国内外のアーティスト7人が魅せる「今」を表す装飾表現
古くから儀式や呪術などで身近に存在していた「装飾」。その時代の特徴を表したり、意味を持たせたり、文字とは異なる手法で後世に伝えていく装飾の特徴に注目し、世界のアーティストが独自の視点で表現した「装飾」作品から、現代の様相を覗く企画展です。
装飾は、弔いの儀式や呪術的なタトゥーなど、歴史の中で欠かせないものとして存在してきました。多様な意味を含みつつ時代に合った表現で作られており、現実の生々しさや複雑さを認識するために必要不可欠なものでした。形骸化しても、時が経つとまた新しい意味をまとって変化していく。つまり、装飾は、日常を複雑なまま認識するための切り札とも言えます。
本展では、年齢も国籍もジャンルも異なる7組のアーティストが現代を装飾で表現。ベルギーのヴィム・デルヴォワは、ゴシック建築の装飾で形作られた《低床トレーラー》、ゴシック建築の装飾がオウムガイの形に歪められている《ノーチラス》などを展示。オランダのニンケ・コスターは、1800年様式、新古典主義など異なる様式で建てられたオランダ国内の歴史的建造物の天井や壁の装飾を写し取り、シリコーンゴムのスツールにした《時のエレメント》を紹介します。この作品は、実際に座ることも可能です。参加者を巻き込むプロジェクトを数多く手掛ける山本麻紀子は、白金台の家の窓から見える様子をベースに物語を想像。窓の絵と物語を携えて突然住人を訪ねるプロジェクトを展開します。ファッションブランド「writtenafterwards」を主宰する山縣良和は最新コレクションを発表。双子のアーティストである高田安規子・政子は、軽石を削って作ったローマの《凱旋門》、ゴム製の吸盤に切子細工のカッティングを施した《カットグラス》など、固定概念を揺るがす作品を展示するほか、タイのアラヤー・ラートチャムルーンスックは花柄の布をかけた身元不明の遺体たちに恋物語を歌いかける《タイ・メドレー》を放映します。異なる時代や文化圏のモチーフを再構成し、実在しない世界をキャンバスに生み出すコア・ポアは、近年特に注目されている作家。代表作シリーズを紹介します。
展覧会名 | 装飾は流転する 「今」と向きあう7つの方法 |
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会期 | 2017年11月18日(土) 〜 2018年2月25日(日) |
休館日 | 毎月第2・第4水曜日、12月27日(水)〜1月4日(木) |
時間 | 10:00〜18:00(11月23日・24日・25日は20:00まで) ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 東京都庭園美術館 本館・新館 港区白金台5-21-9 >> 会場の紹介記事はこちら |
入館料 | 一般 1,100円、大学生(専修・各種専門学校含む) 880円、中高生・65歳以上 550円 |
公式サイト | https://www.teien-art-museum.ne.jp/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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