作品に影響を与えた“妻”を切り口にこれまでの写真人生を考察する
1960年代から写真家として活動し、国内外で高い評価を得ている荒木経惟。500冊以上の写真集を出版し、多様なテーマや手法を用いた膨大な作品群から、死別するまで最も重要な被写体であった妻「陽子」に焦点を当てて、プライベートを題材とした私写真とその写真人生を考察する展覧会です。
1960年代、電通にカメラマンとして就職し、後に妻となる陽子と出会います。1970年代に結婚し、1990年に陽子が他界するまで、色々な作品に被写体として登場し、荒木の写真人生に大きく影響を与えました。
本展では、「陽子」の存在を色濃く感じさせる多様な作品を紹介します。1960年代末〜1970年初頭にかけて、陽子と結婚する前に撮った作品〈愛のプロローグ ぼくの陽子〉では、旅行や日常を撮った約100点を世界初公開で展示。新婚旅行と新婚生活を撮った〈わが愛、陽子〉では、1978(昭和53)年に発行された写真集に掲載されていた陽子のエッセイも紹介されます。1971年、1000部限定の私家版として刊行された〈センチメンタルな旅〉では、東京都写真美術館収蔵のオリジナルプリント全108点を一斉に公開。〈東京は、秋〉は、大型プリントで展示されるほか、当時写真を二人で観賞した際の会話も作品と一緒に並びます。生死をカラーとモノクロでイメージした〈食事〉、陽子の死までを記録した〈冬の旅〉、陽子がいない喪失感が表れている〈空景/近景〉、自身が前立腺がんを患い、死を意識して制作した〈遺作 空2〉など、初期から近作まで幅広く網羅。最新作〈写狂老人A日記〉では、2017年1月1日から陽子の命日1月27日、愛猫チロの命日3月2日まで、その日付で撮影した作品が公開されます。
展覧会名 | 総合開館20周年記念 荒木経惟 センチメンタルな旅 1971−2017− |
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会期 | 2017年7月25日(火) 〜 9月24日(日) |
休館日 | 月曜日(ただし9月18日は開館)、9月19日(火) |
時間 | 10:00〜18:00 ※木・金は20:00まで、ただし7月27日(木)〜8月25日(金)の木・金は21:00まで ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 東京都写真美術館 2階展示室 目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内 >> 会場の紹介記事はこちら |
入館料 | 一般 900円、学生 800円、中高生・65歳以上 700円 ※第3水曜日は65歳以上無料 |
公式サイト | https://topmuseum.jp/ |
問合せ | 03-3280-0099 |
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