鉄道遺構・再発見

橋梁、トンネル、軌道… 近代の産業遺産である鉄道遺構の魅力に迫る

  • 2015/08/18
  • イベント
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「建築とデザインとその周辺」をコンセプトに独自の切り口で展覧会を開いているLIXILギャラリー。全国に残る廃線跡をテーマに、当時の背景、技術、歴史などを紐解き、近代遺産としての鉄道遺構に着目した企画展です。

1872(明治5)年、日本で初めて鉄道が開通し、徐々に全国に広がっていきます。山にトンネルを通し、河に橋を架けるなど、線路を通すためにその当時の技術を駆使して進められ、土地の形状に合わせて建造物が建てられました。後年、物流手段の多様化やエネルギー効率などから廃線となったものの、未来への遺産として用途を変えて活用されているものもあります。

本展では、廃線になってから新たな価値を見出された鉄道遺構14件を紹介。土木写真家、西山芳一氏によるダイナミックな写真によって、存在感や迫力が身近に感じられる構成です。特に、魚梁瀬(やなせ)森林鉄道、足尾線、横浜臨港線は当時の古写真や映像も公開。当時の路線だけでなく、土地の背景や歴史、近代ならではの素材の使い方、建造物の意匠など、遺構がもつ魅力と多様性に迫ります。

  1. 士幌線・第四音更川橋梁(北海道)
    士幌線・第四音更川橋梁(北海道)
    士幌線(しほろせん)は、戦後電源開発で糠平(ぬかびら)ダムが建設された影響もあり、昭和62年に全線が廃線となった。音更川(おとふけがわ)の支流をまたぎ、山裾を縫っていくため路線は多くの高架橋で繋がれた。うち45がコンクリートアーチ橋である。この第四音更川橋梁は、1936年に建設され、全長91.24m。橋梁上の四角のでっぱりは鋼製の桁橋の受けで、鋼製桁橋は撤去されることが多い中、今も現存している。
  2. 中央本線・大日影トンネル
    中央本線・大日影トンネル。中央本線の時間短縮化などの新トンネル建設に伴い、平成9年に廃止隧道となった。平成19年に遊歩道として公開。ここは、それまで使用されていたレールも敷かれたまま、距離標や勾配標、ベンチマークなどの鉄道標識も現存している。
  3. 足尾線・第二渡良瀬川橋梁
    足尾線・第二渡良瀬川橋梁。現在は、わたらせ渓谷鐡道の橋梁として使用されている。大正元年竣工。ピン結合の2連のプラットトラスと、1連のプレートガーダーから成り、足尾鉄道の中では最長の橋梁で全長は105m。足尾町の歴史的橋梁を代表する橋のひとつ。
  4. 山下臨港線のプロムナード
    山下臨港線のプロムナード。2002年に完成。象の鼻パークに建つコンクリート製の高架橋で、臨港線跡に造られた遊歩道。
※撮影:すべて西山芳一

開催概要

展覧会名 鉄道遺構・再発見
会期 2015年8月27日(木) 〜 11月21日(土)
休館日 水曜日
時間 10:00〜18:00
会場 LIXILギャラリー東京
中央区京橋3-6-18 東京建物京橋ビル LIXIL:GINZA 2F 
入館料 無料
公式サイト https://livingculture.lixil.com/gallery/
問合せ 03-5250-6530

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