所蔵作品展 こどもとおとなのアツアツこうげいかん

温度と力のかかり具合が決め手!「工芸」の隠れたドラマを探る

器や籠など、日々の生活に欠かせない工芸作品。身近であるからこそ、気付かなかった制作過程に着目し、熱と圧力を駆使して作られる工程の複雑さや工夫点から、隠れた魅力を探るコレクション展です。子どもも楽しめるようポイントを絞った優しい解説で、親子で楽しめます。

工芸の制作では、温度と力のかかり具合によって美しい作品が生まれるものが少なくありません。陶磁は、成形する時も、窯で焼く時も、圧力に逆らうと同時にその力をボディに取り込んでいます。
 藍染で使う藍の葉を発酵させたスクモの発酵床は70度以上になることも。絞り染めでは、布の一部をギュッと結んで圧をかけ、文様を生み出します。
 ガラス作品では、原料を高温で熱したドロドロ状態から固まっていく間に加工したり、金属パイプにガラスだねを巻きつけて空気を吹き込んだり、加工後500〜600度の徐冷炉に入れて少しずつ常温に戻して割れやゆがみを防いだりと、熱や圧力が成形に大きく作用します。
 軽くて丈夫な竹のカゴのツヤは、煮る、または火で炙って油を抜き、天日干しするという細かな工程を経て出てくるもの。押し曲げて組んで、戻ろうとする力で互いを押さえ込んで、カゴの形状となっている実態もクールな外見からは予想もしないアツアツな工程です。

本展では、陶磁、ガラス、漆工、木工、竹工、染織、金工と、所蔵コレクションから多彩なジャンルをピックアップ。人間国宝から若手作家まで幅広く約130点が一堂に集います。各作品の熱さと圧力に迫り、その制作工程を掘り下げます。子どもと一緒に楽しめる観察ツール「ジロジロめがね」の製作工房、作品に触ることもできる「家族でタッチ&トーク」、オリジナル缶バッジ作りなど、10種類のプログラムも展開。大人にも子どもにも分かりやすく工芸制作の裏側を解説します。

田嶋悦子 《Cornucopia 02-XI》 2002年 東京国立近代美術館蔵 撮影:斎城 卓
高橋禎彦 《つぶつぶの瓶》 2010年 東京国立近代美術館蔵 撮影:斎城 卓
エミール・ガレ 《藤文花瓶》 1900-04年頃 東京国立近代美術館蔵 撮影:斎城 卓

寺井直次 《夕顔書類箱》 1957年 東京国立近代美術館蔵 撮影:斎城 卓
森口華弘 《古代縮緬地友禅訪問着 四季の香》 1959年 東京国立近代美術館蔵
生野祥雲斎 《竹華器 怒濤》 1956年 東京国立近代美術館蔵 撮影:斎城 卓
開催概要
展覧会名 所蔵作品展 こどもとおとなのアツアツこうげいかん
会期 2018年6月19日(火) 〜 8月26日(日)
休館日 月曜日(ただし7月16日は開館)、7月17日(火)
時間 10:00〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで
会場 東京国立近代美術館工芸館
千代田区北の丸公園1-1  
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入館料 一般 250円、大学生 130円
無料観覧日:7月1日(日)、8月5日(日)
公式サイト http://www.momat.go.jp/cg/exhibition/kids_adults2018/
問合せ 03-5777-8600(ハローダイヤル)
2018年6月更新