18〜20世紀を牽引したパリの女性像を絵画、写真、ドレスなどから紐解く
流行や文化の中心として、常に注目されてきたパリ。そこで生きる女性たちは、時代の流れに沿いながらも、多様な生き方で活躍してきました。フランス革命や第二次世界大戦など、歴史が大きく動いた18〜20世紀のパリジェンヌに注目し、その生き方やファッションなどをボストン美術館のコレクションから紐解く企画展です。
本展では、時代ごとに5章に分けて紹介。1章「パリという舞台−邸宅と劇場にみる18世紀のエレガンス」では、文化の中心がヴェルサイユからパリに移行し、サロン交流が盛んになった同時代をクローズアップ。《ドレス(3つのパーツからなる)》、銀器と有田焼がコラボした《ティーセット(箱付)》などが展示されます。
2章は、「日々の生活−家庭と仕事、女性の役割」と題し、風俗画から当時の女性の姿を追います。ジャン=オノレ・フラゴナール《良き母親》、ルイ=レオポルド・ボワイー《アイロンをかける若い女性》など、母親や召使い、未亡人など多様な女性が描かれました。オノレ・ドーミエ《〈青鞜派〉第28図(『シャリヴァリ』1844年5月23日)》のような、保守的な価値観から自立する女性を皮肉った風刺画なども登場しました。
3章「「パリジェンヌ」の確立−憧れのスタイル」では、ナポレオン3世による第二帝政時代を取り上げます。近代化された街で消費を謳歌し、最先端の装いを着こなすパリの女性像が流行になり、アメリカにまで伝わりました。
4章は、「芸術をとりまく環境−制作者、モデル、ミューズ」。19世紀後半、印象派やソシエテ・デ・パントゥル=グラヴール(画家・版画家協会)などの新勢力が台頭したなか、モデルやミューズとなったり、画家として制作を行う女性の姿を追います。
最後の5章では、「モダン・シーン−舞台、街角、スタジオ」と題して、仕事やスポーツなど幅広く活躍し、時代を牽引する“パリジェンヌ”となっていく過程を展観します。レギーナ・レラング《バルテ、パリ》のようなファッション写真、すっきりしたシルエットのピエール・カルダン《ドレス》、ゲアダ・ヴィーイナ《『ジュルナル・デ・ダム・エ・デ・モード』より、プレート170》のイラスト、ポストカードなど、多彩な作品が並びます。
展覧会名 | ボストン美術館 パリジェンヌ展 時代を映す女性たち |
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会期 | 2018年1月13日(土) 〜 4月1日(日) |
休館日 | 月曜日(ただし2月12日は開館)、2月13日(火) |
時間 | 10:00〜18:00 ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 世田谷美術館 世田谷区砧公園1-2 |
入館料 | 一般 1,500円、65歳以上 1,200円、大高生 900円、中小生 500円 |
公式サイト | https://www.setagayaartmuseum.or.jp/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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