紀元前から16世紀まで、9つの南米文化の知見に迫る
紀元前13000年前の先史時代から16世紀のインカ帝国の滅亡まで、南北4000km、標高差4500mの広大な地域で花開いた古代アンデス文明。ナスカやシカンといった各時代の文化に着目し、時系列ごとに個々の文化の特徴や優れた技術、独自の生活様式、文化を超えた共通点などに迫ります。1994年に開催された「黄金の都シカン発掘展」から2012年「インカ帝国展―マチュピチュ『発見』100年」まで5回の展覧会を開催した「TBSアンデス・プロジェクト」の集大成となる企画展です。
古代エジプトと同じくらい古くから文明が栄えたアンデス地域。ペルーの首都リマから北に200kmほどの場所で栄えたカラル文化、巨石の文化が発達したティワナク文化、地上絵で知られるナスカ文化など、砂漠の海岸地帯から人が住む限界の高地まで、地域も気候もさまざまな中で9つの文化が花開いていきます。
独創的な土器、華麗な黄金製品、美しい織物、紐と結び目のキープに代表される記録技術、神殿やピラミッドといった石造りの建造物、トマトやトウモロコシに代表される農作物など、その独自性は他の大陸に類を見ないものでした。
本展では、先史時代からスペイン人によるインカ帝国征服までの約15000年の間に生まれた9つの文化の盛衰を、黄金製品やミイラ、土器などの約200点の資料によって展観します。アンデス特有の環境や人が定住するまでの過程を紹介する序章、1章では紀元前3000年頃に興ったカラル文化における宗教について、2章では石造りの建造物や宗教観を紀元前1300年に興ったチャビン文化から探ります。3章では地方文化として発達したナスカ文化、モチェ文化に迫り、4章では、高度な石造建築技術を誇るティワナク文化、インカ道を最初に築いたワリ文化、金属加工技術に長けたシカン文化に注目、5章ではチムー王国とインカ帝国の2大勢力を取り上げ、時系列で9つの文化を辿ります。最後の6章では、独自のミイラ文化に着目し、アンデスの生病老死について考察します。文字・貨幣・市場がないこと、石の文明と言われる所以、地上絵の目的など、特有であるゆえに生まれる謎や世界観にも迫る壮大な内容です。
展覧会名 | 古代アンデス文明展 |
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会期 | 2017年10月21日(土) 〜 2018年2月18日(日) |
休館日 | 月曜日(ただし1月8日、2月12日は開館)、 12月28日(木)〜1月1日(月・祝)、1月9日(火) |
時間 | 9:00〜17:00(金・土曜日は20:00まで) ※入館は各閉館時刻の30分前まで |
会場 | 国立科学博物館 台東区上野公園7-20 >> 会場の紹介記事はこちら |
入館料 | 一般・大学生 1,600円、小・中・高校生 600円 |
公式サイト | https://www.kahaku.go.jp/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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