プーシキン美術館展――旅するフランス風景画

モネやルノワールなど、巨匠作品目白押し!フランス近代風景画の流れを辿る

モスクワの中心部に位置し、約60万点以上の収蔵作品を誇るモスクワのプーシキン美術館。中でも、質の高さで知られるフランス近代絵画コレクションのうち、風景画65点に焦点を当て、その流れを辿る企画展です。

古代から風景は、屋外の光景として描かれてきたものの、物語の一場面の背景であることがほとんどで、メインの絵画ではありませんでした。16〜17世紀にかけて物語画の風景の割合が大きくなり、次第に風景だけを描いた絵が生まれ、「風景画」というジャンルが登場。19世紀半ばには、屋外で使える比較的小型のカメラも普及し、パリ近郊の村には写真家も多く訪れ、画家たちの中にはそうした写真を制作の参考にした人もいたようです。

本展では、17世紀のオランダで「風景画」が生まれてから、バルビゾン派による純粋な風景画が人気を博すようになるまでを第1部の「第1章 近代風景画の源流」と「第2章 自然への讃美」で、印象派以降の風景画の広がりを眺める第2部では「第3章 大都市パリの風景」、「第4章 パリ近郊―身近な自然へのまなざし」、「第5章 南へ―新たな光と風景」、「第6章 海を渡って/想像の世界」と、大きく2つの枠で風景画を捉え、掘り下げていきます。
 遺跡を多数描いたユベール・ロベールの《水に囲まれた神殿》、詩的で情緒あふれる田園風景を描いたジャン=バティスト=カミーユ・コローの《夕暮れ》、パリを追われてスイスへ亡命したギュスターヴ・クールベの《山の小屋》、穏やかな色調と単純化された形が特徴的なアルベール・マルケの《パリのサン=ミシェル橋》、優しい筆致で描いたピエール=オーギュスト・ルノワールの《庭にて、ムーラン・ド・ラ・ギャレットの木陰》、鮮やかな色彩がフォーヴィズムらしいアンドレ・ドランの《港に並ぶヨット》、タヒチの情景を描いたポール・ゴーガンの《マタモエ、孔雀のいる風景》など、巨匠による様々な情景を舞台にした風景画が集います。特に、初来日となるモネの《草上の昼食》は、サロンに出品するべく縦4メートル、横6メートル超えの大作に挑んだものの出品されることなく切り分けられた同名の作品の最終下絵と考えられており、モネの当時の構想を今に伝える希少な作品で必見です。
 革命前のモスクワで財を成したセルゲイ・シチューキンとイワン・モロゾフが19世紀後半から20世紀初頭にかけて収集したコレクションをベースに、フランス近代風景画を成り立ちから印象派を経て、20世紀まで幅広く展観できます。

クロード・モネ 《草上の昼食》 1866年
ユベール・ロベール 《水に囲まれた神殿》 1780年代

ピエール=オーギュスト・ルノワール 《庭にて、ムーラン・ド・ラ・ギャレットの木陰》 1876年
アンドレ・ドラン 《港に並ぶヨット》 1905年
アンリ・ルソー 《馬を襲うジャガー》 1910年
作品画像はすべて ©The Pushkin State Museum of Fine Arts, Moscow.
開催概要
展覧会名 プーシキン美術館展――旅するフランス風景画
会期 2018年4月14日(土) 〜 7月8日(日)
休室日 月曜日(ただし4月30日は開室)
時間 9:30〜17:30(金曜は20:00まで)
※入室は閉室時間の30分前まで
会場 東京都美術館
台東区上野公園8-36 
観覧料 一般 1,600円、大学生・専門学校生 1,300円、高校生 800円、65歳以上 1,000円
※4月18日(水)、5月16日(水)、6月20日(水)はシルバーデーにより65歳以上の方は無料(要証明)
※毎月第3土・翌日曜日は家族ふれあいの日とし、18歳未満の子を同伴する保護者(都内在住、2名まで)は一般当日料金の半額(要証明)
公式サイト https://www.tobikan.jp/
問合せ 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
2018年4月更新