時代ごとに異なる仮名のかたちを和歌との関わりから展観
平安から室町までの和歌を詠む際に用いられた仮名の特徴と、各時代に代表的な仮名の手本や写本類を見比べ、和歌との関係から仮名の書きぶりの変化の背景を探る企画展です。
905年に『古今和歌集』が編纂された頃から、漢詩とともに公的にも用いられるようになった和歌。平安時代の仮名には、貴族が私的にやり取りした繊細で優雅な仮名の趣が反映されました。続く、鎌倉時代は、武家政権に対する公家文化の象徴として和歌が歌会などの公式行事で詠まれる機会が増加。緊張の場面で詠むために、太い線で厳格な力強さがみられます。南北朝時代になると、複数人で詠む続歌という歌会形式が登場。書式が簡略な短冊が盛んとなり、大字で奔放に書く傾向があらわれます。室町時代には宮中歌会のシステムが整備され、典礼に相応しい立派な趣の仮名が書かれるようになりました。
本展では、平安、鎌倉、南北朝、室町の時代ごとに章立てて構成。自分で詠んで自筆した和歌資料と、各時代に代表的な仮名が書かれた手本・写本類の双方を展示します。目玉の一つは、国宝手鑑『見努世友』所収の「高野切第三種」を筆頭とした優美な平安仮名の数々。そのほか、鎌倉の伏見天皇筆「広沢切」、南北朝〜室町の後土御門天皇 他筆「懐紙帖」なども一斉に並び、必見です。
展覧会名 | 開館50周年記念 時代を映す仮名のかたち ―国宝手鑑『見努世友』と古筆の名品 |
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会期 | 2016年11月19日(土) 〜 12月18日(日) |
休館日 | 月曜日 |
時間 | 10:00〜17:00(金曜は19:00まで) ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 出光美術館 千代田区丸の内3-1-1 帝劇ビル9F >> 会場の紹介記事はこちら |
入館料 | 一般 1,000円、高大生 700円 |
公式サイト | https://idemitsu-museum.or.jp/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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