所蔵作品展 動物集合

動物モチーフに込められた願いと多様な工芸的表現

  • 2017/02/23
  • イベント
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大塚茂吉 《猫》 2005年 東京国立近代美術館蔵
大塚茂吉 《猫》 2005年
東京国立近代美術館蔵

動物の形や習性を長寿や豊穣などの願いと組み合わせた、動物がモチーフの工芸作品に注目し、犬や猫などの身近な生き物から虎などの肉食獣、龍などの神獣、鳥、魚、昆虫に至るまで、素材や技法を駆使して表現した多様な動物作品を総覧する企画展です。

工芸には、ツル、カメ、貝、トンボ、オシドリ、犬、タカ、虎、龍、鳳凰など、たくさんの動物が登場し、ツルカメは長寿、貝は豊穣、トンボは武運といった願いが込められてきました。近代に入ると、動物のモチーフに卵殻の小さなかけらで毛並みを表し、金属の硬質さでタカの勇猛さを表現するなど、古来のイメージにこだわらず素材と技法の特性を生かした作品が多く登場するようになります。

本展では、花鳥を織り込んだ伝統的な錦、天然染料の色の濃淡で生き物のいる情景を表した志村ふくみの紬織などの染織、農耕に欠かせない牛をモチーフにした稲垣稔次郎《紙本型絵染額面 代かき》、愛玩動物を象嵌で神秘的に作り上げた大塚茂吉《猫》、吉祥のモチーフとして重用された鶴がモチーフの二十代堆朱楊成《彫漆硯箱 玄鶴》など、館蔵の多様な動物工芸品が並びます。
 漆芸家 松田権六が鷺の翼の白さや繊細さを「卵殻」という技法で表した《蒔絵鷺文飾箱》のように、工芸作品を作る際に動物の素材を用いた作品もあり、広く動物と工芸の関わりを展観できます。

  1. 辻清明《信楽珍獣》 2006年 東京国立近代美術館蔵
    清明 《信楽珍獣》 2006年
    東京国立近代美術館蔵
  2. 田口義明《蒔絵棗 金魚》 2004年 東京国立近代美術館蔵
    田口義明 《蒔絵棗 金魚》 2004年
    東京国立近代美術館蔵
  3. 二十代堆朱楊成  《彫漆硯箱 玄鶴》 1944年 東京国立近代美術館蔵
    二十代堆朱楊成
    《彫漆硯箱 玄鶴》 1944年
    東京国立近代美術館蔵

開催概要

展覧会名 所蔵作品展 動物集合
会期 2017年2月28日(火) 〜 5月21日(日)
休館日 月曜日(ただし3月20日、27日、4月3日、5月1日は開館)、3月21日(火)
時間 10:00〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで
会場 東京国立近代美術館工芸館
千代田区北の丸公園1-1
入館料 一般 210円、大学生 70円
無料観覧日:3月5日(日)、4月2日(日)、5月7日(日)、5月18日(木)
公式サイト https://www.momat.go.jp/craft-museum/
問合せ 03-5777-8600(ハローダイヤル)

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