北斎が追い求めた江戸美人! 門人や娘の美人画も
「冨嶽三十六景」などの風景画で知られる浮世絵師、葛飾北斎。数多ある作品の中から美人画に注目し、江戸の女性風俗を伝えるポーラ文化研究所所蔵の結髪模型などの資料と併せながら、美人画の魅力や江戸時代のファッションに迫る企画展です。
90歳と長寿だった北斎の画歴は70年あり、時代ごとに画風も変わっています。特に壮年期は、美人画の制作に力を入れ、「美人画家の北斎、戯作者の京伝」と当時の洒落本において並び称されるほどでした。美人の概念は、時代ごとに変わっていくものですが、北斎も伝統的な日本美人の型とされる“うりざね顔の楚々とした女性”から、“ボリュームのある艶やかな女性”に画風が変わっていき、特徴的な美人画のスタイルを確立します。
本展では、「第1章 北斎美人七変化―美人様式のうつりかわり」、「第2章 華麗なるファッション・ヘアスタイルの世界」、「第3章 北斎スクールの美人たち」の3章で構成。まず、常に新しいスタイルの美人を描いた北斎の美人画がどのように変化してきたかをじっくり展観。続いて、当時の江戸の女性たちのファッションを作品や資料から紐解きます。鮮やかな色合いの着物だけでなく、簪(かんざし)、櫛、笄(こうがい)などの装飾品、化粧道具なども解説。高価な本紅を塗り重ねる当時流行した化粧法で、光りによって緑から玉虫色に見えた“笹色紅”も、「枕草子を読む娘」(前期展示)などでその様相を知ることができます。花魁の代表的な髪型の模型も展示されます。
また、北斎の門人たちの美人画も紹介。自分の画風を守らせることに固執しなかった北斎のもと、独自路線で進んだり、ほかからの影響を受けた門人たちの多様な作風が楽しめます。北斎の娘である葛飾応為の版本『女重宝記』(全期展示)も展示され、必見です。
当時の女性のファッション文化を浮世絵だけでなく、資料などと重ねあわせて展観することで、より具体的に掘り下げられる点が魅力的な企画展となっています。
展覧会名 | Hokusai Beauty 〜華やぐ江戸の女たち〜 |
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会期 | 2018年2月14日(水) 〜 4月8日(日) ※会期中、一部展示替えあり 前期:2月14日(水) 〜 3月11日(日) 後期:3月13日(火) 〜 4月8日(日) |
休館日 | 月曜 |
時間 | 9:30〜17:30 ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | すみだ北斎美術館 墨田区亀沢2-7-2 |
入館料 | 一般 1,000円、高大生・65歳以上 700円、中学生 300円、小学生以下無料 |
公式サイト | http://hokusai-museum.jp/beauty/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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