展を開催した。88年毎日芸術賞、94年紫綬褒章、ニューヨークアートディレクターズクラブ殿堂入り、1998年朝日賞、98年東京 ADC グランプリ、00年文化功労者表彰など受賞、受章多数。主著に『田中一光のデザインの世界』(講談社)、『デザインの周辺』、『デザインの前後左右』、『デザインの仕事机から』(白水社)などがある。作品はニューヨーク近代美術館をはじめ内外 多数の美術館に収蔵されている。

開催概要

展覧会名 田中一光とデザインの前後左右
会期 2012年9月21日(金)〜2013年1月20日(日)
休館日 火曜日(ただし10月30日、12月25日は開館)、年末年始(12月27日〜1月3日)
時間 11:00〜20:00
※入館は閉館時間の30分前まで
会場 21_21 DESIGN SIGHT
港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内
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入館料 一般1,000円、大学生800円、中高生500円
公式サイト www.2121designsight.jp
問合せ 03-3475-2121

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