柳宗悦も蒐集し、日本人の美意識に合致した色絵の魅力
絵付を施す装飾技法を用いた陶磁器「色絵」。江戸時代から日本で好まれた陶磁器として注目し、明時代の天啓赤絵と呉州赤絵、九州の伊万里焼の色絵などを蒐集した柳宗悦のコレクションと、濱田庄司らの色絵を展観しながら、その魅力を探る企画展です。
中国では五彩と言われる色絵は、高温で焼き上げた陶磁器に絵付けを施し、再度焼成して上絵具を器表に定着させる技法。古染付と呼ばれる染付磁器の中で、赤、緑、黄、黒の色絵具で上絵付けしたものを天啓赤絵と呼んでおり、茶器、皿などの器が残されています。一方の呉州赤絵は、明時代後期に福建省の漳州窯で焼かれた輸出用の色絵磁器で、染付の下絵を用いず、赤、青、緑、黒で上絵付けされるのが特徴です。荒い砂粒が付着した砂高台があり、30cm以上の大皿が主体。17世紀になると日本でも色絵の生産が始まり、古伊万里赤絵はヨーロッパなどへ輸出されました。
本展では、天啓赤絵、呉州赤絵、古伊万里赤絵のほか、濱田庄司ら工芸作家によって試みられた色絵を紹介。初回の焼成で生じたキズを補強するように施された「色絵魚介文鮑形鉢」などに加え、朝鮮半島で多く見られた釉薬の下に施された釉下彩の作品、香合として珍重された小型の赤玉の合子、絢爛豪華な輸出用伊万里など幅広く展観し、色絵の魅力を多角的に捉えます。
展覧会名 | 色絵の器 −天啓赤絵・呉州赤絵・古伊万里赤絵− |
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会期 | 2017年6月27日(火) 〜 8月27日(日) |
休館日 | 月曜日 ※祝日の場合は開館、翌火曜休館 |
時間 | 10:00〜17:00 ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 日本民藝館 目黒区駒場4-3-33 >> 会場の紹介記事はこちら |
入館料 | 一般 1,100円、高大生 600円、小中生 200円 |
公式サイト | https://mingeikan.or.jp/ |
問合せ | 03-3467-4527 |
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