色絵の器 −天啓赤絵・呉州赤絵・古伊万里赤絵−

柳宗悦も蒐集し、日本人の美意識に合致した色絵の魅力

  • 2017/06/20
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絵付を施す装飾技法を用いた陶磁器「色絵」。江戸時代から日本で好まれた陶磁器として注目し、明時代の天啓赤絵と呉州赤絵、九州の伊万里焼の色絵などを蒐集した柳宗悦のコレクションと、濱田庄司らの色絵を展観しながら、その魅力を探る企画展です。

中国では五彩と言われる色絵は、高温で焼き上げた陶磁器に絵付けを施し、再度焼成して上絵具を器表に定着させる技法。古染付と呼ばれる染付磁器の中で、赤、緑、黄、黒の色絵具で上絵付けしたものを天啓赤絵と呼んでおり、茶器、皿などの器が残されています。一方の呉州赤絵は、明時代後期に福建省の漳州窯で焼かれた輸出用の色絵磁器で、染付の下絵を用いず、赤、青、緑、黒で上絵付けされるのが特徴です。荒い砂粒が付着した砂高台があり、30cm以上の大皿が主体。17世紀になると日本でも色絵の生産が始まり、古伊万里赤絵はヨーロッパなどへ輸出されました。

本展では、天啓赤絵、呉州赤絵、古伊万里赤絵のほか、濱田庄司ら工芸作家によって試みられた色絵を紹介。初回の焼成で生じたキズを補強するように施された「色絵魚介文鮑形鉢」などに加え、朝鮮半島で多く見られた釉薬の下に施された釉下彩の作品、香合として珍重された小型の赤玉の合子、絢爛豪華な輸出用伊万里など幅広く展観し、色絵の魅力を多角的に捉えます。

  1. 色絵魚介鮑形鉢 明時代 17世紀前半 幅27.0cm
    色絵魚介鮑形鉢
    明時代 17世紀前半
    幅27.0cm
  2. 色絵瓢箪瑞獣文皿 明時代 17世紀前半 径36.8cm
    色絵瓢箪瑞獣文皿
    明時代 17世紀前半
    径36.8cm
  3. 色絵柳文壺 江戸時代 17世紀中葉 高21.9cm
    色絵柳文壺
    江戸時代 17世紀中葉
    高21.9cm
  4. 色絵牡丹文角瓶 江戸時代 18世紀前半 高20.2cm
    色絵牡丹文角瓶
    江戸時代 18世紀前半
    高20.2cm

開催概要

展覧会名 色絵の器 −天啓赤絵・呉州赤絵・古伊万里赤絵−
会期 2017年6月27日(火) 〜 8月27日(日)
休館日 月曜日 ※祝日の場合は開館、翌火曜休館
時間 10:00〜17:00
※入館は閉館時間の30分前まで
会場 日本民藝館
目黒区駒場4-3-33 
>> 会場の紹介記事はこちら
入館料 一般 1,100円、高大生 600円、小中生 200円
公式サイト https://mingeikan.or.jp/
問合せ 03-3467-4527

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