アラビア半島の歴史をサウジアラビアの文化財から展観
石器時代から人の営みがあり、古代以降は各地への交易路によって人々が往来、多くの文明が生まれたアラビア半島。その大半を治めるサウジアラビア王国の歴史や文化はまだ日本人にはあまり知られていません。馴染みの少ないその歴史を、遺跡や古代都市の出土品、イスラームの美術品、サウジアラビア王国の初代国王となったアブドゥルアジーズ王の遺品などの文化財400件以上を展観しながら紐解く希少な企画展です。
サウジアラビア王国は、サウード家を国王とする君主制国家。イスラーム教の2大聖地であるマッカとマディーナを擁するため、イスラーム世界の中心的存在としてアラブ諸国内で主導的な役割を果たしています。「サウード(家)によるアラブ(の王国)」という意味を持つ国名の通り、リヤド周辺の領主であった同家がアラビア半島の大部分を支配下において王国を築きました。国土は日本の約5.7倍ありますが、その約3分の1が砂漠となっています。
本展では、“道”をキーワードにサウジアラビア王国の歴史を全5章の構成で紹介します。第1章「人類、アジアへの道」は、先史時代がテーマ。100万年以上前のアジアで最初の石器、紀元前6500年頃のものとされる石彫「馬」、ユニークな表情の「人形石柱」などが展示されます。続く、第2章「文明に出会う道」では、メソポタミア文明とインダス文明を繋ぐ海上交易で繁栄したアラビア湾(ペルシャ湾)沿岸地域の出土物を紹介。第3章「香料の道」は、香料交易で発達した各地のオアシス都市から出土した遺物に注目。イエメンからもたらされた香炉、信仰を集めた神々の小像、地中海周辺で製作されたガラスの器などのほか、黄金の「葬送用マスク」など副葬品も並びます。7世紀に興ったイスラーム教に着目した、第4章「巡礼の道」では、アラビア文字が刻まれた墓石、16世紀に作られたクルアーン(コーラン)写本、17世紀に聖地マッカのカァバ神殿で実際に使われていた扉など、イスラームの美術品を展観します。近代以降のサウジアラビアに迫る第5章「王国への道」では、18世紀に誕生したサウード家による王国以降、現代に至るまでの日用品、武器、工芸品などを紹介。サウジアラビア王国初代国王のアブドゥルアジーズ王の上衣や刀なども展示され、必見です。知られざるアラビアの歴史を展観しながら学べる内容となっています。
展覧会名 | アラビアの道−サウジアラビア王国の至宝 |
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会期 | 2018年1月23日(火) 〜 3月18日(日) |
休館日 | 月曜日(ただし2月12日は開館)、2月13日(火) |
時間 | 9:30〜17:00(金曜・土曜は21:00まで) ※入館は各閉館時間の30分前まで |
会場 | 東京国立博物館 表慶館 台東区上野公園13-9 >> 会場の紹介記事はこちら |
観覧料 | 一般 620円、大学生 410円 |
公式サイト | http://www.tnm.jp/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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