写真発祥地の原風景 長崎

明治150年記念!19世紀の初期写真から見る幕末・明治の長崎

2006年度から日本全国の美術館、博物館、資料館などが管理する初期写真や資料を調査し、体系化してきた東京都写真美術館。初期写真の調査研究をまとめた「夜明けまえ 知られざる日本写真開拓史」展シリーズに続く、新しい初期写真の企画展シリーズです。第1弾である今回は、写真発祥地である長崎、東京、北海道のうち、明治150年を記念して長崎をテーマに、初期写真、古地図、絵画、工芸品などから、当時の空間構造や時代感覚を把握します。

1868年、大政奉還が行われ、日本は近代国家へと大きく舵を切ります。幕末に日本に伝来した写真技術は、普及が早い都市ほど多く制作され、写真発祥地では、当時の日本の姿を克明に記録した写真が多数制作されました。中でも長崎は、鎖国中から西洋と東洋が交差する独自の文化で注目され、国内からも多くの人が遊学に赴いています。幕末には、ピエール・ロシエ、フェリーチェ・ベアトなどの外国人写真師が海外から訪れて写真を残したほか、写真の開祖と呼ばれる上野彦馬・幸馬や内田九一、為政虎三ら、日本人写真師も長崎を拠点に活動。写真文化の普及に寄与しました。

本展では、全4章の構成で展開します。「1章:写真以前の長崎」では、多人種が往来した長崎とその文化の特殊性を、版画、古地図、旅行記等の資料から掘り起こします。「2章:長崎と写真技術」では、外国人や長崎の写真師と当時の写真技術を紹介。ストレオ写真(3D写真)をプロジェクションし、立体感の再現も行います。「3章:長崎鳥瞰」では、長崎の各地で撮影されたパノラマ写真を紹介。日本最古のパノラマ写真であるプロイセン東アジア遠征団写真班 《(長崎パノラマ)》も展示されます。「4章:長崎クローズアップ」では、出島の変遷を中心に、市街地、居留地、諏訪神社、高島炭鉱などに着目。当時の風俗や人物を写真から展観します。
 写真に写されているイメージだけでなく、サイズ、台紙や写真帖の様式など、当時の雰囲気も総合して写真を展観できるように、立体的な展示が試みられている点も特徴的です。当時の長崎を訪れたような臨場感が楽しめる企画展となっています。

プロイセン東アジア遠征団写真班《(長崎パノラマ)》(部分)1861年東京都写真美術館
上野彦馬《(フルベッキ集合写真)》1868年頃 鶏卵紙 長崎歴史文化博物館
  
フェリーチェ・ベアト《眼鏡橋、長崎》1866年 鶏卵紙 東京都写真美術館
ヴィルヘルム・ブルガー《武士の挨拶》1866年 鶏卵紙(ステレオカード) 長崎大学附属図書館
開催概要
展覧会名 写真発祥地の原風景 長崎
会期 2018年3月6日(火) 〜 5月6日(日)
※4月9日(月)に展示替えを行います
休館日 月曜日(ただし4月30日、5月1日は開館)
時間 10:00〜18:00(木・金は20:00まで)
※入館は閉館時間の30分前まで
会場 東京都写真美術館 2階展示室
目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内 
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入館料 一般 700円、学生 600円、中高生・65歳以上 500円
※第3水曜日は65歳以上無料
公式サイト http://topmuseum.jp/
問合せ 03-3280-0099
2018年2月更新