絵解きも魅力! 果物、野菜などのモティーフで寓意的な肖像画
16世紀後半にウィーンとプラハで活躍した宮廷画家ジュゼッペ・アルチンボルド(1526〜1593年)。果物や野菜などのモティーフを組み合わせて寓意的な肖像画を描き、当時の神聖ローマ皇帝や後世のアーティストに刺激を与えたその画業に迫る企画展です。
1526年にミラノに生まれたアルチンボルドは、1562年にハプスブルグ家の宮廷画家となります。時と世界の要素を構成する『四季』や『四大元素』など、皇帝を称揚する連作を手掛ける傍ら、宮廷の祝賀行事の企画演出、古代美術品の買い付けなどで才能を発揮。隠喩で見る者を驚かせながら帝国を称揚して、イベント趣旨を効果的に伝えていました。作品に描き込んだ花、果物、魚、鳥は全て実在の種。レオナルド・ダ・ヴィンチ以来の写実の伝統があったミラノで育ったため、アルチンボルドもまた客観的で微細に表現しています。顔に現れた特徴から性質を見抜く観相学、古代の文字、修辞法など、当時の知識を作品に融合させているのも特徴です。
本展では、世界各地にあって数も少なく、借用が困難な油彩約10点が集結。《春》《夏》《秋》《冬》は、日本で初めて一堂にそろいました。また、その芸術の成り立ちを探るべくレオナルド派の頭部を描いた素描、ハプスブルグ家の皇帝が蒐集した同時代の美術工芸品なども展示されます。1930年代のシュルレアリストたちによって魅力を再発見された奇才の宮廷画家の全貌を展観できます。
展覧会名 | アルチンボルド展 |
---|---|
会期 | 2017年6月20日(火) 〜 9月24日(日) |
休館日 | 月曜日(ただし7月17日、8月14日、9月18日は開館)、7月18日(火) |
時間 | 9:30〜17:30(金・土曜日は21:00まで) ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 国立西洋美術館 台東区上野公園7-7 |
入館料 | 一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生 800円 |
公式サイト | https://www.nmwa.go.jp/jp/index.html |
問合せ | 03-5777-8600(ハローダイヤル) |
記載内容は取材もしくは更新時の情報によるものです。商品の価格や取扱い・営業時間の変更等がございます。