野生展:飼いならされない感覚と思考

自分の中に息づく野生の力を見出す

人間の持つ本能であり、知性でもある野生。創造力に刺激を与える誘因ともなるそのエネルギーに注目し、現代においても失われていない各人の中に潜む野性を発動させる方法を探る企画展です。

生活し、文化を営んでいく上で、心の土台となる野生の能力は、クリエイティブの分野でも大きな力を発揮。偶然の域を超えた発見や発明を呼び起こしてきました。明治時代の博物学者、南方熊楠はこのような超越的な思考で粘菌学、神話学、民俗学などで優れた功績を残し、大学者と称されています。
 同じ世界で同じ体験をして、合理性が重要視される現代でも、まだ管理されず、飼いならされていない心の領域が人々の心に残っています。それこそ、今の時代に大切な野生です。新しい発見や創造を行っていくために、誰の心にも残る野生を各々見つけ出すことが重要となります。

本展のディレクターは思想家で、人類学者の中沢新一氏が担い、「生活と仕事の中でこの『野生の領域』への通路を開く鍵を発見することができるか」をテーマに展示をディレクション。チベットで仏教を学び、人類の思考全域を視野に入れた“精神の考古学”を開拓した中沢氏は、各地のフィールドワークを通じて学問の垣根を超えた研究を実践してきました。
 野生の力を発揮させるための発見方法を、デザイナーやアーティストなど現代の表現者たちが自らの野生の力を投影したさまざまな作品や資料を通して紐解きます。見たことのない物事の意味をどのように理解し、表現するのか。多様でユニークな世界が広がる作品群によって、私たちの心の奥で潜む野生が目覚める。そのきっかけとなる発見を目指す内容です。

青木美歌「あなたと私の間に」(Photo:Yusuke Sato)
大森克己「和歌山県古座川町 2002」
ステファニー・クエール「Old Boar」© Stephanie Quayle

田島征三「吠える獣」(撮影:酒井 敦)
渡邊拓也「道具と作ることのインスタレーション -case1-」(© Tokyo Wonder Site/Photo: Ken Kato)
開催概要
展覧会名 21_21 DESIGN SIGHT企画展 「野生展:飼いならされない感覚と思考」
会期 2017年10月20日(金) 〜 2018年2月4日(日)
休館日 火曜日、12月26日(火)〜1月3日(水)
時間 10:00〜19:00
※入場は各閉館時間の30分前まで
会場 21_21 DESIGN SIGHT
港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン 
入場料 一般 1,100円、大学生 800円、高校生 500円
公式サイト http://www.2121designsight.jp
問合せ 03-3475-2121
2017年10月更新