古代のマスクから君主像まで! 110点の肖像から社会的役割や特質を学ぶ
多くの日本人が訪れる“美の殿堂”、ルーヴル美術館。膨大なコレクションの中から、肖像芸術に絞り、3000年前の古代エジプトのマスクから19世紀の肖像画まで幅広く展観し、社会的役割や特質を浮き彫りにする企画展です。日仏友好160周年を記念して開かれます。
西洋美術において、肖像は主要な芸術ジャンルの一つ。貨幣やミニアチュールも加えると最も広く普及した芸術作品とも言えます。単にモデルの身体的特徴を忠実に描写するだけでなく、権力、社会的地位、その人物の個性や性格なども表現する役割も担いました。気軽に制作でき、自分のイメージを広める媒体となるほか、過去を復元することによって私たちの心の奥深くに潜む感情を呼び覚まし、アイデンティティに問いかけるメディアにもなります。
同展では、古代メソポタミア、古代オリエント美術、古代エジプト美術、古代ギリシャ・エトルリア・ローマ美術、イスラム美術、絵画、彫刻、美術工芸品、素描・版画と、ルーヴル美術館の8部門すべてが関わり、各部門を代表する肖像が約110点集まります。プロローグでは、肖像の起源に値する古代エジプトのマスクを展示します。第1章は、記憶や祈念に焦点を当て、故人の肖像、奉納像、祈祷像を紹介。第2章では、政治的、道徳的、経済的権力と結びついた役割や意味を考察。第3章では、近代における肖像の変調をクローズアップさせます。エピローグでは、近年注目を集める16世紀後半に活躍したジュゼッペ・アルチンボルドの《春》と《秋》が登場。見る人の視線によって多層的イメージに変容する肖像の醍醐味が感じられます。
中でも、ルネサンス時代の肖像画で最高傑作と言われている、16世紀ヴェネツィア派の巨匠ヴェロネーゼが描いた《美しきナーニ》は、27年ぶりの来日となり必見です。また、ナポレオンのコーナーでは、その激動の人生を、アントワーヌ=ジャン・グロ《アルコレ橋のボナパルト(1796年11月17日)》を含む5点の作品でたどります。あまり知られていない貴重な作品や、今回を機に修復された作品も含まれ、幅広く肖像の魅力に触れられます。
展覧会名 | ルーヴル美術館展 肖像芸術 ―人は人をどう表現してきたか |
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会期 | 2018年5月30日(水) 〜 9月3日(月) |
休館日 | 火曜日(ただし8月14日は開館) |
時間 | 10:00〜18:00 ※金・土曜日は、6月は20:00まで、7・8・9月は21:00まで ※入場は閉館時間の30分前まで |
会場 | 国立新美術館 企画展示室1E 港区六本木7-22-2 >> 会場の紹介記事はこちら |
観覧料 | 当日 一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生 800円 |
公式サイト | http://www.ntv.co.jp/louvre2018/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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