人の知恵を生かした古の水防建築をクローズアップ
古くから河川の氾濫が多く発生していた地域に残る水防建築。人の背丈以上の盛り土や石垣で造られた水塚、その上に建てられた蔵である水屋、農具などを中心に、人々の知恵を生かした河川伝統技術に迫る企画展です。
東北の庄内川、関東の荒川や利根川、中部の木曽三川、四国の吉野川などの流域は古くから水防建築が発達。水塚は高さや積み方に地域性があるほか、水屋も冬の突風から土壁を守るために板張りされたり、避難生活が行えるよう居住性を高めたり、貯蔵庫など、用途によっていくつか種類が分かれていました。また、軒先に救助・避難用の上げ舟が吊るされている家も、このような地域ではよく見られます。
本展では、日本大学理工学部畔柳研究室での約15年に及ぶ調査研究をベースに、階段状に高くなっていく“段蔵”、城のように石垣で囲まれた“城構えの家”など10種類の河川伝統技術による水防建築を紹介します。敷地内の水屋の配置や母屋との高さ、水の勢いを軽減する敷地全体が把握できる模型も2点展示。昭和30年代の木曽三川流域で見られた輪中(堤防に囲まれた水防共同体)の風景を記録した写真と、当時使っていた農具も展示され、かつての暮らしぶりがリアルに感じられる構成となっています。
展覧会名 | 水屋・水塚 -水防の知恵と住まい-展 |
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会期 | 2016年9月8日(木) 〜 11月26日(土) |
休館日 | 水曜日 |
時間 | 10:00〜18:00 |
会場 | LIXILギャラリー 中央区京橋3-6-18 東京建物京橋ビル LIXIL:GINZA 2F |
入場料 | 無料 |
公式サイト | https://livingculture.lixil.com/gallery/ |
問合せ | 03-5250-6530 |
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