至上の印象派展 ビュールレ・コレクション

まとめて見るラストチャンス! 巨匠ぞろいな世界有数のプライベート・コレクション

  • 2018/01/26
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  • アート

ピエール=オーギュスト・ルノワール 《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》 1880年 油彩、カンヴァス 65×54cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland) Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)
ピエール=オーギュスト・ルノワール
《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》
1880年 油彩、カンヴァス 65×54cm

スイスの実業家エミール・ゲオルク・ビュールレが戦前から戦後にかけて収集した、世界有数のフランス印象派絵画のプライベート・コレクション「ビュールレ・コレクション」。モネ、ファン・ゴッホ、セザンヌ、ルノワールなど、名だたる巨匠の名作が集い、その半数が初公開となる希少な企画展です。

1890年、ドイツ南西部に生まれたビュールレは、1937年にスイス国籍を得て移り住んだチューリヒの邸宅を飾るため、コローなどのバルビゾン派や、ピサロやシスレーなどの印象派の作品を収集し始めます。1940年代には、フランス絵画を中心に約80点を購入しますが、レンブラントとファン・ゴッホの自画像は贋作と発覚。
 ビュールレ没後の1960年、ビュールレの妻、息子、娘によって財団が設立し、邸宅に隣接する別棟でプライベート美術館として一般公開を始めます。しかし、2008年、セザンヌやモネなど、4作品が武装強盗団によって盗まれた事件を機に一般公開を規制(その後、作品は全て無事発見される)。2020年には、チューリヒ美術館新館に常設展示されることが決定されました。

本展は、2020年のチューリヒ美術館への移行前にコレクションの全貌を見る、日本での最後の機会となります。1人の人物が作り上げた、巨匠の名作を中心とした価値あるコレクションをテーマや作家を軸に紐解きます。
 「1章 肖像画」、「2章 ヨーロッパの都市」、「3章 19世紀のフランス絵画」、「4章 印象派の風景−マネ、モネ、ピサロ、シスレー」、「5章 印象派の人物−ドガとルノワール」、「6章 ポール・セザンヌ」、「7章 フィンセント・ファン・ゴッホ」、「8章 20世紀初頭のフランス絵画」、「9章 モダン・アート」、「10章 One Wall Painting」と全10章の構成で、近代西洋絵画の潮流はもとより、風景と人物にテーマを絞り、モネやルノワールなどそれぞれの分野を得意とする印象派の画家たちの名作を紹介。特に、ルノワール《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》と、セザンヌ《赤いチョッキの少年》の2点は、最高傑作として知られる非常に重要な作品です。また、スイスから一度も出たことがない大作である、高さ2m×幅4mのモネ《睡蓮の池、緑の反映》も紹介されます。
 そのほか、アングルが描いた夫人の肖像、ルノワールが描いたシスレーの肖像、ドガ《リュドヴィック・ルピック伯爵とその娘たち》、マネ《ベルヴュの庭の隅》、ファン・ゴッホ《二人の農婦》、ゴーギャン《贈りもの》、ピカソ《花とレモンのある静物》など、20世紀初頭までの作品、約60点が並びます。

  1. フィンセント・ファン・ゴッホ	《日没を背に種まく人》	1888年	油彩、カンヴァス 73×92cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland) Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)
  2. エドガー・ドガ	《リュドヴィック・ルピック伯爵とその娘たち》	1871年頃	油彩、カンヴァス	65×81cm	©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)	Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)
  3. ポール・ゴーギャン	《贈りもの》	1902年	油彩、カンヴァス	68.5×78.5cm	©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)	Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)
  4. クロード・モネ	《ジヴェルニーのモネの庭》	1895年	油彩、カンヴァス	81.5×92cm	©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)	Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)
  5. クロード・モネ	《睡蓮の池、緑の反映》	1920-26年頃	油彩、カンヴァス	200×425cm	©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)	Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)
  1. フィンセント・ファン・ゴッホ 《日没を背に種まく人》 1888年 油彩、カンヴァス 73×92cm
  2. エドガー・ドガ 《リュドヴィック・ルピック伯爵とその娘たち》 1871年頃 油彩、カンヴァス 65×81cm
  3. ポール・ゴーギャン 《贈りもの》 1902年 油彩、カンヴァス 68.5×78.5cm
  4. クロード・モネ 《ジヴェルニーのモネの庭》 1895年 油彩、カンヴァス 81.5×92cm
  5. クロード・モネ 《睡蓮の池、緑の反映》 1920-26年頃 油彩、カンヴァス 200×425cm

開催概要

展覧会名 至上の印象派展 ビュールレ・コレクション
会期 2018年2月14日(水) 〜 5月7日(月)
休館日 火曜日(ただし5月1日は除く)
時間 10:00〜18:00
※毎週金・土曜日、4月28日(土)〜5月6日(日)は、は20:00まで
※入場は閉館時間の30分前まで
会場 国立新美術館 企画展示室1E
港区六本木7-22-2 
>> 会場の紹介記事はこちら
観覧料 当日 一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生 800円
公式サイト https://www.nact.jp
問合せ 03-5777-8600 (ハローダイヤル)

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