中村一美展

絵画空間に独自の意味を持たせる現代美術家、中村一美の軌跡を追う

《存在の鳥 107(キジ)》 2006年 東京国立近代美術館蔵

絵画の存在意義と、その空間がもたらす意味を探求しながら、1200点以上の絵画作品を生み出している現代美術家、中村一美の個展です。

1956年、千葉で生まれた中村は1980年代初頭から本格的な絵画制作に入ります。絵画とは何かという命題を抱え、ジャクソン・ポロック、マーク・ロスコなどの戦後アメリカの抽象表現主義の研究から出発。日本の古代や中世の絵画、中国、宋の時代の山水画、朝鮮の民画などの空間表現や、描かれている物の記号的、象徴的効果を自身の作品の中で生かしていきます。それは、同じモチーフを扱いながら、異なる表現で展開される連作につながり、「存在の鳥」などのシリーズが生まれました。

本展は、作品の持つ意味合いから3部展開に。第T部「空間としての絵画」では、樹木の意味も持つ「Y型」というモチーフを描いた作品や、Y型が重なる「斜行グリッド」連作などが紹介され、第U部「社会意味論としての絵画」では空間整合性を意図的に壊したり、死者への哀悼と鎮魂を表現した作品などが登場。第V部「鳥としての絵画」では、始祖鳥の化石、鳥の象形文字などの鳥の原始的なイメージを参照して制作された作品を展示し、中村が“絵画とは何か”という問いに挑み続けた軌跡を鑑賞できます。
 習作から最新作まで約150点に加え、斜行グリッドによるウォール・ペインティングを初公開するなど、内容の濃い個展です。

《採桑老67(黄瀬萢の翁)》 2001年 個人蔵
《死を悼みて濡れた紫の水瀬に立つ者》 2001-02年 財団法人セゾン現代美術館蔵
《破庵29(奥聖)》 1997年 いわき市立美術館蔵
《リクライニング・ブッダⅠ》 1992-93年 個人蔵(東京都現代美術館寄託)
開催概要
会期 2014年3月19日(水) 〜5月19日(月)
休館日 火曜日(ただし4月29日、5月6日は開館)、5月7日
時間 10:00〜18:00(金曜のみ20:00まで)
※ただし4月19日は22:00まで
※入場は閉館時間の30分前まで
会場 国立新美術館 企画展示室1E
港区六本木7-22-2  
入場料 当日 一般1,000円、大学生500円
公式サイト https://www.nact.jp/
問合せ 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
2014年1月更新